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留学同情勢ニュースブログ

留学同(在日本朝鮮留学生同盟)が朝鮮半島情勢をはじめとして様々な情報や見解を発信するブログです。

日本を包囲しろ~朝鮮民族による記憶の闘い~

 チェコ出身の作家であるミラン・クンデラいわく
 「権力にたいする人間の闘いとは、忘却にたいする記憶の闘いにほかならない」

 筆者はこの言葉に全面的に賛同する。
 いや、賛同するどころの話ではない。我々は、在日朝鮮人は、いま一度この言葉を深く心に刻みつける必要があるのではないだろうか。
 改めてそのようなことを思わせる出来事がいくつかあった。以下に紹介したい。

 ①大阪市、サンフランシスコと姉妹都市解消へ 回答なしで(朝日 10月2日)
 (https://www.asahi.com/articles/ASLB16WN1LB1PTIL02Z.html

 ②安倍首相、「金大中-小渕宣言」20周年行事で、“過去”は見ず“未来”を強調(ハンギョレ 10月9日)
 (http://japan.hani.co.kr/arti/international/31813.html

 ③北朝鮮「プラス成長」主張 16~17年のGDP初公表 制裁下の発展アピール
 (https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36427320S8A011C1000000/

 ①は2017年9月に民間団体によって米サンフランシスコ市内に設置された、日本による性奴隷被害者の像に関して、大阪市の吉村洋文市長が碑文に「性奴隷にされた何十万人の女性」と書かれていることなどについて、「日本政府の見解と違う」とし、1957年以来続いた両市の姉妹都市関係を解消すると一方的に解消すると通知した件である。
醜悪極まりない内容だが、参考までに以下に大阪市が公開している書簡を載せておこう。
 (参考①)サンフランシスコ市長宛公開書簡
 (http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/keizaisenryaku/0000448185.html

 ②は1998年に当時小渕恵三首相と金大中大統領により発表された「21世紀新しい韓日パートナーシップ共同宣言」(パートナーシップ宣言)20周年を記念し10月9日に東京で行われた記念シンポジウムに関する記事である。シンポジウムに参加した安部首相は、
 「両国関係が未来指向的になり、前進することができた」(※下線は筆者)
 「日韓両国の若者たちの相互交流を通じて、未来指向的な関係を構築したい。日韓関係の発展のために文在寅(ムン・ジェイン)大統領と共に努力したい」(※下線は筆者)
 と述べているように、繰り返し「未来指向」という言葉を用い、パートナーシップ宣言に言及されていた「両国が過去を直視」するという面にほとんど触れることはなく、韓日両国の未来指向的な関係の在り方を強調したそうだ。(そもそも論だが、植民地支配に対する一定の言及はありつつも、具体的な賠償、補償の在り方すら明記されていない「パートナーシップ」宣言には大いに問題があるが、紙幅の関係上それへの言及は控える。)
 (参考②)日韓共同宣言 -21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ-
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/yojin/arc_98/k_sengen.html

 上記3つの記事は、日本における醜悪なまでの植民地主義精神とそれに派生する歴史修正主義がこの朝鮮半島における平和統一情勢の中にあっても、いやむしろその中だからこそ、より色めき立っていることを示す事例といえるだろう。
特に③の記事の内容は見出しだけをみれば、一見今回の主題とは関係ないようにもみえるが、その記事の中身は筆者をおおいに憤慨させた。
 以下は③の記事内の社会科学院経済研究所の李基成教授に対し共同新聞の記者がインタビューを行い、その中で今後の日本との経済協力に関して言及した箇所である。

 「南北関係が進展する中、李氏は「地政学的に有利な位置にあることを生かし、周辺国と協力して産業を発展させたい」と表明。日本との経済協力については「日本が敵対政策をやめて、植民地時代の被害に対する謝罪や賠償をするなら可能だろう」と話し、一定の条件が満たされれば貿易や科学技術交流、投資など多様な面での協力が可能との認識を示した。(※下線は筆者)

 下線にも示したが、ここで述べられている「一定の条件」とはおそらく李氏のいう「日本が敵対政策をやめて、植民地時代の被害に対する謝罪や賠償」を指しているのだと考えられるが、そうだとすれば「一定の条件が満たされれば(中略)(朝日の)協力が可能」とは、なんとも軽い、安易な表現ではなかろうか。
 周知の事実であるが、日本がいままで朝鮮民族に対する植民地支配責任を果たすため誠実な対応をしたことは一度たりとも存在しない。北南朝鮮、海外同胞の絶え間ない運動や声があったにも関わらず、である。「お詫び」や「謝罪」といった言葉を並べ取り繕う真似はしても、具体的な行動をとることは皆無であった。
 1965年に締結された韓日基本条約においては、過去清算の問題は請求権を相互に放棄するという形で妥結され、また1991年から12回にわたって行われた朝日国交正常化交渉においても朝鮮側による「植民地支配の被害に対する賠償、補償」の要求を一貫して否認し(事前にだされた自民、社会、朝鮮労働党による3党共同宣言には言及があったにもかかわらず)、大いに交渉の障害となったことにも明らかなように、日本にとって「植民地時代の被害に対する謝罪や賠償」を行うことは、「一定の条件」と軽く表現できるような類のものではなく、歴史上いまだ果たされていない、「大いなる責任」として捉えるべきであり、交渉の一ファクターとしか捉えられないような表現を行うこと自体に、深刻なまでの問題の深刻さへの無理解、当事者意識の欠如、そしてなによりもそれら全ての根である植民地主義的心性があらわれていると感じる。
 (参考③)3党共同宣言
 (http://www.chongryon.com/ss/comp/w27/w27_J.html

 現在、朝鮮民族の統一への気運は過去に例をみないほど高まっている。それに関連して、北南共同で日本による植民地支配期の被害を回復、真相究明を行う動きもまた表面化してきている。

 ④南北が慰安婦など日本戦争被害国際大会を開催(ハンギョレ 10月8日)
 (http://japan.hani.co.kr/arti/politics/31796.html

 ⑤南側民和協が平壌を訪問/強制連行被害者遺骨奉還問題など民間交流について協議(朝鮮新報 7月21日)
 (http://chosonsinbo.com/jp/2018/07/21suk-6/

 ⑥南北共闘で日本による強制動員問題の解決目指す 韓国で団体発足(聯合ニュース 8月9日)
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180809-00000045-yonh-kr

 このような朝鮮民族の動きに対して日本側は当初から、植民地支配の責任を巡る「南北共闘」を恐れているとの見方があるのは周知のとおりである。(南北共闘という文言自体、本来は不必要なものではあるが)

 ⑦日本政府、南北共闘を警戒 板門店宣言「民族共同行事」で 慰安婦・徴用工問題が再燃も
 (https://www.sankei.com/politics/news/180506/plt1805060005-n1.html

 そう、敵は恐れているのだ。100年以上もの間、一方的に殺し、略奪し、離散を強い、そして「不問に付されてきた」その罪を問われることを。冒頭で紹介した記事①②にみられるような動きは、日本の植民地主義的心性の継続、と表現する以外にも、上述してきたように朝鮮民族が一丸となって、その責任を問うてくることに対する反動的現象、つまり日本帝国主義の悲鳴とも捉えられるのではないか。筆者はそう感じている。

 さて、最後に、我々在日朝鮮人はこの事態にどのように対処し、主体的に関わっていくべきかを述べて終わりにしたいと思う。

 筆者はなによりも在日朝鮮人の一人一人が、在日朝鮮人の専門家として、日本帝国主義によって引き起こされた在日同胞への被害の歴史、現在をしっかりと調査、記憶し、継承、そして主張していくことが求められているのではないかと感じている。
人によってはこれは「当たり前のことではないか」と思われる方もいるかもしれない。
言われるまでもないと思われるかもしれない。

 しかし、現状はどうであろうか。

 筆者はいち在日朝鮮人として、現在の在日同胞社会をみつめたとき、そこに上述したような姿勢を殆どといっていいほどみることがないと感じている。
 同胞社会内でよく耳にするものは「朝鮮学校」や「無償化」「現在の統一への盛り上がり」といったように(それ自体に関心をもつことは必要だし、否定しているわけではない)極端に限定されている印象を感じざるを得ない。
 いったいどれだけの同胞が、例えば日帝による強制動員の被害、その究明に主体的に関わっているのか、その現状をどれだけ把握しているのか、ここ数年来全国的につづいている、日本各地の朝鮮人強制動員被害に言及した碑石への官民による弾圧に関心を持っているのか…。
 朝鮮学校やそこに通う生徒、そして現在の統一気運は、いずれも目に見えやすい「いま」でしかない。我々はもっと「記憶」にまつわる物語に関心をもたなくてはいけない。それが歴史性を自覚することだと筆者は考えている。
 昨今の統一気運によって、同胞社会内に祖国朝鮮への関心をもつようになった者が増えたのは肌身に感じている。それ自体は喜ばしいことであるし、より関心をもつべきだとも思う。しかし、その明るいムードの中で、遠くに目がいきすぎ、足元がみえていないのではないか?とも感じさせられる。足元とは、我々が住むこの「日本」であり、そして「在日朝鮮人」のことである。足元がみえず、情勢の勢いにただ乗りするかのような、妙な「未来指向」に我々もまた毒されてはいないだろうか。

 在日朝鮮人への被害やそして抵抗の歴史、それは在日朝鮮人ひとりひとりがその専門家として責任をもち記憶していくほか、ない。
 朝鮮学校の建設、各種権利の取得と並んでまた、植民地支配による被害の実態を究明し、継承、伝えてきたのも在日朝鮮人自身であった。それは歴史が証明している事実である。

 筆者は安易な「在日志向」を推奨しているわけでは決してない。
 そうではなく、その現場にいるものとして責任をもつべきだといいたいのだ。
 日本による植民地支配によって在日朝鮮人に引き起こされた被害の歴史、それを責任をもち、知り、究明し、また広く伝えていく、そこをもって、現在の北南朝鮮による「共闘」に我々も主体的に参加し、「日本」を包囲しなくてはならない。抽象的な在日「架け橋」論ではなく、その歴史性を共有し、その現状を打開、改編していく主体として我々在日朝鮮人は参画しなければならない。それが朝鮮民族であることだと筆者は考えている。

 図1


 最後に在日朝鮮人作家である黄英治の一節をひいておきたい。

「父の記憶は火葬された。帝国主義―植民地時代を生き抜いた、父がその脳髄に刻み込んでいたさまざまな記憶は、火葬場の煙突から、原子となって大気に放出された。永遠に語られない物語。失われた記憶。父の記憶をみすみす火葬してしまったという大きな悔い、その罪。私はそれをどう償えばいいのか。」 黄英治『記憶の火葬』

 これ以上、記憶の火葬を許してはならない。

 我々は朝鮮民族としての集団性を意識ながら、在日朝鮮人という現場にいる者としての責任を自覚し、日本帝国主義ににたいする記憶の闘いを行わなくてはならない。
 そんなことを思う今日この頃である(尚)

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悪辣な「不当な支配」判決

 朝鮮高級学校に高校「無償化」適用を求める裁判で、2018年9月27日、大阪高等裁判所で極めて悪辣な判決が出た。広島地裁、東京地裁、名古屋地裁と同様の結果であった。2017年7月28日に大阪地裁での原告(朝鮮学園)の全面勝訴判決を完全に覆した判決であった。

不当判決


 ここでも「無償化」不適用を認めた理由は「不当な支配」であった。朝鮮民主主義人民共和国や朝鮮総聯との関係性を問題視し、「教育の目的を達するための必要性、合理性の限度を越えて介入を受け、教育の自主性をゆがめているような支配を受けている合理的疑いがある」とした。そのうえで、指定規程13条(適正な学校運営)(※1)に適合しないとして、国側の不指定処分が違法ではないという結論をくだした。
 
 一応それらしい言葉を並べてみたものの、司法のいう根拠は単純である。「共和国=悪」、「朝鮮総聯=悪」、「朝鮮(人)=悪」、それだけである。その悪の主体が関わっている以上「不当な支配」であるということである。しかもその「悪認定」の裁量を文部科学大臣に与えているので、文部科学大臣が「悪」といえばその通り認めるというわけである(大阪地裁判決はその裁量を否定した)。さらに、「朝鮮がなぜ悪なのか?」という問いに対しては、「過度の介入をしているから」という理由にならない理由を持ってくる。
 過度の介入をしていれば悪なのか? 答えはもちろんNOである。高校「無償化」制度は、日本の国家が高等学校または高等学校相当の学校に通う学生の経済的負担を軽減するために支援を与えるものである。なので、当然ながら過度の介入が禁止されるのは日本国家権力による介入である。お金を握っているので当然。そこにどう考えたら朝鮮民主主義人民共和国や朝鮮総聯が出てくるのか? どう考えたら朝鮮総聯との関係を問題にしようとする発想になるのか? 法律の趣旨から考えて、馬鹿としか答えようがない。そもそも法律を論じるくせに法律の趣旨を考慮していないこと自体が究極に愚かなのである。そして「不当な支配」の論理を逆に使い、最も防ぐべき日本国による不当な介入・不当な支配を認めてしまったという点で愚かさ百点満点である。
 「高校無償化法」の趣旨から考えて、日本以外の国家や何らかの団体による「不当な支配」を云々言っていることが極めて愚かなのである。つまり、それは偏見に満ちあふれたものというべきである。朝鮮人に対してはまともな法律論はどこかにぶっ飛んでしまうらしい。まさに植民地主義そのものである。「忖度」などではない。高等裁判所という国家権力が、朝鮮人に対しては同じ人間とは見ないということがはっきりしただけである。

