留学同情勢ニュース

留学同が朝鮮半島情勢や在日同胞に関する記事を配信するブログです。

朝米首脳会談とシンガポール共同声明を熱烈に支持歓迎する~そして、一朝鮮人の所感

歴史的瞬間。
この瞬間をどれだけ待ったことだろうか。

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70年以上続いた敵対関係、戦争状態が終焉に向かおうとしている。
とりわけ、共和国人民はどのような心境で今回の光景を目の当たりにしたのであろうか。私自身も勿論そうだが、私は共和国人民の姿を想像するとより胸が熱くなる。70年以上に渡る、たった一言では表現できないような、共和国の血の滲んだ闘争があったからこそ6月12日が実現したのだ。

 いわゆる「国際社会」(そもそもその用語自体から疑問視だが)といった立場でなく、今回の6.12朝米首脳会談と「金正恩委員長とドナルド・トランプ米大統領の間のシンガポール首脳会談共同声明」(以下、共同声明)を、一人の朝鮮人として主体的に受け止めたいと思っている。

朝鮮民主主義人民共和国は、今回の首脳会談と共同声明について、6月13日付の朝鮮中央通信を通して《조미관계의 새 력사를 개척한 세기적만남 - 력사상 첫 조미수뇌상봉과 회담 진행》(朝米関係の新しい歴史を開拓した世紀的対面~史上初めての朝米首脳の対面と会談が行われる)という見出しで報道した。
http://kcna.kp/kcna.user.special.getArticlePage.kcmsf;jsessionid=DE9F12D58F44B53B6F17EC32262F8878

 報道では、これまでの朝米関係について数度も強調された。

 地球上で最も長きにわたる歳月、先鋭に対立し、持続してきた朝米間の極端な敵対関係にピリオドを打ち、両国人民の利益と世界の平和と安全のための新しい未来を開いていこうとする両首脳の確固たる決断と意志によって、今世紀に初の朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国の首脳会談が行われる。

朝鮮半島が二分されて対立と反目の歴史が流れてきた70余年ぶりに初めて朝米両首脳が和解に向けた第一歩を踏み出して対話の場に立ち合うことになった。

朝米両首脳は、数十余年間持続してきた敵対的な朝米関係に終止符を打ち、朝鮮半島に平和と安定が訪れるようにするうえで重要な意義を持つ実践的問題について率直な意見を交わした。


朝鮮半島はずっと「戦時状態」であった。朝鮮戦争停戦協定以降も、米軍は南に留まり、米「韓」軍事演習を継続し続けた。
「戦時状態」下で、米国がまずずっと朝鮮を信用してこなかったし、それが故、朝鮮も米国を信頼できなかった。そのような不信感がどれほど朝米関係を膠着させてきたのだろうか。
アメリカの朝鮮に対する不信感は、1990年代以降に加速し、とりわけ共和国を「正常な国家」としてではなく、「悪の枢軸国」、「ならずもの国家」と称し朝鮮を悪魔化し、様々な制裁と圧迫を継続的に課した。そして、去年は一触即発の核戦争に突入する直前、まさに超緊張状態に達した。

そのような、「戦時状態」下、敵対と不信の70年以上の歴史の中で史上初めて両国の首脳が対面したのである。
 その対面の光景は、「世界最強国」アメリカと「悪の枢軸国」朝鮮といった不均等な国家関係ではなく、まさしく「対等な国家間」同士の首脳の対面のように感じた。金正恩委員長が今年の新年の辞でおっしゃっていたように、朝鮮が「世界が公認する戦略国家」の姿として私の目には映った。
 
 しかしながら、朝鮮半島の平和をと朝米関係の関係を真に望まない者たち(少なくない各国メディア)により、今回の首脳会談と共同声明について、その意義を軽視したりする論調が目立つ。
CVID(完全(Complete)かつ検証可能(Verifiable)で不可逆的(Irreversible)な廃棄/非核化(Dismantlement/Denuclearization))の用語が入っていないだとか、過去の合意に比べ(1994年の米朝枠組み合意や2005年9.19の6者合意)あまりに具体性に欠けるだとか、そういったものである。

 今回の首脳会談と共同声明について、朝鮮新報では6月13日付で《세기적 조미대결의 청산, 세계사의 대전환~싱가포르 쎈토사섬에서 진행된 첫 수뇌회담》(世紀的朝米関係の清算、世界史の大転換~シンガポールセントーサ島で行われた初の首脳会談)という記事を掲載している。
 http://chosonsinbo.com/2018/06/013/

 記事では、共同声明の核心について、以下のように整理している。(筆者訳)
 
 朝米首脳会談に先立ち、朝鮮半島比較ではなく「北朝鮮の完全で検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」に焦点を合わせ、それが即時為さなければならないという主張が流布された。それは歴史上、初めて行われる朝米首脳会談の歴史的意味を否定して矮小化する情報操作、世論誘導に過ぎない。どちらか一方の屈従に、もう一方が保障する取引方式は互いに核武器を保持し闘う2国間で成立する訳がない。
 (中略)朝鮮の最高指導者と対面したアメリカ第45代大統領ドナルド・トランプ大統領は第二次世界大戦以降、ハリー・S・トルーマン以来の歴代政権下で面々と繋がれてきた朝鮮に対する敵視と圧殺の企図に終止符を打つことを確約したのだ。

 
 まさにその通りである。CVID云々よりも、70年以上にも渡る敵対関係の終止符を打つ、それに最も大きな歴史的な意義がある。
 だからこそ、今回の共同声明について、しっかりとその声明を順番を持って見るのが大切なように思う。共同声明文の日本語訳は以下から見ることができる。
http://chosonsinbo.com/jp/2018/06/yr20180613-1/

 この声明文は1~4だけではなくその前文の書かれている順序も大切だと私は感じているが、1~4について便宜上、「1.新たな朝米関係の樹立」、「2.朝鮮半島での平和体制構築」、「3.板門店宣言の再確認と非核化」、「4.遺骨送還」とまとめてみることとする。
 私は役回りで組織の文書とかを作る機会が多いのだが、その時とまったく一緒で、文書というのは大事な順番で叙述する。それらの重要度が同レベルなのであれば、おそらく‐(ハイフン)や・(テン)などの記述になっていただろう。
 今回の声明文は、1→2→3→4の順番で重要だということである。
 何よりも「1.新たな朝米関係の樹立」が一番大事だということだ。前述して書いたが、「戦時状態」・敵対関係と相互不信の70年状態から、まずは相互に信頼を積み重ね、関係改善していくと言うことである。ようは信頼関係の構築、新たな朝米関係樹立がなければ何も始まらないということだ。

 ちなみに、少なくないメディアの論調として、過去の合意と比較して具体性がないとかという指摘がある。確かに1994年の米朝枠組み(ジュネーブ)合意や2005年9.19の6者合意はより具体的な記述があるが、これらの合意と今回の共同声明の大きな違いはその順序である。
 若干乱暴にまとめてしまって申し訳ないが、これらの過去の合意は「非核化」→「平和体制の構築」(→「関係改善」)という順になっていて、今回の合意とまったく逆だということである。
 これらの合意も今回の声明と同じように、行動対行動原則ではあったが、結局「関係改善」がなされていないまま履行していかざるを得なかったため、初めの段階で躓くことになる。(まあそれも米国側の朝鮮に対する不信感が根本原因ではあるが)。ずっとこの順序=「非核化から」を主張してきたアメリカが、今回は逆の順序で、「1.新たな朝米関係の樹立」からしていこうということを朝鮮との間に合意したことがもっとも大きな意味がある。

 信頼とは確かに実質的行動をもって証明していくことで積み重ねていけないのは勿論ではあるが、6.12首脳会談に至るまでの過程と、当日の対面などを通して既に少しずつ信頼関係は芽生えはじめているように思う。実際、会談に至るまでに朝鮮は、米国人3人を解放したし、また豊渓里の核実験場完全廃棄に至った(朝鮮中央通信、5月24日付 )。
両首脳の発言前文(日本語訳)は以下から見ることができるが、とりわけ両首脳の一対一会談後、また、会談後の記者会見で、トランプ大統領は以下のように発言している。(トランプはいつも誇張して発言する点を考えないといけないが)