 さらに問題指摘するなら、指定規程13条(※1)の位置づけである。法律の趣旨、条文の全体を見ればすぐにわかる。この13条は、「適正な学校運営」という極めて抽象的な内容である。曖昧ゆえに安易に使ってはいけない。適正かどうかの判断を誰がどのように行うのか?は慎重に慎重を重ねて行われるものである(大阪地裁判決はそのように扱っている)。学校の実体がないなど明らかな不正受給がある場合のための条項であるとみるのが普通である(条文にもわざわざ「授業に係る債権の弁済への確実な充当」と書いている)。これも法律を扱う人間であれば当然わかる。いや、法律に携わっていなくてもまともな人権感覚を持っていればわかる。その条項を惜しげもなく朝鮮学校に使ったということが偏見にまみれている証拠といえる。朝鮮学校はそもそも怪しいと決めてかかっているからこそできる悪徳な荒業である(実際は、朝鮮学校を不指定にする根拠が無さ過ぎてこの条項くらいしか使うものがなかったためだと考えられるが。)。

 もう一点、(ハ)規定(※2)削除の問題を無視していることは、長く書かないが広島地裁、東京地裁、名古屋地裁判決と同様に悪徳の極みである。そもそも排除した本質を無視するとは。逆に言えば無視することしかできないくらい問題すぎるという証拠と言える。

  「司法が国に忖度した!」という言葉が飛んだが、もはや「忖度」というレベルではない。忖度して真っ当な判決を出せなかったのではなく、司法という国家機関が、新安倍内閣の面々同様の歴史修正主義者・植民地主義者で満ち溢れているというほうが正しいのではなかろうか。
 今回含め一連の不当判決は、法律が時の政治、時の為政者によって簡単に都合良く悪用され、逆に弾圧の手段として用いられるということを改めて明らかにした。そして、多くの裁判官自身が時の為政者の一味に過ぎないということもわかった。言いかえれば、「司法が最後の望み」とか「司法が最後の救済機関である」といった言葉が幻想であることがはっきりとした。
立法、行政、司法が三位一体となって朝鮮人を弾圧し(地方権力もそこに加わる)、法そのものが弾圧の手段となっている以上、自分たちの闘いはそのすべてに向けた民衆による闘いとならなければならない。もちろん法律は一つの武器としなければならないが、日本の司法になど期待してはいけない。自分たちの力で切り拓いていくしかない。それは何より政治による闘いであり思想による闘いである。もちろんそれは閉塞しきった「監獄日本」の中で疲弊させられ息苦しく行うのではなく、激動する情勢の中、平和と統一に向かう祖国とともに。


※1「指定規程」
「高校無償化法」施行規則第一条第一項第二項ハの規程に基づく指定に関する規定
・第13条(適正な学校運営):
「前条に規定するもののほか、指定教育施設は、高等学校等就学支援金の授業料に係る債権の弁済への確実な充当など法令に基づく学校の運営を適正に行わなければならない」

※2「(ハ)規定」
「高校無償化法」施行規則
・第一条第一項第二号
(高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学省令で定めるもの)
各種学校であって、我が国に居住する外国の学校の課程と同等の課程を有するものとして当該外国の学校教育制度において位置付けられたものであって、文部科学大臣が指定したもの
イ 高等学校に対応する外国の学校の課程と同等の課程を有するものとして当該外国の学校教育制度において位置付けられたものであって、文部科学大臣が指定したもの
ロ イに掲げるもののほか、その教育活動等について、文部科学大臣が指定する団体の認定を受けたものであって、文部科学大臣が指定したもの
ハ イ及びロに掲げるもののほか、文部科学大臣が定めるところにより、高等学校の課程に類する課程を置くものと認められるものとして、文部科学大臣が指定したもの

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実り多き秋-9月平壌共同宣言を熱烈に歓迎、支持する

 先日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)は創建70周年を迎えた。
 1948年から今日まで、厳しい状況の中でも朝鮮人民のための社会主義国家建設に邁進してきた朝鮮の堂々とした姿は、世界中を驚かせたであろう。

創建70周年
(画像は朝鮮新報から転載させていただきました)

〈朝鮮創建70周年〉朝鮮創建70周年を盛大に慶祝/金正恩委員長が記念行事に参席
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/yr20180911-1/


留学同メンバーもその時期を祖国-朝鮮で過ごし、歴史的瞬間を祖国人民たちと共にした。
日帝による植民地支配期から今日までの朝鮮の闘争の歴史は、まさに帝国主義との闘いであったし、現在においても堅持している立場であるだろう。そして朝鮮半島における平和的自主統一への思い、世界の自主化偉業を成し遂げるために国をあげて邁進していくエネルギーがそこにはあった。

現在、朝鮮は労働党の新たな戦略的路線の下、全国家的に経済建設に総力を注いでいる。

(※参考)朝鮮労働党中央委員会第7期第3回総会/新たな戦略的路線を提示
http://dprk-doc.com/jp/archives/1382
(引用)
朝鮮労働党委員長同志は、今回の総会で並進路線の勝利を宣言し、経済建設に総力を集中することに関する路線を打ち出したのはチュチェの社会主義偉業の遂行において歴史的意義を持つ政治的出来事になると語った。


今回の朝鮮創建70周年記念閲兵式では、ロケットやミサイルの登場はなく、社会主義富貴栄華を実現させるための政策がわかりやすいスローガンとして登場した。
「経済建設に総力を!」
「科学によって飛躍し、教育によって未来を保障しよう!」
「祖国統一~わが民族同士」

創建70周年2

そして、世界中にインパクトを与えた板門店での第3回北南首脳会談から約5か月。
春に交わした約束通り、南朝鮮の文在寅大統領が9月18日から20日まで平壌を訪問した。
秋に向けて何度も重ねられてきた高位級会談を経て、9月19日「9月平壌共同宣言」が発表された。

平壌共同宣言

9월평양공동선언

 조선민주주의인민공화국 김정은국무위원장과 대한민국 문재인대통령은 2018년 9월 18일부터 20일까지 평양에서 북남수뇌회담을 진행하였다.
 수뇌분들께서는 력사적인 판문점선언이후 북남당국사이의 긴밀한 대화와 협상, 다방면적민간교류와 협력이 진행되고 군사적긴장완화를 위한 획기적인 조치들이 취해지는 등 훌륭한 성과들이 있었다고 평가하였다.
 수뇌분들께서는 민족자주와 민족자결의 원칙을 재확인하고 북남관계를 민족적화해와 협력, 확고한 평화와 공동번영을 위해 일관되고 지속적으로 발전시켜나가기로 하였으며 현재의 북남관계발전을 통일로 이어갈것을 바라는 온 겨레의 지향과 념원을 정책적으로 실현하기 위하여 노력해나가기로 하였다.
 수뇌분들께서는 판문점선언을 철저히 리행하여 북남관계를 새로운 높은 단계로 전진시켜나가기 위한 제반 문제들과 실천적대책들을 허심탄회하고 심도있게 론의하였으며 이번 평양수뇌회담이 중요한 력사적전기가 될것이라는데 인식을 같이하고 다음과 같이 선언하였다.

1. 북과 남은 비무장지대를 비롯한 대치지역에서의 군사적적대관계종식을 조선반도 전 지역에서의 실질적인 전쟁위험제거와 근본적인 적대관계해소로 이어나가기로 하였다.

① 북과 남은 이번 평양수뇌회담을 계기로 체결한 《판문점선언 군사분야리행합의서》를 평양공동선언의 부속합의서로 채택하고 이를 철저히 준수하고 성실히 리행하며 조선반도를 항구적인 평화지대로 만들기 위한 실천적조치들을 적극 취해나가기로 하였다.

② 북과 남은 북남군사공동위원회를 조속히 가동하여 군사분야합의서의 리행실태를 점검하고 우발적무력충돌방지를 위한 항시적인 련계와 협의를 진행하기로 하였다.

2. 북과 남은 호혜와 공리공영의 원칙에서 교류와 협력을 더욱 증대시키고 민족경제를 균형적으로 발전시키기 위한 실질적인 대책들을 강구해나가기로 하였다.

① 북과 남은 올해안에 동, 서해선철도 및 도로련결과 현대화를 위한 착공식을 가지기로 하였다.

② 북과 남은 조건이 마련되는데 따라 개성공업지구와 금강산관광사업을 우선 정상화하고 서해경제공동특구 및 동해관광공동특구를 조성하는 문제를 협의해나가기로 하였다.

③ 북과 남은 자연생태계의 보호 및 복원을 위한 북남환경협력을 적극 추진하기로 하였으며 우선적으로 현재 진행중인 산림분야 협력의 실천적성과를 위해 노력하기로 하였다.

④ 북과 남은 전염성질병의 류입 및 확산방지를 위한 긴급조치를 비롯한 방역 및 보건의료분야의 협력을 강화하기로 하였다.

3. 북과 남은 흩어진 가족, 친척문제를 근본적으로 해결하기 위한 인도적협력을 더욱 강화해나가기로 하였다.

① 북과 남은 금강산지역의 흩어진 가족, 친척상설면회소를 빠른 시일안에 개소하기로 하였으며 이를 위해 면회소시설을 조속히 복구하기로 하였다.

② 북과 남은 적십자회담을 통하여 흩어진 가족, 친척들의 화상상봉과 영상편지교환문제를 우선적으로 협의해결해나가기로 하였다.

4. 북과 남은 화해와 단합의 분위기를 고조시키고 우리 민족의 기개를 내외에 과시하기 위하여 다양한 분야의 협력과 교류를 적극 추진하기로 하였다.

① 북과 남은 문화 및 예술분야의 교류를 더욱 증진시켜나가기로 하였으며 우선적으로 10월중에 평양예술단의 서울공연을 진행하기로 하였다.

② 북과 남은 2020년 여름철올림픽경기대회를 비롯한 국제경기들에 공동으로 적극 진출하며 2032년 여름철올림픽의 북남공동개최를 유치하는데 협력하기로 하였다.

③ 북과 남은 10.4선언발표 11돐을 뜻깊게 기념하기 위한 행사들을 의의있게 개최하며 3.1인민봉기 100주년을 북남이 공동으로 기념하기로 하고 그를 위한 실무적방안을 협의해나가기로 하였다.

5. 북과 남은 조선반도를 핵무기와 핵위협이 없는 평화의 터전으로 만들어나가야 하며 이를 위해 필요한 실질적인 진전을 조속히 이루어나가야 한다는데 인식을 같이하였다.

① 북측은 동창리발동기시험장과 로케트발사대를 유관국 전문가들의 참관하에 우선 영구적으로 페기하기로 하였다.

② 북측은 미국이 6.12조미공동성명의 정신에 따라 상응조치를 취하면 녕변핵시설의 영구적페기와 같은 추가적인 조치를 계속 취해나갈 용의가 있음을 표명하였다.

③ 북과 남은 조선반도의 완전한 비핵화를 추진해나가는 과정에서 함께 긴밀히 협력해나가기로 하였다.

6. 김정은국무위원장은 문재인대통령의 초청에 따라 가까운 시일안에 서울을 방문하기로 하였다.

조선민주주의인민공화국 국무위원회 위원장 김정은
대한민국 대통령 문재인
2018년 9월 19일

【全訳】9月平壌共同宣言

 朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長と大韓民国の文在寅大統領は、2018年9月18日から20日まで平壌で北南首脳会談を行った。
 両首脳は、歴史的な板門店宣言後、北南当局間の緊密な対話と協議、多方面な民間交流と協力が行われ、軍事的緊張緩和のための画期的な措置が取られるなど、立派な成果が収められたと評価した。
 両首脳は、民族自主と民族自決の原則を再確認し、北南関係を民族の和解と協力、確固たる平和と共同繁栄のために一貫して持続的に発展させていくことにし、現在の北南関係の発展を統一につなげていくことを願う全ての同胞の志向と念願を政策的に実現するために努力していくことにした。
 両首脳は、板門店宣言を徹底的に履行し、北南関係を新たな高い段階に前進させていくための諸般の問題と実践的な対策を虚心坦懐に深く議論し、今回の平壌首脳会談が重要な歴史的な転機になるものとの認識を同じくし、次のように宣言した。

1. 北と南は、非武装地帯をはじめ対峙地域での軍事的な敵対関係の終息を朝鮮半島の全地域での実質的な戦争の危険除去と根本的な敵対関係の解消につなげていくことにした。

①北と南は今回の平壌首脳会談を契機に締結した「板門店宣言軍事分野履行合意書」を平壌共同宣言の付属合意書として採択し、これを徹底的に遵守して誠実に履行するとともに、朝鮮半島を恒久的な平和地帯にするための実践的な措置を積極的に講じていくことにした。

②北と南は北南軍事共同委員会を速やかに稼動させて軍事分野合意書の履行の実態を点検し、偶発的な武力衝突防止のための恒常的な連携と協議を行うことにした。

2. 北と南は、互恵と共利・共栄の原則に基づいて交流と協力をさらに増大させ、民族経済を均衡的に発展させるための実質的な対策を講じていくことにした。

①北と南は、今年中に東・西海線鉄道および道路連結と現代化のための着工式を行うことにした。

②北と南は、条件が整い次第、開城工業地区と金剛山観光事業をまず正常化し、西海経済共同特区および東海観光共同特区を造成する問題を協議していくことにした。

③北と南は、自然生態系の保護および復元のための北南環境協力を積極的に推し進めることにし、優先的に現在進行中の山林分野協力の実践的成果のために努力することにした。

④北と南は、伝染性疾病の流入および流行防止のための緊急措置をはじめ、防疫および保健医療分野の協力を強化することにした。

3. 北と南は離散家族・親せき問題を根本的に解決するための人道的な協力をいっそう強化していくことにした。

①北と南は、金剛山地域の離散家族・親せき常設面会所を早期に開所することにし、このために面会所の施設を速やかに復旧することにした。

②北と南は、赤十字会談を通じて離散家族・親せきのテレビ面会とビデオレターを交換する問題を優先的に協議、解決していくことにした。

4. 北と南は和解と団結の雰囲気を盛り上げ、わが民族の気概を内外に誇示するために多様な分野の協力と交流を積極的に推進していくことにした。

①北と南は、文化および芸術分野の交流をさらに増進させていくことにし、まず初めに10月中に平壌芸術団のソウル公演を行うことにした。

②北と南は、2020年夏季オリンピックをはじめとする国際大会に共同で積極的に進出し、32年夏季オリンピックの北南共同開催の誘致に協力することにした。

③北と南は、10.4宣言発表11周年を意義深く記念する行事を有意義に開催し、3.1人民蜂起100周年を北南が共同で記念することにし、そのための実務的な方案を協議していくことにした。

5. 北と南は朝鮮半島を核兵器と核の脅威のない平和の地にしていくべきであり、このために必要な実質的な進展を速やかに遂げなければならないという認識を共にした。

①北側は、東倉里エンジン試験場とロケット発射台を関係国専門家たちの立ち会いの下に、永久的に廃棄することにした。

②北側は、米国が6.12朝米共同声明の精神に従って相応の措置を取れば、寧辺核施設の永久的な廃棄のような追加措置を引き続き講じていく用意があることを表明した。

③北と南は、朝鮮半島の完全な非核化を推進していく過程で共に緊密に協力していくことにした。

6. 金正恩国務委員長は文在寅大統領の招請により、近い時期にソウルを訪問することにした。

朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会 委員長 金正恩
大韓民国 大統領 文在寅
2018年9月19日

(※朝鮮新報http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/yr20180920-2/

 金正恩国務委員長は、会見で「私たちの行く道を予想できない挑戦と難関、試練が阻むだろうが、試練を乗り越えることで、私たちの力は大きく強くなり、このように集結した民族の力は一つの強大な祖国の基盤になるだろう。そして世界は、長きにわたり抑圧され、引き裂かれ、苦痛と不幸を味わってきたわが民族が、自らの力で、どのように自身の未来を手繰り寄せるかを、目の当たりにするだろう。」と強調した。

 両首脳は、民族自主、民族自決の原則をしっかりと確認し、4月の「板門店宣言」履行のために努力していくことを宣言したのだ。
6.15共同宣言発表から約18年、10.4宣言から約11年、今回の北南首脳会談のムードは、今年4月の板門店での緊張した雰囲気とは一変し、終始穏やかなものであったように思う。また、大統領だけでなく南朝鮮からは多くの経済人、芸能人が平壌を訪れた。今回の首脳会談も南朝鮮の人々の関心も高く、首脳会談後の文大統領の支持率は上昇している。

〈聯合ニュース〉文大統領の支持率65.3% 2週間で12ポイント超上昇
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2018/10/01/0200000000AJP20181001000900882.HTML

現在、北南間では政治、軍事、経済、文化、体育等、様々な分野での取り組みが着々と実現されていっている。
着実に「板門店宣言」、「9月平壌共同宣言」が履行されているのだ。

〈北南首脳会談〉「板門店宣言」履行のための軍事分野合意書
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/yr20180922-2/

南北共同連絡事務所が開所 韓国統一相「平和の象徴」
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2018/09/14/0200000000AJP20180914000900882.HTML

南北 板門店・非武装地帯で地雷撤去開始=韓国国防部
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2018/10/01/0200000000AJP20181001001300882.HTML

しかし、未だ朝鮮戦争は終戦しておらず、朝鮮半島の平和的統一実現への営みはこれからも続いていく。
朝鮮の李容浩外相が9月29日、国連総会第73回会議で一般討論演説を行った。

李容浩演説

(※筆者日本語訳)

「・・・中略・・・
 朝鮮半島の平和と安全を強固にする上での關鍵は、去る6月シンガポールで制定された歴史的朝米首脳会談で合意、採択された朝米共同声明を徹底的に履行することです。朝米共同声明には朝鮮半島情勢緊張の根源となってきた過去数十年間の敵対関係を終結させ、新たな朝米関係を樹立していくための問題と朝鮮半島の強固な平和体制を構築するための問題、朝鮮半島の完全な非核化実現のための問題、朝米間の人道主義的問題を含めた朝鮮半島問題の究極的解決のための原則的問題が全て含まれています。朝米共同声明が履行されれば、朝鮮半島に造成された現在の緩和気流は強固な平和として定着し、朝鮮半島の完全な非核化も実現され、そうすれば世界最大の熱点であった朝鮮半島は、アジアと世界の安全に寄与する平和と繁栄の発源地として転換されます。

 朝米共同宣言を徹底的に履行しようとする共和国政府の立場は確固不動であります。
 朝米共同声明がスムーズに履行されるためには、数十年間積み重なってきた朝米間の不信の長壁を崩していかなければならず、そのためには何よりも朝米両国が信頼醸成に時間を費やさなければなりません。
 過去に朝米間で行われてきた様々な協商と対話、合意たちの履行過程が結実を生むことができなかったのは、お互いに対する不信が解消されず、相互信頼が不足していたためです。
 朝鮮半島非核化と信頼醸成を優先させることに基本を置き、平和体制構築と同時行動の原則からできることを一つずつ段階的に実現していかなければならないという私たちの立場です。

 共和国政府は、今回の朝米共同声明が成功裏に履行されうるという確固とした意志と念願から信頼醸成を特別重視し、そこに優先的な力を注いでいます。
 共和国政府は、すでに朝米首脳会談が行われる前から核実験と大陸間弾道ロケット試験発射を中止し、核試験場を廃棄し、どのような場合でも核武器と核技術を移転しないように確約したことと同様の重大な善意の措置を先に施し、今日も信頼醸成のために努力しています。

 しかし、これに対するアメリカの相応な回答を私たちは見て取れていません。逆に今日のアメリカは、朝鮮半島の平和体制の欠乏に対する私たちの憂慮を拭う代わりに「先非核化」だけを主張しながら、それを強圧的に実現させるために制裁圧迫度数をより高めており、「終戦宣言」発表まで反対しています。
 制裁で私たちを屈服させられると考えることは、私たちを知らない人たちの妄想にすぎず、制裁が私たちの不信を増幅させていることが問題なのです。
 朝米共同声明の履行が膠着した原因は、アメリカが信頼調整に致命的な強権の方法だけにしがみついているためです。

 最近の北南関係に現れた急速な改善と協力の雰囲気は、信頼醸成がどのような決定的役割を発揮できるのかをよく見せてくれています。北南首脳たちは、5か月もたたない短い期間で3度もの会談を通じ、北南問題の諸問題を建設的に解決していくために必要な信頼を築いており、その結果が実践において目に見える形で表れています。
 去る9月19日北南首脳たちが共同発表した歴史的「9月平壌共同宣言」が見せてくれているように、今年に入って北南関係の政治、軍事、人道主義、体育、文化、経済協力を含めた多くの分野で対話が活性化され、和解と協力の機運が非常に高まっており、全朝鮮民族と国際社会の歓迎と支持を得る注目に値する交流結果物が次々と出ています。
 もし、非核化問題の当事者がアメリカではなく南朝鮮であったならば、朝鮮半島の非核化問題も今と同じような膠着状態に陥ることはなかったでしょう。
 私たちが共同声明の履行のために朝米間の信頼醸成を重視する理由がまさにここにあるのです。
 アメリカに対する信頼なくして私たち国家の安全に対する確信はなく、そのような状態で私たちが一方的に先に核武装を解除することは絶対にあり得ません。非核化を実現しようとする私たち共和国政府の意志は、確固不動であるけれども、これはアメリカが私たちに充分な信頼感を持たせるようにした時に実現可能になります。・・・」


 現在、第2回朝米首脳会談の話が出ているが、いくら国の首脳同士が直接会って対話ムードが醸成されているといえども、どちらかが一方的に合意内容を履行しないのであれば、新たな関係への発展はおろか、過去の歴史を繰り返すことになるであろう。いま、両者の選択に世界が注目している。

 私たちは、今日という日を迎えるために何をしてきただろうか。何ができたのだろうか。
 朝鮮民族が歩んできた歴史の上に今日の朝鮮半島情勢があり、また新たな時代が切り拓かれる可能性で溢れている今、私たちがどのような立場で、どのように行動するのかが問われているのだ。
 今日の醸成された朝鮮半島の平和的ムードに手を叩き喜んだ私たちだからこそ、これからの朝鮮半島情勢を注視し、自分の持ち場で統一運動を活発に展開し続けなければならない責任があると思っている。
 現状に甘んじることなく、留学同もその先頭に立って統一運動を積極的に推し進めていこう。(明)

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「関東大震災時朝鮮人虐殺95年に寄せて」

 1923年9月1日11時58分、関東一帯を大きな揺れが襲った。震源地は相模湾北西部で、マグニチュード7.9、今日で言う「関東大震災」である。地震によって、関東全域にわたり多くの人的・物的被害が生じた。特に発生時間が昼時であったことから、地震後の火災によって甚大な被害をもたらした。当時この震災が「大正大震火災」と呼ばれたことからも、その被害の大きさがうかがえる。
さて、この震災が単なる「天災」ではなく、「人災」としての側面があることについてどれだけ知られているだろうか。
「朝鮮人が井戸に毒を投げた」「朝鮮人が暴動を起こしている」

無題

 根拠のない流言飛語(デマ) に乗じて、官憲は「戒厳令」を発令、大混乱の中で一般市民、そして一般市民によって組織された「自警団」によって多くの罪なき朝鮮人が虐殺された。
 これは決して忘れてはならない史実である。関東大震災時の「朝鮮人虐殺」による犠牲者は関東全域で約6600人にのぼる。(そのうち4000人以上が神奈川県下で虐殺されたという事実は意外と知られていないだろう。)

無題2

 虐殺を裏付けいかに凄惨であったかを知る資料は数多あるが、今回は震災当時の小学生が書いた作文(『震災作文』)からその一例を紹介したい。

1日夜、横浜植木会社で (壽小・高等科1年)
(向こう岸(石川町)は火事となり松影橋から車橋をわたって逃げます。車橋で母とはぐれますが松山に避難していることがわかります。一日の夜を横浜植木会社の、かしいだ家の中で過ごします。)
 「男の人は夜けいに出てください。女子供は影の方で寝ていてくださいよ!」と、おおぜいの人が同じ事をいいながら歩いていた。ガラス屋のおばさんが大きな木ばちを指さして、「八重ちゃん達はこの影に寝なよ」といった。皆んながねむりについた頃、がやがやという人声がきこえて、こちらへ来るようであった。私たちの寝ている前へ来ると、土べたにぺたっとすわった。こっちで寝ている人はたいがい目がさめてしまったから、その人のようすを息をこらして見ていた。「私、朝鮮人あります、らんぼうしません」といいながら、私たちの方にむかって幾度も頭をさげておじぎをしました。そこへおおぜいの夜けいの人たちが来て、その朝鮮人にむかって頭のような人がそばによって、「これ、お前はさっきいろといった所にいないでこんな所に来たのだ」「私さっきの地震おっかない事あります」「うそいえ、そんな地震いつあった」朝鮮人はだまっていた。頭立った人は皆んなと色々と話をしていたが、又向き直って、「おい」「はい」「さっきけいさつのだんなと立ち合った時には、何んも持っていないといったが、今お前のもっているのは何だ」「ええっ」と、いったが、「これさっきもらった米です」「そうか見せろ」「いえだめです」「何がだめだ。これでもか」といいながら、こしにさしてあった日本刀をぎらりとぬいて、朝鮮人の目の前につき出した。朝鮮人はそれでも大事そうに小さい油紙につつんだ物をはなそうともしなかった。私は心の中で早く出せばよいのに、たかがお米なら中を開いて見せてやればよいとおもった。いつまでたっても返事をしないので、こん度は大勢の人が日本刀でほほをひっぱたいたり、ピストルを向けたりしても、朝鮮人はだまっていた。さっきの人が朝鮮人に向い「おい、だまっていちゃわからねえよ、なんとかしねえか」と、いって、刀をふり上げて、力まかせに朝鮮人のほほをぶった。その時に月の光が輝いて、そのすごさといったら、身の毛もよだつくらいでした。いくらなにをされても朝鮮人は一言もはなさなかった。しらべる人が朝鮮人に向い「おい、しかたがねえから、警察へ行ってだんなの前でお話をしろよ」そういいながら大勢でよってたかってかつぎ上げて、門の方へと行ってしまった。行った後は、やはり水をうったようにしんとしていた。私は翌朝までまんじりともしなかった。東の空がだんだん白らんで来る頃、私は松山へ行こうと思って足を早めた。壽警察の前を通りこそうと思うと、門内からうむうむとうめき声が聞こえてきた。私は物ずきにも、昨夜の事などはけろりとわすれて、門の内へはいった。うむうむもうなっているのは、五、六人の人が木にゆわかれ、顔なぞはめちゃめちゃで目も口もなく、ただ胸のあたりがびくびくと動いているだけだった。私はいくら朝鮮人が悪い事をしたというが、なんだか信じようと思っても信じる事はできなかった。その日、警察の庭でうめいていた人は、今どこにいるのであろうか。