米朝首脳会談発言全文(東京新聞、6月13日付)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201806/CK2018061302000133.html

「(会談)はとても良かった。(われわれは)素晴らしい関係にある。大きな問題、大きなジレンマを解決するだろう。われわれは共に取り組み対処する。一緒に取り組むのが楽しみだ。(中略)(会談では)非常に前向きな進展があった。誰もが予想したよりも本当に良かった。」

 米朝会談「歴史の新章」 トランプ大統領の会見全文 ホワイトハウス公式会見録より(日本経済新聞、6月16日付)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31865230W8A610C1I00000/

記者  「金氏を信頼していますか。」
大統領 「信頼している。ここまでのやりとりは話し合いだけだったが、それなしでは実現できなかったことだ。中でも新しい交渉チームの発足が非常に重要だった。われわれのチームは素晴らしい。金氏の強い意志を私は感じる。


 6月13日付の朝鮮中央通信の記事にも明示されているが、会談では米「韓」軍事演習の中止についても話し合われ、実際に
「米高官は14日、米軍と韓国との主要な合同演習を無期限に停止したことを明らかにした」(6月15日付AFP通信)という。
 http://www.afpbb.com/articles/-/3178578
南側との協議の上、実際に行われていくであろう。
朝鮮側も「それ相応の次の段階の追加的な善意の措置を講じていく」(13日付、朝鮮中央通信)であろう。その過程でより信頼関係を積み重ね、「2.朝鮮半島で平和体制構築」に繋げていく。

これからの過程で「板門店宣言」に沿って終戦宣言が出るかもしれないが、終戦宣言はあくまでも平和体制構築までの中間地点といった位置づけで、(米朝間の信頼関係が強固になってさえいれば)そのステップを飛ばされ、南と中国まで合わせ4者により平和協定を締結されるかもしれない。

同、日本経済新聞、6月16日付

記者 もう1点。和平条約への署名は金委員長とのみ交わす予定ですか。韓国や中国も署名に加わりますか。
 トランプ氏 韓国や中国にも加わってもらいたい。法的には問題があるかもしれないが私は気にしない。中国と、もちろん韓国も加われば素晴らしい。


そうなれば、その平和協定の中身に、重要な意味を持つ相互不可侵や、朝鮮半島近辺での合同軍事演習の永久的中止といった内容が盛り込まれるであろう。在韓米軍の完全撤廃問題はその平和協定さえ効いていると朝鮮半島の平和体制には直接的な影響はないので、あとは米国と南朝鮮間での問題になり、次のステージの問題のように思う。(南朝鮮の中で在韓米軍不要論が向上していく必要があるように思う。)

「3. 板門店宣言の再確認と非核化」であるが、「1.新たな朝米関係の樹立」し、「2.朝鮮半島で平和体制構築」されることにより、「完全なる非核化」が達成されていくように思う。「完全なる非核化」とは、あくまでも入り口ではなく出口/ゴールで、時間をかけてなしてとげていくものなのだ。
※首脳会談後のポンペオ国務長官の発言によると、トランプ大統領の任期内、2021年1月までに達成したいようである。

北朝鮮非核化「大統領任期内に」ポンペオ米国務長官(日本経済新聞、6月13日付)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31739950U8A610C1MM8000/

 ちなみに何度が出ているこの「CVID」という単語について、若干触れざるを得ない。会談後のトランプ大統領の記者会見で、大統領自身がこう語っている。
記者 :「合意文にCVIDが無いですが?」
大統領:「これ以上、明確にできない。両国関係を新しくしようと宣言したし、朝鮮半島の完全な比較化が文案に込められた」


 今日深い記事がある。《자주시보》の《문정인특보,CVID는 그저 한 보좌관이 만든 말일뿐》(ムンジョンイン特報、CVIDはただ一人の補佐官が作った言葉に過ぎない)という見出しの記事だ。
 http://m.jajusibo.com/a.html?uid=40198

記事では、

 (前略)ムンジョンイン特報は、CVIDと完全な比較化は内容上大きな違いはないと主張した。「完全な」という言葉の範囲をどこまで設定するかは協商を通してしないといけないことはあるけれど、完全な非核化を為そうとすると、既に作った核武器はもちろん、製造施設も当然廃棄しないといけないので、不可逆的な非核化にならざるを得ないし…(中略)そして、ムンジョンイン特報は
「CVID」という用語は2003年12月にリビアが核廃棄をした当時、ジョン・ボルトン国務部政務担当次官のマーク・グルームブリッジという補佐官が作った用語で(すなわち、高位層で戦略的意味を含め作った概念ではなく、ただ一人の補佐官が作った用語で)そんなに大きな用語ではなかったのに…


 とある。また本当に「用語通り」の核放棄となると、核関係施設、軍事施設、科学者、科学記述まで、全て放棄ということになり、軍事情報の全開示、すなわち現実的にその国家を屈服させることでしか、不可能のように思える。朝鮮がそのようなことを望む訳ないし、そのような前提での事前交渉が行われていたら今回の首脳会談自体は開催されなかったであろう。また、「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」という用語自体が相手国に対する不信感から来る用語でしかなく、信頼関係があればまずこういう用語にはならない。先ほどの記事によれば、2003年頃から使われはじめたこの用語だが、まさに2000年代以降は米国の朝鮮に対する、不信感と敵対の真っ只中だった。
 「戦略国家」の地位に達した今の朝鮮に、不信感を漂わせ、「大国」が「小国」を屈服させるような用語は、今回の共同声明に入るわけがないであろう。

 次に、「4.遺骨返還」については実際に行われていくだろうと思う。
 南のTbsの市民放送、6月13日付で公開された《김어준의 뉴스공장》https://www.youtube.com/watch?v=G17DoqaSq4M&t=1868sの映像で、元統一部長官丁世鉉氏が興味深いことを言っている。(47分~)丁世鉉氏によると、1994年の朝米枠組み合意の後、クリントン政権時代に、この遺骨調査は事業はある程度進められたとのことで、約6000の遺骨があることが確認されているという。
また、朝鮮は、4月20日に行われた朝鮮労働党中央委員会第七期第三次全員会議で、2013年に掲げた経済建設と核武力建設を並進していく戦略的路線―並進路線の勝利を宣言、社会主義経済建設に総力を集中していくことが決定された。そのためにも今回の首脳会談と共同声明を着実に履行し、新たな朝米関係を樹立→朝鮮半島の平和体制を構築していくことが重要である。この「4,遺骨返還」を確実に履行していく過程で相互の信頼関係で積み重ねていくだろう。

 今回の歴史的な首脳会談と共同声明のもう一つ大事だなと個人的に思うのは3項目の「朝鮮民主主義人民共和国は…板門店宣言を再確認し、」の部分である。主語が朝鮮は…でとなってはあるが、これを共同声明の中に盛り込むことで、アメリカもある程度、「板門店宣言」を意識した上で動くことになることが予想されるということになる。
 アメリカからすると、去年「火星-15号」(ICBM)の完成により、朝鮮の核武力が完成した後、その「脅威」を取り除けさえすればよかったはずなので
、「朝米関係だけ」を見ればよったであろう。北南の接近や統一問題は大きな関心ごとにならなかったはずである。
 順序として朝米首脳会談の前に4.27北南首脳会談と板門店宣言、5.26北南首脳会談(この会談が、中止になりかけていた今回の会談を結果的に開催されるに至った大きな契機になったことは言うまでもないであろう)があったことが大事だった。朝鮮半島の平和体制構築、朝鮮半島の統一問題を우리 민족끼리(私たちの民族同士で)解決していくんだということを、それらの一番の妨げになってきた米国に認識させる、朝米だけではなく「北南朝鮮‐米」その枠で縛るという意味があるのではないかと考えている。

 まとまりがなく長々と書いてきたが、一朝鮮人として思うのは、今後の展望は明るい、ということだ。それは、70年の「戦時状態」、敵対関係だった、朝米関係において(また北南関係において)、信頼の芽が生まれはじめているからだ。その信頼をより強固にしながら、より関係を改善していく、それからやっていくのだから。