2日、山本町で (壽小高等科1年)
「朝鮮人が縛られているから見に行かないか」と大きな声で言っていました。朝鮮人は電信にゆわいつけられてまっさおな顔をしていました。よその人は「こいつはにくらしいやつだ」と言って竹棒でぶったので、朝鮮人はぐったりと下へ頭をさげてしまいました。わきにいた人は、ぶってばかりではいけない、ちゃんとわけを聞いてからでなければいけないと言っていました。朝鮮人は頭をあげながら、書くものをくれと手まねきしていました。


1日、避難した中村町の丘の上で (南吉田第二小6)
おまわりさんが「朝鮮人が刃物をもってくるから、来たら殺してください」と言って来ました。ぼくはそれを聞いたときびっくりしました。ぼくは兄さんとナイフをもって竹林に行って、まっすぐでじょうぶな竹をとって竹やりを三本にこしらえてくると、むこうの方で、はうはうという声がしますので行ってみると、それは朝鮮人のくるのをまっている人でした。


 今年も震災95周年に際して、各地で追悼会が催された。

【関連記事】
〈関東大震災95周年〉関東各地で追悼会
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/10-9/

〈関東大震災95周年〉統一祖国に魂を、墓前に誓う/埼玉・常泉寺
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/csg0910-2/

〈関東大震災95周年〉遺族が初参拝/群馬・藤岡市 成道寺
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/2018-0910khj-2/

〈関東大震災95周年〉加害の歴史に正面から向き合う/東京・荒川河川敷
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/yyy-12/

〈関東大震災95周年〉「同胞らの怨恨、必ず晴らす」/千葉・船橋市馬込霊園
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/yyy-11/

〈関東大震災95周年〉繰り返さない誓い/埼玉・本庄、上里、熊谷
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/0910hjn/

〈関東大震災〉真実解き明かす必要性訴え/遺族が95年ぶりに初来日
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/2018-0910khj/

〈関東大震災95周年〉隠蔽の歴史に終止符を/横浜市・久保山墓地
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/pi-2/

〈関東大震災95周年〉虐殺の真相究明に40年/八千代市・高津山観音寺
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/pi2/

無題3

 看過できないのは、東京都の小池百合子知事が「個別の形での追悼文の送付は控える」とし、昨年に続いて横網町公園(墨田区)で行われた追悼式(9月1日)に追悼文を送らなかったことだ。その本音としては、朝鮮人虐殺の事実を受け入れず否認しようとしている事、行政として謝罪と補償、再発防止はおろかその責任から逃れようとする姿勢があからさまに表れているのではないだろうか。
 また、日本の学校で使われる教科書では「虐殺」の記述が「殺害」へ書き換えられ、一体だれがどのような状況で朝鮮人を殺したのか読み取ることすら難しくなった。これでは、今後生まれてくる世代が朝鮮人虐殺はなかったか、またはデマをもとに殺されたのは仕方ないとも認識しかねない。

無題4

無題5

【関連記事】
天災と人災とでは犠牲の根本異なる/関東大震災追悼式に追悼の意を、総聯東京都本部が都知事に要請
http://chosonsinbo.com/jp/2018/09/csg0913-2/

 戦後70年以上、関東大震災95年の月日が過ぎた今、奇しくも当時を知る方々はどんどん減っている。旧態依然として続く日本の歴史歪曲策動は、実に嘆かわしく腹立たしくはあるが、失望してもいられない。国家権力や行政がいくら隠ぺいを重ねても、真相究明を重ね権力側の横暴に理論をもって対抗していかねばならない。
 このような悲劇が再び繰り返されることのないよう、一日も早く虐殺された朝鮮人の無念を晴らし、関東大震災下における「朝鮮人虐殺」を後世に語り継いでいくということが何より重要である。

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「シンガポール朝米首脳会談における合意の本質は何なのか?-朝米高位級会談の『決裂』から考える」

 周知の通り、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の金正恩国務委員長と米国のトランプ大統領が2018年6月12日、シンガポールで初の歴史的な首脳会談を行った。
 そして、「金正恩委員長とドナルド・トランプ米大統領の間のシンガポール首脳会談共同声明(以下、シンガポール共同声明)」を発表、「新たな朝米関係の樹立」や「朝鮮半島における恒久的で強固な平和体制の構築に関する諸問題」、「(米国が)朝鮮に安全の保証を提供すること」、「朝鮮半島の完全な非核化」を宣言した。

朝米首脳会談


 それを受けて、宣言を具体的に実践していくための初の朝米高位級会談が7月6日、7日に平壌で行われた。
 ところがこの会談に対する朝鮮と米国のそれぞれの評価が非常に対照的なものであった。

 高位級会談に臨んだ米国のポンペオ国務長官は会談後の記者会見で「生産的な会合を持った」、「首脳会談の合意をさらに進めようと努め、前進を見た」と肯定的に評価した(後述)。
 それに対し朝鮮側は会談直後に外務省スポークスマンの談話を発表。その中で「初の朝米高位級会談で示された米国側の態度と立場は実に残念極まりないものであった」、「米国側は…一方的で強盗さながらの非核化の要求だけを持ち出した」、「会談の結果は、極めて憂慮すべきものだと言わざるを得ない」と酷評したのである(こちらも後述)。

 この会談を受けた日本の各新聞の社説は、朝鮮の非を鳴らし、朝鮮の非核化のみを求めるものばかりだった(いつもそうだが)。

 例えば、

―――――――――――――――

[毎日新聞](社説)非核化で米朝にミゾ 6・12声明が揺れている
https://mainichi.jp/articles/20180710/ddm/005/070/169000c
 「根本的な問題は、6月12日の米朝首脳会談で「完全な非核化」に合意したにもかかわらず、北朝鮮は具体的な行動を起こそうとしないことだ。」
 「しかも米主要メディアは情報機関の分析に基づき、北朝鮮が非核化どころか核施設の拡充を進めているなどと報じている。事実なら北朝鮮は国際社会をまた欺くことになる。
 ポンペオ氏と日韓の外相が、非核化の完了まで対北朝鮮制裁を続けることで一致したのは当然である。
 確認しておこう。ボールは北朝鮮のコートにある。米国は韓国との合同軍事演習の中止を発表して非核化の環境づくりに努めた。「完全な非核化」を世界に公言した金委員長は威信にかけても約束を守るべきだ。」


[日本経済新聞](社説)北の非核化へ結束緩めるな
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO32792560Z00C18A7EA1000/
 「北朝鮮外務省報道官は米朝協議で米国が完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)や核施設の申告・検証を一方的に迫ったとし「米国の態度は遺憾極まりない」と非難した。北朝鮮内では、最近も核施設の改修作業や隠蔽工作といった動きが指摘される。
 日米韓が対北朝鮮制裁を核放棄まで維持する立場を申し合わせたのは当然である。CVIDも譲れない。北朝鮮が米朝協議で提起した米朝間の交流や朝鮮戦争の終結宣言は、地域の安全保障に直結するだけに慎重な対応を求めたい。」


―――――――――――――――

 しかし、このような主張は妥当であると言えるだろうか?

 まず、双方で評価が分かれた今回の会談の内容が実際にどういうものだったのかについて、双方の発言と発表を通して考えてみたい。

 7月8日の米韓日外相による記者会見でポンペオ国務長官は記者会見で次のように述べた(https://jp.usembassy.gov/ja/secretary-of-state-pompeo-joint-press-conference-ja/)。少し長くなるが引用したい。

 「この2日間、私と私のチームは、(北朝鮮の)金英哲(朝鮮労働党)副委員長らと協議を行いました。我々は誠実で生産的な会合を持ち、こうした話し合いは今後も続きます。一方、制裁は継続し、我々は今後も制裁実施を精力的に続けます。

 北朝鮮滞在中、トランプ大統領と金委員長の合意をさらに進めようと努め、前進を見ました。しかし、まずはっきりさせておきたいのは、北朝鮮が完全な非核化への決意を再確認した点です。我々は、完全に検証された、完全な非核化に向けた次の段階について、詳細かつ実質的な協議を行いました。

 また、北朝鮮は、米軍兵士の遺骨の送還について協議するため、7月中旬に板門店で会合を持つことに合意しました。さらに、この地域および世界の安全につながる、ミサイルエンジンの実験場を破壊する先の約束を再確認しました。我々はまた、米朝両サイドで日常業務にあたる実務レベルの作業部会を立ち上げました。」


記者会見

 このような発言を見ると、彼の頭の中にはほぼ「(北)朝鮮の非核化」しかないとみることが出来る。

 一方、朝鮮外務省スポークスマンの談話では次のように述べられている。こちらも少し長くなるが引用したい。

 「わが方は、朝米首脳の対面と会談の精神と合意事項を誠実に履行する変わらない意志から、今回の会談で共同声明の全ての条項のバランスの取れた履行のための建設的な方途を提起した。

 朝米関係改善のための多面的な交流を実現する問題と朝鮮半島での平和体制構築のためにまず朝鮮停戦協定締結65周年(7月27日)を契機に終戦宣言を発表する問題、非核化措置の一環としてICBMの生産中断を物理的に実証するために大出力エンジン試験場を廃棄する問題、米軍遺骨発掘のための実務協議を早急に始める問題など、広範囲な行動措置を各々同時に取る問題を討議することを提起した。

………

 しかし、米国側はシンガポール首脳の対面と会談の精神に背き、「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)」、申告、検証だのと言って、一方的で強盗さながらの非核化の要求だけを持ち出した。

 情勢の悪化と戦争を防止するための基本問題である朝鮮半島の平和体制構築問題については一切言及せず、すでに合意した終戦宣言問題までもあれこれ条件と口実をつけて後回しにしようとする立場を取った。」


 双方の発言、発表から推測するに、朝鮮側は「シンガポール共同声明」の全項目にわたって詳細を討議しようとしたのに対し、米国側は「(北)朝鮮の非核化」と「遺骨の送還問題」だけを議論しようとしたのだろう。

 ではどちらの態度が正しいと言えるだろうか?

 ここで改めて「シンガポール共同声明」で何を合意したのかについて確認したい。

 声明では4つの項目を宣言しているが、ここで改めてその4つの全文を掲載する。

 「1.朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国は平和と繁栄を願う両国人民の念願に基づいて新たな朝米関係を樹立していくことにした。」
 「2.朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国は朝鮮半島で恒久的で強固な平和体制を構築するために共に努力する。」
 「3.朝鮮民主主義人民共和国は2018年4月27日に採択された板門店(パンムンジョム)宣言を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向けて努力することを確約した。」
 「4.朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国は、戦争捕虜および行方不明者の遺骨発掘を行い、すでに発掘確認された遺骨を即時送還することを確約した。」


 見ればわかる通り、「(北)朝鮮の非核化」だけを合意したのではまったくない。

 70年にわたる不幸な冷戦体制を終わらせ、「①新たな朝米関係を樹立」し、「②朝鮮半島で恒久的で強固な平和体制を構築」するということ、そしてそのためにも「③朝鮮半島の完全な非核化」を実現することを宣言したのである。

 考えるまでもなく①と②を実現していくことなしに、③を実現することは不可能である。
 ましては70年間、時に戦争直前に至るまで厳しく対立してきたのである。
 まずはお互いの不信と対立を払拭し、信頼関係を構築することが先決である。
 それらをすべて無視し、「(北)朝鮮の非核化」だけを求める米国の高圧的な態度は根本問題の解決を完全に妨げる旧来式のものであり、それに追随する日本をはじめとしたメディアの論調はやはり問題があると断じざるを得ない。

 しかし、朝米双方ともに対話を継続する意思を捨ててはいないようである。

 朝鮮は同じ談話で「われわれは、トランプ大統領への信頼を今もそのまま持っている」と述べているし、米国側も対話の継続を示している。

 70年以上にわたって継続し、朝鮮半島、そして東アジアの不安定な体制を規定してきた冷戦構造が今解体に向かおうとしているのである。
 歴史は動いているのである。その動きは誰にも止められないし、止めてはならない。(賢)

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時代の流れに逆行する日本~ただ不当で醜悪極まりない「嫌がらせ」制裁措置

 6月28日、修学旅行で朝鮮民主主義人民共和国を訪れていた神戸朝鮮高級学校の生徒が持ち帰った土産品を関西空港の税関が不当に押収するという事件が起こった。
 この事件を受けて6月29日夕方に、総連中央は緊急記者会見行い、日本政府を強く糾弾した。

【朝鮮新報】関空税関当局が生徒たちの土産品を不当押収/朝鮮会館で緊急記者会見
(URL→ http://chosonsinbo.com/jp/2018/06/0030/
【朝日新聞】修学旅行で北朝鮮土産「税関が不当に押収」総連が抗議
(URL→ https://www.asahi.com/articles/ASL6Y5SB8L6YUTIL036.html
【日刊イオ】総連中央が関空税関当局の不当な押収に抗議する記者会場
(URL→ https://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/025f5e9bf8ab5bdd7a1845aa4b2ef178

 以下、朝鮮新報記事より引用する。

 徐忠彦局長は記者会見で不当な「制裁」の名目で輸入品でもない土産品を押収した税関当局を厳しく断罪し、「対話と圧力、和解と敵対行為は両立しないことを安倍政権は知るべきだ」としながら、「今回の事件がこれからの朝日関係に大きな禍根を残すことになるだろう」と強調した。さらに、徐忠彦局長は朝日関係の改善と在日朝鮮人の人権保障のために
 1.制裁を口実に基本的人権を踏みにじることは許されず、よって税関当局は在日朝鮮人生徒たちに対するこのような職権乱 用、非道極まりない人権侵害行為について真摯に謝罪し、再発防止を確約すること。
 2.日本政府は今回の事態が発生した根源である、朝鮮に対する不当な制裁を一日も早く撤回すること。
 3.日本政府は在日朝鮮人の民族教育に対する不当な差別と弾圧をただちに中止し、国際人権法に基づいた諸権利を保障すること。
を強く求めた。

 ここで指摘されているように、今回の朝鮮学校生徒たちに対する行為は非人道極まりない人権侵害行為であり、今回の事件の根源である朝鮮に対する不当な経済制裁を日本政府は一刻も早く撤回しなければならない。

 この事件について、在日同胞社会だけでなく、朝鮮中央通信社は7月4日に「対話と人権を云々する日本の真面目」という論評を、南の市民団体は250余団体の賛同のもとソウル日本大使館前で抗議の記者会見を行った。

【朝鮮新報】朝高生の荷物没収を非難/朝鮮中央通信社論評
(URL→ http://chosonsinbo.com/jp/2018/07/yr20180705-3/
【朝鮮新報】朝鮮学校生徒への蛮行を糾弾/南の市民団体が記者会見
(URL→ http://chosonsinbo.com/jp/2018/07/yr20180705-4/

 さて、前回の記事でも言及されていたが、経済産業省は朝鮮の経済制裁として以下のようなことを規制している。
 「対北朝鮮からの輸出禁止措置等について」、「対北朝鮮からの輸入禁止措置等について」において、
 ①「北朝鮮」を仕向地とするすべての貨物、
 ②「北朝鮮」を原産地または船積地域とするすべての貨物の輸出・輸入を禁止しており、人道目的等に該当するものについては、措置の例外とされている。
 
 今回の事件は今に始まった事ではない。朝鮮を訪問した在日同胞に対する日本の税関での土産品の不当押収は今までも繰り返されてきた。
 留学同も去年2017年の夏、朝鮮訪問の後、日本に再入国をした際に関西国際空港において税関で同等の制裁を受け土産品を没収された。私たちは憤慨し、後日経済産業省と関空税関宛に抗議文を送付した。抗議文は学生たちの怒りの発露でできるだけ早く送り付けたいと思いからあまり細かく精査したわけではないが、今となって改めて行動に移したことが大事だと思っている。※ブログ末に抗議文全文を掲載する。
 送った抗議文だが、経済産業省は何のリアクションも無かったのだが、関空税関からは返答が来た。これがまたあまりに人を舐めているのでそのまま画像を貼る。何の反省も謝罪もなく参考だとは。当時の私たちは更なる怒りに震えた。こんな返答をしてくるぐらいだから、今回の神戸朝高の件のような事態が再発したのであろう。

抗議文返答

 つい先日祖国訪問から日本に再入国した大阪朝鮮高級学校の卒業生には税関での不当な暴力・没収は無かったらしい。これに対して「良かった」とか言う人がいるが、一つだけ言っておきたい。制裁無くて不当な暴力・没収を受けないのが「当たり前」なのである。
 そもそも、この朝鮮に対する経済制裁に一体何の意味があるのか。歴史的な「4.27北南首脳会談」、「朝米会談」が行われ、朝鮮半島の平和に向けて世界が動いている中、世界の流れに逆行している安倍政権はただちに「北朝鮮」制裁、在日朝鮮人に対する差別・弾圧をやめなければいけない。(純)

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経済産業大臣 世耕 弘成 殿
貿易経済協力局貿易管理部貿易管理課長 戸高 秀史 殿

抗議文

 私たちは日本にある大学・専門学校に通う在日朝鮮人学生である。
この度、朝鮮民主主義人民共和国(以下「朝鮮」)より日本に再入国した我々に対して関西国際空港税関が行った、反人権的・反人道的な所持品検査と所持品の没収に対して、強い憤りを感じている。我々一人に対し複数の局員で長時間対応され、下着を含む衣類を必要以上に検査される等、他の旅行者とは一線を画すこのような不当な対応によって、非常に不快な思いをさせられ、精神的苦痛を受けた。これらの「略奪行為」ともいえる措置を示す経済産業省に対して、激しく抗議する。

経済産業省は「外国為替及び外国貿易法に基づく北朝鮮に係る対応措置について」(2017年4月7日閣議決定)に基づき、「外国為替及び外国貿易法に基づく北朝鮮輸出禁止措置」を講じたが、それが今回のような反人権・反人道的行為を許す根拠になっているという点で、極めて問題性の大きいものであることを指摘する。

このような措置を講ずる理由として、朝鮮のミサイル・核開発を挙げているが、朝鮮のそれに対してだけ問題視すること自体極めて不当である。ミサイルの開発・発射実験及びそれに関連するとされる宇宙開発は、アメリカ合衆国や中華人民共和国はもとより日本でも行われていることである。また核に関しては、国際連合常任理事国5カ国のほか、イスラエル、インド、パキスタンも核保有を宣言し、つい先日アメリカが核実験を行ったことは周知の事実である。このような状況下で、朝鮮に対してだけ制裁を行い、その他の国及び自国の行っていることは黙認するというダブルスタンダード(二重基準)は、明らかに正当性を欠いたものであり悪辣というほかない。
また、経済産業省は「外国為替及び外国貿易法に基づく北朝鮮輸出禁止措置」が「外国為替及び外国貿易法」第48条第3項に基づくものであると示しているが、たかが朝鮮で生産された食品や雑貨の持ち込みが「国際的な平和及び安全の維持を妨げる」ものであり、それらを没収することが「国際収支の均衡の維持のため、外国貿易及び国民経済の健全な発展のため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与する」ものであるとは到底考えられない。

以上の点を踏まえ、我々は以下のことを要求する。

1.経済産業省は「外国為替及び外国貿易法に基づく北朝鮮輸出禁止措置」を即時停止せよ。
2.今後二度と、このような措置を講じないことを公的に確約せよ。
3.経済産業省の措置により、9月4日に関西国際空港の税関職員が「所有権の放棄」を強要した食品(餅等)、雑貨(筆箱等)を以下(代表者宛)に即刻返還せよ。
4.今回我々が被った精神的被害について、代表者宛に謝罪文を送付せよ。
5.経済産業省が不当に数年間継続しているこのような不当な措置によって被った、在日朝鮮人に対する物質的・精神的被害について公的に謝罪せよ。
代表者住所:
代表者姓名:

2017年9月25日
9月4日に朝鮮民主主義人民共和国から関西国際空港、及び羽田空港税関を通過して日本に再入国した
日本の大学・専門学校に通う在日朝鮮人学生・団体職員一同

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関西国際空港税関支署長 殿

抗議文

 私たちは日本にある大学・専門学校に通う在日朝鮮人学生である。
この度、朝鮮民主主義人民共和国(以下「朝鮮」)より日本に再入国した我々に対して関西国際空港税関が行った、反人権的・反人道的な所持品検査と所持品の没収に対して、我々は強い憤りを感じるとともに、激しく抗議し、以下数点を具体的に提示する。

 9月4日、朝鮮民主主義人民共和国への滞在を経て日本へ再入国した際、税関にて過剰にキャリーケースの中身を探られた挙げ句、最終的に所有物の一部を没収された。我々一人に対し複数の局員で長時間対応され、下着を含む衣類を必要以上に検査される等、他の旅行者とは一線を画すこのような不当な対応によって、非常に不快な思いをさせられ、精神的苦痛を受けた。
今回当局員らが行なった行為は、必要以上に個人の所有物を検査・詮索した点において、セクシャル・ハラスメント、プライバシーの侵害に相当するものであり、人としての良心や誠実さに欠けた対応であったと考える。
 また、やりとりの中で当局員は朝鮮民主主義人民共和国を指して「北鮮」という言葉を用いた。これは、他国の人民を貶める蔑称であり差別語に値する。このような不適切な表現は到底看過できるものではない。

現在、日本国憲法においてプライバシー(憲法13条)、財産権(憲法29条)が保護されており、またヘイトスピーチ対策法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)でも差別的言動に対する対策が急務であることが確認できる。

******************************************
(日本国憲法)
第十三条  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第二十九条  財産権は、これを侵してはならない。
2  財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3  私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)
(前文)
我が国においては、近年、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、適法に居住するその出身者又はその子孫を、我が国の地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動が行われ、その出身者又はその子孫が多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている。
もとより、このような不当な差別的言動はあってはならず、こうした事態をこのまま看過することは、国際社会において我が国の占める地位に照らしても、ふさわしいものではない。
ここに、このような不当な差別的言動は許されないことを宣言するとともに、更なる人権教育と人権啓発などを通じて、国民に周知を図り、その理解と協力を得つつ、不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進すべく、この法律を制定する。
(定義)
第二条 この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。
(教育の充実等)
第六条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。
(啓発活動等)
第七条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、国民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。
(国及び地方公共団体の責務)
第四条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を実施するとともに、地方公共団体が実施する本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずる責務を有する。
2 地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。

******************************************

以上の点を踏まえ、我々は以下のことを要求する。

1.関空税関職員のこの度のセクシャル・ハラスメント、プライバシーの侵害、所有権の侵害に値するものであることを認定し、これに対し謝罪せよ。
2.関空税関職員の「北鮮」などの差別用語使用は朝鮮に対する明らかな差別行為であることを認定し、これに対する訂正と謝罪せよ。
3.経済産業省の指示を押し通し反人権的・反人道的な行為を高圧的な態度をもって行ったことによって、我々の被った精神的な苦痛に対して、謝罪せよ。
4.今後二度とこのような措置を講じないことを確約し、職員たちに対する教育啓蒙活動を施せ。
※謝罪文は以下の代表者に送付せよ。
代表者住所:
代表者姓名:)

2017年9月25日
9月4日に朝鮮民主主義人民共和国から関西国際空港、及び羽田空港税関を通過して日本に再入国した
日本の大学・専門学校に通う在日朝鮮人学生・団体職員一同

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「北朝鮮」という呼称について

①はじめに

 この記事を書いている最中に、なんとも許しがたい出来事が起きた。6月28日、修学旅行で朝鮮民主主義人民共和国を訪れていた62人の神戸朝高の生徒たちが、関西国際空港の税関でお土産を全て没収された。
この出来事を受けて29日総聯中央は、緊急記者会見を行い、制裁を口実にした在日朝鮮人への非人道的な行為を強く批判した。

【朝日新聞】修学旅行で北朝鮮土産「税関が不当に押収」 総連が抗議(https://www.asahi.com/articles/ASL6Y5SB8L6YUTIL036.html
【日刊イオ】総聯中央が関空税関当局の不当な押収に抗議する記者会場(https://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/025f5e9bf8ab5bdd7a1845aa4b2ef178
 
 記者会見で指摘されている通り、今回の朝鮮学校生徒たちに対する行為は明らかな人権侵害行為であり、日本政府は今回の行為について直ちに謝罪し、没収した物を返還するべきである。また、今回の事態が発生した根源である、朝鮮民主主義人民共和国に対する不当な経済制裁も、直ちに撤回するべきである。

 経済産業省のHPを確認すると、「対北朝鮮の輸出禁止措置等について」という項目があり、ここで具体的にどのような法律に基づいて、どのようなものの輸出入が規制されているのかがわかる。簡単に言うと、「人道目的等に該当するもの」を例外として、「北朝鮮」を仕向地とする全ての貨物、「北朝鮮」を原産地又は船積地域とする全ての貨物は、輸出入が禁止されているのである。これが朝高生たちのお土産没収の根拠とされているのだが、もともと国連や各国が行っている朝鮮民主主義人民共和国に対する経済制裁は、核・ミサイル開発を抑止するための、言うなれば国際的な平和を守るためのスマート・サンクション(もちろんこれ自体が不当であることは断っておく)なので、日本の対朝鮮民主主義人民共和国独自制裁は、本来の趣旨とかけ離れた運営がなされていることは言うまでもない。朝高生たちが持って帰ってきたお土産が、どのようにして国際的な平和を脅かすのであろうか。

経済制裁に関する言及はこれぐらいにして、これより詳しい記事は、後に誰かがこの場で記述してくれることを期待する。

私が今回扱いたかったテーマは、「北朝鮮」という呼称についてだ。すでに何回もこの言葉を使っているが、日本政府は法律や省令などの正式な文章で、「北朝鮮」という呼称を利用している。
 また、各メディアも、報道文の中では正式名称は一切使わずに、以下のように「北朝鮮」という呼称を使用している。

―北朝鮮と韓国、10年ぶりに南北鉄道の連結を協議
―日米防衛相が会談、北朝鮮非核化へ連携確認
―外務省に北朝鮮担当課新設、拉致問題など交渉加速狙う
―北朝鮮、「科学技術強国」の野望

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朝鮮民主主義人民共和国に関するニュースは毎日のように流れるが、多くのマスメディアで、正式名称が使用されることはない。ほとんどが「北朝鮮」である。
もはや「北朝鮮」という言葉が日本では定着してしまっているが、そもそも朝鮮民主主義人民共和国という国名をどう略しても「北朝鮮」とはならず、「北朝鮮」とは「朝鮮半島の北側」という意味にしかならないので、「北朝鮮」という呼称は朝鮮民主主義人民共和国の正式名称たりえず、国名として誤った表記方法である。なのになぜ、「北朝鮮」という表記が一般的に使用されているのだろうか。
「日本が朝鮮民主主義人民共和国を国として認めていない」、「「朝鮮」に対する蔑視感情がある」、など、感覚的にはこのように答えることが出来ると思うし、およそ間違ってはいないだろう。しかし今回は、この「北朝鮮」という呼称がどのような経緯で使われるようになったのかについて、一度しっかりと追い、考察してみたいと思う(本稿は森類臣氏の論文『日本のマスメディアにおける「北朝鮮」報道の一考察―「北朝鮮」単独呼称への切り替えと背景の分析を中心に―』(『翰林日本学』15号、2009年、pp.119-141)を参考にした)。

②そもそも朝鮮民主主義人民共和国は日本でどのように呼ばれてきたのか

上記の森類臣氏の論稿によると、例えば『朝日新聞』は、朝鮮半島北部を指す呼称について、1945年8月15日から1948年2月13日にかけて、「北朝鮮」、「朝鮮北部」、「北鮮」を使用していた。この時期はまだ朝鮮が建国されていない時期なので、「北朝鮮」や「朝鮮北部」は言葉通りの意味を成していたのだろう(尚、「北鮮」は植民地期から使用されていた、朝鮮蔑視が込められた呼び方であり、朝鮮半島南部は「南鮮」、「朝鮮南部」と表記されていた)。1948年2月13日から1959年7月11日までは基本的に「北鮮」という呼称を用い、1968年ごろから「北朝鮮」という呼称を使用している。
そして、朝日新聞をはじめとした各新聞社は1971年2月4日に「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」という、正式名称と「北朝鮮」の歪な並列表記になった。これは、1972年の札幌冬季オリンピックの前年に行われた1971年プレ五輪で、朝鮮民主主義人民共和国側が「北朝鮮」ではなく正式名称で書く(呼ぶ)ように五輪組織委員会に申し入れたことがきっかけとなっている。日本新聞協会ではこれを受けて、各新聞社の記事の初出は「朝鮮民主主義人民共和」「北朝鮮」を併記することになり、テレビ局では「北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国」と呼ばれるようになった。(ただし、2度目に国名を書く場合や、記事の見出しに関しては「北朝鮮」と書くようになった)。
以降、各新聞社では約32年間に渡り「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」という表記が(初出のみ)使用されてきたが、朝日新聞は2002年12月28日付朝刊3面に「おことわり 朝鮮民主主義人民共和国の国名表記について 社告」として、以下のような記事を出した。

「おことわり 『朝鮮民主主義人民共和国』の国名については、中国、韓国のように関係者が納得する適切な略称がないなどの理由から、『朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)』と表記してきました。しかし、北朝鮮という呼び方が定着したうえ、記事簡略化も図れることから、今後、外交記事などでは引き続き従来どおりの表記を使う場合もありますが、その他の記事では『北朝鮮』という呼称を使います。」

  他、調べたところによると、毎日新聞、日本経済新聞もだいたいこの時期に表記を「北朝鮮」に変えており、読売新聞は1999年、産経新聞は1996年から「北朝鮮」単独表記を採用。テレビではNHKが2003年1月1日、深夜0時30分のニュースから「北朝鮮」を使い、他の局もだいたい同じ時期に変わっており、この時期以降は現在まで変わらずに、どのメディアも「北朝鮮」を使用している。

③メディア側の論理と、当時の状況をふまえた考察

 「北鮮」という呼称を使用していた時期は論外だとして、(当然不十分ではあるが)メディアは長い間朝鮮民主主義人民共和国という正式名称を使用していた。にも関わらず、なぜ表記を「北朝鮮」に変更したのか。メディア側の論理はどの社もおよそ先述の朝日新聞記事と同じで、つまり、①「北朝鮮」という呼び方が定着したこと、②記事の簡略化が図れる、という理由で、「北朝鮮」という表記にすることを決めたのである。(他には、例えば「読売新聞」は、①、②に加えて、「他の国も「北朝鮮」と表記している」ことを挙げている)。唯一、NHKだけは上記の理由に加えて、2002年12月に成立した、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」でも、「北朝鮮」という呼称しか使用していないことを理由に挙げている。
 「北朝鮮」という言葉が定着していたとして、「北朝鮮」と表記することによって8文字削減できたとして、放送時間が2秒ほど削減できたとして、どれも一国の正式名称を使用しなくてもいい理由にはならないことは、言うまでもない。また、「他の国も「北朝鮮」と表記している」という理由は、確かに英語圏では「North Korea(北朝鮮)」という表記を用いるがこれは、「South Korea(南朝鮮)」と対になっている言葉であり、北を「北朝鮮」と呼び、南を「韓国」と呼ぶ日本とは状況が異なる。また、FIFAやオリンピックでは、「DPRK」と正式名称を用いている。常に「North Korea」を用いているわけではないのである。また、中華人民共和国では朝鮮民主主義人民共和国の略称として「朝鲜(朝鮮)」、大韓民国を「韩国(韓国)」を使用している。中華人民共和国ではそもそも国名として「北朝鮮」という言葉を使っていないのである。
では、メディアはなぜほぼ同時期に表記を変更したのか。この時期は言うまでもなく、朝日首脳会談で金正日国防委員長が日本人拉致を認め謝罪し、朝日平壌宣言を採択した時期である。首脳会談以降の朝鮮民主主義人民共和国に関するニュースは、例えば朝日新聞なら3倍以上に激増し、そのほとんどがネガティブな論調であった。「北朝鮮」という呼称は、このような流れの中で一斉に使用されていき、逆に朝鮮民主主義人民共和国という国名は、日本から姿を消すのである。
メディアの正式な発表があったわけではないが、時代状況を鑑みると、定着がどうとか、記事の簡略化がどうかではなく、政府もメディアも朝鮮民主主義人民共和国を国として認めず、拉致や核開発などをする「北朝鮮」とは強硬な姿勢で相対していくという意思が、メディアや法律への「北朝鮮」表記へと込められているのではないだろうか。

④まとめと個人的考察

これまでみてきてわかるように、「北朝鮮」という呼称は1960年代から使用され、一時期は朝鮮民主主義人民共和国という正式名称も並列で表記されていたが、現在ほぼすべてのメディアで正式名称が使用されず、「北朝鮮」のみが使用されている。それは、2002年の「拉致問題」が決定的な契機だったとみることが出来る。そしてこの時期から、朝鮮民主主義人民共和国に対して否定的な報道が激増し、いわゆる「反北朝鮮」社会が急速に形成され、もともと官房長官時代から「北朝鮮」強硬派で有名だった安倍政権を、現在も支えていると言っても良いだろう。
筆者は、当然「北朝鮮」という呼称を使用するべきではないと考える。理由はシンプルで2つ。1つは言うまでもないが、「北朝鮮」とは正式名称ではなく、朝鮮民主主義人民共和国を国家と認めない不当な呼び方であるからである。もう一つは、こちらの方が大きな理由だが、そもそも朝鮮民主主義人民共和国が「北朝鮮」と呼ぶことを承認していないからである。朝鮮民主義人民共和国は、日本が「北朝鮮」と呼ぶことに対して幾度かにわたって直接指摘、批判をしている。先述の1971年プレ五輪しかり、2003年には国連総会において、日本代表団が「北朝鮮」と呼んだことに対して、朝鮮民主主義人民共和国代表部が「侮辱的な表現」と日本代表団を批判している。また、2003年1月29日付けの朝鮮労働党の機関誌労働新聞は、朝日新聞を名指しにしながら、日本のマスコミの「北朝鮮」呼称を批判する論評を掲載している。このように、当の本人から「その名で呼ぶな」と言われているにも関わらず「北朝鮮」と言い続けるのは、明らかに国家に対する冒涜である。
朝米会談以降、安倍政権はようやく朝鮮民主主義人民共和国との直接対話を模索し始めたそうだ。本気で対話を目指すなら、まずはテレビの前で朝鮮民主主義人民共和国と声を発してみてはどうか。(滉)

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「民族」について考える~激動する朝鮮半島情勢の中、一活動家として思うこと

 『民族』とは何か?
 という問いを私は学生時代から幾度となく問い返している。最近、朝鮮半島情勢が融和や平和に向かう一方で私の問題意識は朝鮮半島情勢に向きながらも自身の民族性に向いてしょうがない。自身の民族性が朝鮮半島に問われているような気がして仕方がないのだ。

 6/12に朝米首脳会談が行われた。間違いなく歴史的な会談であった。しかも今会談はこれまでの朝米関係を間違いなく変えたものとして見られるべきである。朝米コミュニケや6カ国協議の時には「行動対行動」だった原則が今回の会談を通して、「信頼対信頼」に変化したことが最も特筆すべきことではないだろうか。(URL:http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30836.html
その証に韓米は「乙支フリーダムガーディアン」の軍事演習を中止した。
(URL:http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30903.html) (URL:http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30855.html
共和国の非核化を促すための措置であるがこれまでの姿勢としては考えられないことだ。米国が共和国の「信頼ある行動」を信頼しての行動を行なった。

 今日の本題は「情勢によって私たちの民族(性)が問われている」のではないかということだ。私がなぜこのような問いを発するかというと、朝鮮半島が(まだ予断を許さないが)統一に向けて動きだしているという実感を感じることが多い日々で専従の活動家として、その終わりの入口を想像してしまったことに端を発する。「統一してしまったら自分はどうなるのか?」それと同時に「この闘いに溢れる日々から解放される」のではないかという功利的な思考が出てきたのである。私は何かに報われるために活動していたのかと自分の愚かさに愕然とした。現実に差別や苦しんでいる朝鮮人がいれば活動することを決めたつもりで専従になった。しかし、実際は朝鮮半島の情勢が好転しようとすれば朝鮮半島の平和からこぼれ落ちている「どこかにいる孤独な朝鮮人」への想像を容易に飛び越え、「自分の幸せ」やその終わりを想像していたのである。言い換えれば朝鮮半島の平和が訪れれば「私の闘い」は終結すると考えていたのだ。朝鮮半島が平和になろうと、民族的自殺を図ったその朝鮮人の民族性は回復しないのに、だ。それを救うために専従の活動家になったはずだった。それにも関わらず、私の自己中心的な思考は「朝鮮半島の平和」を終点にして思考が打ち止めされてしまった。その時に、朝鮮半島情勢によって自身の「民族(性)」が問われているのだと感じた。その打ち止めされた思考を打破するためにも私は敢えて今、「民族とは何か?」という問いを自身に課したい。

 ※以下は私個人が考えることである。

 私は常に文化的民族性を拒否してきた。それはエスニシティばかりが好まれる日本社会で敢えて民族的文化を推すことが自分の足元をすくうことに繋がるのではないかと直感的に感じていたからだ。自分の民族を形成するのは歴史や理論や哲学であると思ってきた。センチメンタルな「民族性」や情緒感動的な「民族性」は現代日本社会では挫折させられることはあっても、在日朝鮮人運動を担う私を助けてくれたことはなかった。私にとっての民族は反射行為でしかなかった。消されようとする「民族性」を守り、その反射行為として求め、育ててきた。私が「民族性」を育てるために焼べてきた薪はその実反射行為でしかなかった。手放しで「私は朝鮮人だ!」と言えないのだ。何かに攻められないと私は自分を朝鮮人として認識できないという主体性と遭遇したのだ。何が言いたいかというと朝鮮半島情勢がポジティブな方向へと向かうほど私は「民族」とは何か?というものを問われている気がしてならないということだ。
 本来、私という在日朝鮮人という存在を理解しようとする時、自己認識だけではそれは完成しない。「私」という存在を捉えようとする時、それは自己認識の問題ではない。私が朝鮮人であるということは「外部」(=世界)の側が決めることなのだ。

 『言い換えれば、主体性の本質的なものは外部であり、自分自身の案出によってしか自己を認識しないということ、決して内部では自己認識はないということです。内部で自己認識をすると、主体性は死にます。外部で自己認識し、外部で解釈されるとき、主体性は充満し、たしかに対象となりますが、それは結果となった対象です。つまり、本当には対象化できない、主体性というものにそこで出会うのです。』(ジャンポール・サルトル 「主体性とは何か」)

 「私は朝鮮人だ!」という認識を持つ主体性は認識することが不可能であるということだ。では「朝鮮人になりたい」私たちはどうしたらよいのか?それは正しく「外部」を認識することにある。「外部」とは何か?それは社会だ。在日朝鮮人が予期する社会とは日本社会だと想定されがちだが果たしてそうだろうか?私はそうは思わない。私がまたあなたたちが「民族」というものを渇望し、望むのは、真に朝鮮半島社会に「私」自身を投影することができていないからではないだろうか。真に私たち在日朝鮮人が投影するのは自己—外部、民族—朝鮮半島という関係でしか有り得ない。肯定的に在日朝鮮人と自己認識しようとすれば、自己を投影する先は日本社会ではなく、朝鮮半島社会にするべきなのだ。それは在日朝鮮人社会でもなく、間違いなく朝鮮半島に。そうでなければ、(在日)朝鮮人としての主体性は充満されることはない。日本社会に自己を投影すれば、朝鮮人—日本(人)という問いにしかならず、その主体性は手放しで「私は朝鮮人だ!」と言えるものからは遠くなってしまう。なぜなら、朝鮮人—日本という葛藤を生むので、その時点でクリアではなくなってしまうからだ。

 私は以上の点で不十分であるが「未完」な朝鮮人の主体性(客観性)を持つと自覚する。在日朝鮮人として、この朝鮮人としての損傷を自覚し、距離を取ることで私はよくそれを観察することとする。しかし、それでは終わらない。弁証法的な発展を通じて、私は欠陥を帳消しにできるような実践の助けを借りて、欠落した朝鮮人としての要素を補完する。障害と距離を置いて、障害を認識し、その結果、その障害を否定する。間違いなく、実践を伴うことによってしかそれは達成されえない。私にとっての実践というのは、自分の朝鮮人としての損傷を認識し、その損傷を回復するまたは補うような形での実践を指す。(日々の在日朝鮮人社会の発展によって朝鮮半島に近づこうとする試みや朝鮮半島の葛藤を取り除くために行われる一切の行為など)なので、自己を投影する「外部」を朝鮮人として設定する時、そこは朝鮮半島社会であるべきなのだ。よって、朝鮮半島の情勢を知るということは自分を朝鮮人へと近づけることと同義である。目線は常に朝鮮半島へということだ。

 今回、情勢ニュースブログではあるが情勢解説や紹介ではなく、情勢という政治的なものが個人のアイデンティティという内面的なものにどのように干渉しているのかを考えるよい機会になったと思う。このような問いがないと「情勢」はただの情報にしかならなくなってしまう。情勢を情報ではなく、自己と朝鮮半島を近づける実践として認識できるかが重要なのではないだろうか。(秀)

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6.12朝米首脳会談とシンガポール共同声明を支持歓迎する~そして、ある朝鮮人の所感

 歴史的瞬間。この瞬間をどれだけ待ったことだろうか。

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 70年以上続いた敵対関係、戦争状態が終焉に向かおうとしている。
 とりわけ、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の人民はどのような心境で今回の光景を目の当たりにしたのであろうか。私自身も勿論そうだが、私は朝鮮人民の姿を想像するとより胸が熱くなる。70年以上に渡る、たった一言では表現できないような、朝鮮の血の滲んだ闘争があったからこそ6月12日が実現したのだ。

 いわゆる「国際社会」(そもそもその用語自体から疑問視だが)といった立場でなく、今回の朝米首脳会談と「金正恩委員長とドナルド・トランプ米大統領の間のシンガポール首脳会談共同声明」(以下、共同声明)を、一人の朝鮮人として主体的に受け止めたいと思っている。

 朝鮮は、今回の首脳会談と共同声明について、6月13日に、朝鮮中央通信を通して、《조미관계의 새 력사를 개척한 세기적만남 - 력사상 첫 조미수뇌상봉과 회담 진행》(朝米関係の新しい歴史を開拓した世紀的対面~史上初めての朝米首脳の対面と会談が行われる)という見出しで報道した。(リンクがうまく飛ばないのでURLは우리 민족끼리より)
 (URL)→ http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=great&subtype=songunload&no=6303
 報道では、これまでの朝米関係について数度も強調された。(以下引用)
  地球上で最も長きにわたる歳月、先鋭に対立し、持続してきた朝米間の極端な敵対関係にピリオドを打ち、両国人民の利益と世界の平和と安全のための新しい未来を開いていこうとする両首脳の確固たる決断と意志によって、今世紀に初の朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国の首脳会談が行われる。
  朝鮮半島が二分されて対立と反目の歴史が流れてきた70余年ぶりに初めて朝米両首脳が和解に向けた第一歩を踏み出して対話の場に立ち合うことになった。
  朝米両首脳は、数十余年間持続してきた敵対的な朝米関係に終止符を打ち、朝鮮半島に平和と安定が訪れるようにするうえで重要な意義を持つ実践的問題について率直な意見を交わした。

 朝鮮半島はずっと「戦時状態」であった。「朝鮮戦争」の停戦協定以降も、米軍は南に留まり、米「韓」軍事演習を継続し続けた。
「戦時状態」下で、米国がまずずっと朝鮮を信用してこなかったし、それが故、朝鮮も米国を信頼できなかった。そのような不信感がどれほど朝米関係を膠着させてきたのだろうか。
 アメリカの朝鮮に対する不信感は、1990年代以降のいわゆる「核疑惑」によって加速し、とりわけ朝鮮を「正常な国家」としてではなく、「悪の枢軸国」、「ならずもの国家」となどど朝鮮を悪魔化し、様々な制裁と圧迫を継続的に課した。そして、去年は一触即発の核戦争に突入する直前、まさに超緊張状態に達した。
 そのような、「戦時状態」下、敵対と不信の70年以上の歴史の中で史上初めて両国の首脳が対面したのである。
 その対面の光景は、「世界最強国」アメリカと「悪の枢軸国」朝鮮といった不均等な国家関係ではなく、まさしく「対等な国家間」同士の首脳の対面のように感じた。金正恩委員長が今年2018年の「新年の辞」で発言されていたように、朝鮮が「世界が公認する戦略国家」の姿として私の目には映った。
 
 しかしながら、朝鮮半島の平和と、朝米関係の改善を真に望まない者たち(少なくない各国メディア)により、今回の首脳会談と共同声明について、その意義を軽視する論調が目立つ。
 CVID(完全(Complete)かつ検証可能(Verifiable)で不可逆的(Irreversible)な非核化(Denuclearization))の用語が入っていないだとか、過去の朝米関係の合意に比べ(1994年の米朝枠組み合意、2005年9.19の6者合意)あまりに具体性に欠けるだとか、そういったものである。
 今回の首脳会談と共同声明について、朝鮮新報では、6月13日に、《세기적 조미대결의 청산, 세계사의 대전환~싱가포르 쎈토사섬에서 진행된 첫 수뇌회담》(世紀的朝米関係の清算、世界史の大転換~シンガポールセントーサ島で行われた初の首脳会談)という記事を掲載している。
 (URL)→ http://chosonsinbo.com/2018/06/013/
 記事では、共同声明の核心について、以下のように整理している。(以下引用、筆者訳)
  朝米首脳会談に先立ち、朝鮮半島比較ではなく「北朝鮮の完全で検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」に焦点を合わせ、それが即時為さなければならないという主張が流布された。それは歴史上、初めて行われる朝米首脳会談の歴史的意味を否定して矮小化する情報操作、世論誘導に過ぎない。どちらか一方の屈従に、もう一方が保障する取引方式は互いに核武器を保持し闘う2国間で成立する訳がない。
  (中略)朝鮮の最高指導者と対面したアメリカ第45代大統領ドナルド・トランプ大統領は第二次世界大戦以降、ハリー・S・トルーマン以来の歴代政権下で面々と繋がれてきた朝鮮に対する敵視と圧殺の企図に終止符を打つことを確約したのだ。

 まさにその通りである。CVID云々よりも、70年以上にも渡る敵対関係の終止符を打つ、それに最も大きな歴史的な意義がある。
 だからこそ、今回の共同声明について、しっかりとその声明を順番を持って見るのが大切なように思う。
 ※共同声明文の日本語訳は以下から見ることができる。(朝鮮新報サイト)
 (URL)→ http://chosonsinbo.com/jp/2018/06/yr20180613-1/

 この声明文は1~4だけではなく、その前文の書かれている順序も大切だと私は感じている。その前文部分から今回の会談と声明のおいて大切な順で書かれているからである。
 声明の1~4について便宜上、「1.新たな朝米関係の樹立」、「2.朝鮮半島での平和体制構築」、「3.板門店宣言の再確認と非核化」、「4.遺骨発掘と送還」とまとめてみることとする。
 私は役回りで組織の文書とかを作る機会が多いのだが、その時とまったく一緒で、文書というのは大事な順番で叙述する。それらの重要度が同レベルなのであれば、おそらく‐(ハイフン)や・(テン)などの記述になっていただろう。
 今回の声明文は、1→2→3→4の順番で重要だということである。
 
 まず何よりも「1.新たな朝米関係の樹立」が一番大事だということだ。
 前述して書いたが、「戦時状態」、敵対関係と相互不信の70年状態から、まずは相互に信頼を積み重ね、関係改善していくと言うことである。ようは信頼関係の構築、新たな朝米関係樹立がなければ何も始まらないということだ。
 ちなみに、少なくないメディアの論調として、過去の合意と比較して具体性がないとかという指摘がある。確かに1994年の米朝枠組み(ジュネーブ)合意や2005年9.19の6者合意はより具体的な記述があるが、これらの合意と今回の共同声明の大きな違いはその順序である。
 これらの過去の合意は「非核化」→(「平和体制の構築」 or 「関係改善」)という順になっていて、その順番が逆だということである。すなわち、非核化がスタートで、非核化をしなければ始まらないということである。
 【参考】米国と朝鮮民主主義人民共和国間の合意枠組み ※HP「核情報」 (URL)→ http://kakujoho.net/susp/us-dprk_frmwk.html
 【参考】第4回六者会合に関する共同声明(仮訳) ※外務省HP (URL)→ https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/ks_050919.html
 これらの合意も今回の声明と同じように、行動対行動原則ではあったが、結局「関係改善」がなされていないまま履行していかざるを得なかったため、初めの段階で躓くことになる。「関係改善」がなされていなかったため、とりわけアメリカの朝鮮への不審が拭えなかったからであろう(アメリカが信用しようとしたかも今となっては疑問ではあるが)
 ずっとこの順序=「非核化から」を主張してきたアメリカが、今回は逆の順序で、「1.新たな朝米関係の樹立」からしていこうということを朝鮮との間に合意したことがもっとも大きな意味がある。
 信頼とは確かに実質的行動をもって証明していくことで積み重ねていけないのは勿論ではあるが、今回の朝米首脳会談に至るまでの過程と、当日の対面などを通して既に少しずつ信頼関係は芽生えはじめているように思う。
 実際、会談に至るまでに朝鮮は、米国人3人を解放したし、また豊渓里の核実験場完全廃棄に至った。(《우리 민족끼리》HP、5月25日付。(URL)→ http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=photo&pagenum=&no=6184
 また、両首脳の会談時の発言全文(日本語訳)は、東京新聞サイト(6月13日付。(URL)→ http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201806/CK2018061302000133.html )から、会談後のトランプ大統領記者会見(日本語訳)は、日本経済新聞サイト(6月16日付。(URL)→ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31865230W8A610C1I00000/ )から見ることができるが、トランプ大統領は以下のように発言している。
 (一対一会談後) ※上記東京新聞サイトより引用
 「(会談)はとても良かった。(われわれは)素晴らしい関係にある。大きな問題、大きなジレンマを解決するだろう。われわれは共に取り組み対処する。一緒に取り組むのが楽しみだ。(中略)(会談では)非常に前向きな進展があった。誰もが予想したよりも本当に良かった。」
 (記者会見) ※上記日本経済新聞サイトより引用
 記者  「金氏を信頼していますか。」
 大統領 「信頼している。ここまでのやりとりは話し合いだけだったが、それなしでは実現できなかったことだ。中でも新しい交渉チームの発足が非常に重要だった。われわれのチームは素晴らしい。金氏の強い意志を私は感じる。

 このように芽生え始めた信頼関係結果だろうか。会談では米「韓」軍事演習の中止についても話し合われ、実際に、米国と南朝鮮は、8月に予定していた合同軍事演習を中止することで合意した。実に24年ぶりだという。
 【参考】米韓、8月の合同軍事演習中止を決定 ※ロイター、6月18日付 (URL)→ https://jp.reuters.com/article/us-korea-military-idJPKBN1JE2YA

 これによって今後、朝鮮側も「それ相応の次の段階の追加的な善意の措置を講じていく」(既出、13日付、朝鮮中央通信)であろうし、その過程でより信頼関係を積み重ね、「2.朝鮮半島で平和体制構築」に繋げていくことが予想される。
 4月27日の「板門店宣言」に沿って年内に「終戦宣言」が出るかもしれないが、「終戦宣言」はあくまでも平和体制構築までの中間地点といった位置付けで、(朝米間の信頼関係が強固になってさえいれば)そのステップを飛ばされ、南朝鮮と中国まで合わせ4者により、「平和協定」が締結されるかもしれない。4者による「平和協定」についてはトランプ大統領の会談後記者会見で以下のように述べている。
 (記者会見) ※既出日本経済新聞サイトより引用
 記者 もう1点。和平条約(ママ)への署名は金委員長とのみ交わす予定ですか。韓国や中国も署名に加わりますか。
  トランプ氏 韓国や中国にも加わってもらいたい。法的には問題があるかもしれないが私は気にしない。中国と、もちろん韓国も加われば素晴らしい。

 そうなれば、その「平和協定」の中身に、重要な意味を持つ4者(とりわけ米朝)不可侵や、朝鮮半島近辺での合同軍事演習の永久的中止といった内容が盛り込まれるであろうし、そこにそのまま「終戦宣言」も含まれるかもしれない。在韓米軍の完全撤廃問題はそのような内容の「平和協定」さえ効いていると朝鮮半島の平和体制には直接的な影響はないので、あとは米国と南朝鮮間での問題になり、次のステージの問題のように思う。(完全撤廃に至るには南朝鮮の中で在韓米軍不要の世論が向上していく必要があるように思う。)

 「3. 板門店宣言の再確認と非核化」であるが、「1.新たな朝米関係の樹立」し、「2.朝鮮半島で平和体制構築」されることにより、「完全なる非核化」が達成されていくように思う。「完全なる非核化」とは、あくまでも入り口ではなく出口/ゴールで、時間をかけてなしてとげていくものなのだ。首脳会談後のポンペオ国務長官の発言によると、トランプ大統領の任期内、2021年1月までに達成したいようである。
 【参考】北朝鮮非核化「大統領任期内に」ポンペオ米国務長官 ※日本経済新聞、6月13日付 (URL)→ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31739950U8A610C1MM8000/
 
 ちなみに何度が出ているこの「CVID」という単語について、若干触れざるを得ない。そもそも、今回の会談においてCVIDは主要な論点では無かったことについて、大統領自身がこう話してしまっている。
 (記者会見) ※既出日本経済新聞サイトより引用
記者:確認可能で、不可逆的な非核化(CVIDのこと、筆者付)に向けて、金氏にどうやって圧力をかけるのですか。
  トランプ氏:やったよ、正直言って。
  記者:なぜそのような詳細が合意文書に含まれていないのですか。
  トランプ氏:時間がなかったからだ。ここには1日しかいないのだ。何時間も集まって集中的に(交渉を)進めたが、これから はプロセスの問題だ。彼らがもう着手してないと聞いたらな、驚きだよ。もう始めただろう、基地を爆発させて。実験基地を吹き飛ばしてな。でもこれは言っておくが、彼は、来る前に知ってたんだよ。まあ、驚きはなかったということだ。前から俎上(そじょう)に上がってなかったわけじゃない。以前にも話し合ったことだ。マイク(・ポンペオ)が北朝鮮の相手方に、強い態度で話し合ってきた。向こうも知っていたんだ。もし、この点に賛成しなければ私がどんな合意にもサインなんてしないってことを。だから知ってたんだな。だからきょう、それが大きな論点(CVIDのこと、筆者付)というわけでもなかったんだ、本当は。この点についてはもう既に(話し合いを)やってたから。他のどんな内容よりも。だって結局この点に尽きるからな。ここに我々が着く前にもう終わってたんだ。だからきょう話し合いにこの点が上ったとき、見れば分かるが、言葉使いは非常にはっきりとしたものだ。文書の中にある。

 また、ここに興味深い記事がある。《자주시보》の《문정인특보,CVID는 그저 한 보좌관이 만든 말일뿐》(ムンジョンイン特報、CVIDはただ一人の補佐官が作った言葉に過ぎない)という見出しの記事だ。※(URL)→ http://m.jajusibo.com/a.html?uid=40198
 ※以下、上記サイトより引用、筆者訳
  (前略)ムンジョンイン特報は、CVIDと完全な比較化は内容上大きな違いはないと主張した。「完全な」という言葉の範囲をどこまで設定するかは協商を通してしないといけないことはあるけれど、完全な非核化を為そうとすると、既に作った核武器はもちろん、製造施設も当然廃棄しないといけないので、不可逆的な非核化にならざるを得ないし…(中略)そして、ムンジョンイン特報は「CVID」という用語は2003年12月にリビアが核廃棄をした当時、ジョン・ボルトン国務部政務担当次官のマーク・グルームブリッジという補佐官が作った用語で(すなわち、高位層で戦略的意味を含め作った概念ではなく、ただ一人の補佐官が作った用語で)そんなに大きな用語ではなかったのに…
その他にも、南のTbsの市民放送、6月13日付で公開された《김어준의 뉴스공장(キム・オジュンのニュース工場)》で、元統一部長官丁世鉉氏が興味深いことを言っている。(37:30~)》 (URL)→ https://www.youtube.com/watch?v=G17DoqaSq4M&t=1868s
 (丁世鉉氏の発言抜粋、筆者訳)
  「CVIDという言葉を作ったのはまさにあのボルトンです。2002年ブッシュ政権が2年目になる年にボルトンがソウルに来ました。その時、ボルトンと青瓦台で話されたことを林東源(当時外交安保統一特報)から間接的に聞きました。朝鮮がクリントンの時にプルトニウム核ブログラムを中断したのは確実だけど、裏でウラニウムプログラムを新しく始めたのではないかいう疑惑があると。核爆弾の作成は2つの手段があります、プルトニウムとウラニウム。ウラニウムの方がどちらかといった作りやすいです。朝鮮がウラニウムプログラムを稼動させたのではないかと。朝鮮のウラニウムプログラム稼動の疑惑について、アメリカに証拠(物証)があるのか?と聞いたところ、朝鮮の状況を総合的に判断すると稼動させているという心証があると答えたと言います。心証だけを持ってどうやって中断させるのかと聞いたところ、私たち(アメリカ)が追求して継続して圧迫をかけると、自白するだろうと。朝鮮をひたすら叩けば何か出るんじゃないかと。朝鮮がそのようなものはないと言ったにも関わらず、朝鮮がそれを稼動という風に作っていった。その過程に生まれた用語がCVIDです。すなわち、朝鮮を信じられないので、CVIDという言葉を作ったんです。
  丁世鉉氏が言っているように「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」という用語自体が相手国に対する不信感から来る用語でしかなく、信頼関係があればまずこういう用語にはならない。この用語が生まれたであろう2000年代以降は、まさに米国の朝鮮に対する、不信感と敵対の真っ只中だった。
 また、ムンジョンイン特報が言うことに加え、本当に「用語通り」の核放棄と言うことを考えてみると、核関係施設、軍事施設、科学者、科学記述まで、全て放棄ということになり、軍事情報の全開示、すなわち現実的にその国家を屈服させることでしか、不可能のように思える。朝鮮がそのようなことを望む訳ないし、そのような前提での事前交渉が行われていたら今回の首脳会談自体は開催されなかったであろう。 「戦略国家」の地位に達した今の朝鮮に、不信感を漂わせ、「大国」が「小国」を屈服させるような用語は、今回の共同声明に入るわけがないのは明らかである。

 次に、「4.遺骨発掘・返還」については実際に行われていくだろうと思う。
 朝鮮は、4月20日に行われた朝鮮労働党中央委員会第七期第三次全員会議で、2013年に掲げた経済建設と核武力建設を並進していく戦略的路線―並進路線の勝利を宣言、社会主義経済建設に総力を集中していくことが決定した。そのため(社会主義経済建設に総力を集中するため)にも今回の首脳会談と共同声明を着実に履行し、新たな朝米関係を樹立→朝鮮半島の平和体制を構築していくことが重要である。この「4,遺骨発掘・返還」を確実に履行していく過程で相互の信頼関係を積み重ねていくだろう。
 また、これに関しても先ほどと同様に丁世鉉氏が興味深いことを言っている。(前述映像、47分~)かれによると、1994年の朝米枠組み合意の後、クリントン政権時代に、この遺骨調査は事業はある程度進められたとのことで、約6000の遺骨があることが確認されているという。

 今回の歴史的な首脳会談と共同声明のもう一つ大事だなと個人的に思うのは3項目の「朝鮮民主主義人民共和国は…板門店宣言を再確認し、」の部分である。主語が朝鮮は…でとなってはあるが、これを共同声明の中に盛り込むことで、アメリカもある程度、「板門店宣言」を意識した上で今後動くことが予想される。
 アメリカからすると、去年「火星-15号」(ICBM)の完成により、朝鮮の核武力が完成した後、その「脅威」を取り除けさえすればよかったはずなので、「朝米関係だけ」を見ればよったであろう。北南の接近や統一問題は大きな関心ごとにならなかったはずである。
 順序として朝米首脳会談の前に、4.27北南首脳会談と板門店宣言、5.26北南首脳会談(この会談が、中止になりかけていた今回の会談を結果的に開催されるに至った大きな契機になったことは言うまでもないであろう)があったことが大事だった。朝鮮半島の平和体制構築、朝鮮半島の統一問題を우리 민족끼리(私たちの民族同士で)解決していくんだということを、それらの一番の妨げになってきた米国に認識させる、朝米ではなく、北南朝鮮で米を縛る、という意味があるのではないかと考えている。

 一人の朝鮮人として今思うことは、今後の展望は明るい、ということだ。それは、70年の「戦時状態」、敵対関係だった、朝米関係において(また北南関係において)、信頼の芽が生まれはじめているからだ。その信頼をより強固にしながら、関係を改善していく、それからやっていくのだから。
 確かにアメリカ国内葛藤には若干の憂慮はある。
 今回の共同声明に対する評価は米国内でおおよそ50%のようだ。
 【参考】 トランプ氏の北朝鮮問題対応、米国民の約半数が支持=世論調査 ※ロイター、6月13日付 (URL)→ https://jp.reuters.com/article/northkorea-usa-poll-idJPKBN1J93CQ
 また、今回の共同声明を「条約」として批准するためには米上院の出席議員の3分の2の賛成を得る必要があるが、そこまでの実現可能性は現状で言うとかなり厳しい。だからと言ってそれで今回の声明がまったく意味を為さないわけではない。トランプ大統領としても、今回の共同声明を行政合意として履行していき、その履行の過程≒平和体制構築・非核化の過程(アメリカで言うと最重要事項)を国内に可視化していくことが、秋にある中間選挙においてプラスの影響をあることは明らかである。

 今、まさに歴史的転換点にいると感じている。真の意味での東アジアの冷戦の解体の序幕にいるという認識だ。そういう意味で世界史的局面、世紀的局面だと思っている。
 ただ、この歴史的瞬間に生きながら、同時に自分は何をやっているんだ/やってきたんだという自責の念にも駆られる。朝鮮民族闘争史の中で私はちゃんと闘ったきたのか/闘えているのかと。本当に毎日のように激動する朝鮮半島情勢を入念にチェックしながら、そして何度も自身の姿勢について自問自答しながら、活動を続けていかなければならないと思う今日このご頃である(洪)

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「板門店宣言」履行へ確かな前進を~南朝鮮国会批准同意と統一地方選挙

4月27日に実現された北南首脳会談は北と南、そして海外に在住する同胞の胸に統一への希望を抱かせてくれた。金正恩委員長と文在寅大統領が結んだ板門店宣言をきっかけに朝鮮半島がようやく統一へと歩みだしたかのように思われるが、実は南朝鮮では国会の批准を得ていないため、板門店宣言には法的拘束力がない。

事実、2000年の6.15、2007年の10.4宣言のどちらも国会の批准を得ることができなかった。政権交代した2008年以降、10.4宣言で約束されていた北京五輪での同時入場は白紙に帰し、朴槿恵政権時には開城工業団地の運行がストップされた。「韓」米合同軍事演習はこれまでにない規模で行われ、一時は斬首作戦と題する北の指導者の暗殺を前提とした演習が繰り広げられ、朝鮮半島情勢は大きく後退した。「失われた10年」間を振り返ると、廬武鉉政権をそばで支えた文在寅大統領の批准獲得への熱意はただものではないだろう。

[参考]板門店宣言「国会同意」受けることに(ハンギョレ新聞日本語版、4月28日付)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30425.html

国会通過の鍵を握るのが、6月13日に投開票される統一地方選挙だ。
文在寅大統領が所属するトブロ(共に)民主党(以下、民主党)は北南合意文発表の1カ月も前から国会批准同意を推し進めていく準備を進めていたが、対する最大野党の自由韓国党は批准同意に反対の立場を表明している。板門店宣言の国会通過を実現するためには本会議で在籍議員の過半数の出席に過半数の賛成が必要である。在籍議員293人のうち、賛成派の民主党、平和党、正義党の議席が141席と、残り7議席に懸かっている。

[参考]'판문점 선언' 국회비준 추진… 한국당 "안된다"(「板門店宣言」国会批准推進…韓国党「駄目だ」)(朝鮮日報、4月30日付)
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2018/04/30/2018043000159.html

しかし、今後の展望は明るい。韓国ギャラップの世論調査によると、北南首脳会談以降5月1週目の時点で文在寅大統領の支持率は83%を記録し、歴代大統領のうち最高値を達成した。北南首脳会談で得た評価を土台に、地方選挙期間に繰り広げられる与野党の政策論争中に板門店宣言の批准獲得への動きを醸成していくことが予想される。

[参考]文大統領、就任1年支持率83%…歴代大統領のうち最高値(ハンギョレ新聞日本語版、5月4日付)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30496.html

板門店宣言をめぐる議論はすでに統一地方選挙に大きく影響があるようだ。自由韓国党の京畿道支部がある場所であえて出馬した若手のイ・ヒョング民衆党議員は「6.13地方選挙では‘板門店宣言の時代にそぐわない’自由韓国党にたったの一票も投ずるべきではないと訴えることが自分の選挙運動」だと主張している。

[参考]“6.13지방선거에서 자유한국당에 단 1표도 주지 말아야 한다”(6.13地方選挙で自由韓国党にたった一票も投じてはいけない)(뉴스타워、5月22日付)
http://www.newstower.co.kr/news/articleView.html?idxno=56336

また、KBSニュースによると、広域自治体17カ所の首長選で民主党は現有の9首長から12~14首長に拡大する見通しで、世論調査機関リアルメーターが7日に発表した調査によると、民主党の支持率は52%で、保守系の最大野党・自由韓国党の18・5%を大きく引き離している。

2018053144163075.jpg
(写真は더뉴스코리아から引用)

6.15、10.4宣言の教訓に学び、国会通過を通して「板門店宣言」履行へ確かな前進をすることで、今回こそは統一にむけて最後まで駆け抜けていかなければならない。

明日には一方で歴史的な朝米首脳会談が開催される。6月12日、13日と目が話せない期間になりそうだ。(智)

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