 確かにアメリカ国内葛藤には憂慮はある。米国民の今回の共同声明に対する評価はおおよそ50%のようだ。

 トランプ氏の北朝鮮問題対応、米国民の約半数が支持=世論調査(ロイター、6月13日付)
 https://jp.reuters.com/article/northkorea-usa-poll-idJPKBN1J93CQ

また、今回の共同声明を「条約」として批准するためには米上院の出席議員の3分の2の賛成を得る必要があるが、そこまでの実現可能性はないが、それで今回の声明が意味を持たないわけではない。トランプ大統領としても、行政合意として今回の共同声明を履行していく過程=非核化の過程を米国内に可視化していくことが、秋にある中間選挙においてプラスの影響をあることは明らかである。

今、まさに歴史的転換点にいると感じている。真の意味での東アジアの冷戦の解体の序幕にいるという認識だ。そういう意味で世界史的局面、世紀的局面だと思っている。
ただ、この歴史的瞬間に生きながら、同時に自分は何をやっているんだ/やってきたんだという自責の念にも駆られる。朝鮮民族闘争史の中で私はちゃんと闘えているのかと。本当に毎日のように激動する朝鮮半島情勢を入念にチェックしながら、何度も自問自答しながら活動していかなければならないと思う今日このごろである(洪)

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「板門店宣言」履行へ確かな前進を~南朝鮮国会批准同意と統一地方選挙

4月27日に実現された北南首脳会談は北と南、そして海外に在住する同胞の胸に統一への希望を抱かせてくれた。金正恩委員長と文在寅大統領が結んだ板門店宣言をきっかけに朝鮮半島がようやく統一へと歩みだしたかのように思われるが、実は南朝鮮では国会の批准を得ていないため、板門店宣言には法的拘束力がない。

事実、2000年の6.15、2007年の10.4宣言のどちらも国会の批准を得ることができなかった。政権交代した2008年以降、10.4宣言で約束されていた北京五輪での同時入場は白紙に帰し、朴槿恵政権時には開城工業団地の運行がストップされた。「韓」米合同軍事演習はこれまでにない規模で行われ、一時は斬首作戦と題する北の指導者の暗殺を前提とした演習が繰り広げられ、朝鮮半島情勢は大きく後退した。「失われた10年」間を振り返ると、廬武鉉政権をそばで支えた文在寅大統領の批准獲得への熱意はただものではないだろう。

[参考]板門店宣言「国会同意」受けることに(ハンギョレ新聞日本語版、4月28日付)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30425.html

国会通過の鍵を握るのが、6月13日に投開票される統一地方選挙だ。
文在寅大統領が所属するトブロ(共に)民主党(以下、民主党)は北南合意文発表の1カ月も前から国会批准同意を推し進めていく準備を進めていたが、対する最大野党の自由韓国党は批准同意に反対の立場を表明している。板門店宣言の国会通過を実現するためには本会議で在籍議員の過半数の出席に過半数の賛成が必要である。在籍議員293人のうち、賛成派の民主党、平和党、正義党の議席が141席と、残り7議席に懸かっている。

[参考]'판문점 선언' 국회비준 추진… 한국당 "안된다"(「板門店宣言」国会批准推進…韓国党「駄目だ」)(朝鮮日報、4月30日付)
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2018/04/30/2018043000159.html

しかし、今後の展望は明るい。韓国ギャラップの世論調査によると、北南首脳会談以降5月1週目の時点で文在寅大統領の支持率は83%を記録し、歴代大統領のうち最高値を達成した。北南首脳会談で得た評価を土台に、地方選挙期間に繰り広げられる与野党の政策論争中に板門店宣言の批准獲得への動きを醸成していくことが予想される。

[参考]文大統領、就任1年支持率83%…歴代大統領のうち最高値(ハンギョレ新聞日本語版、5月4日付)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30496.html

板門店宣言をめぐる議論はすでに統一地方選挙に大きく影響があるようだ。自由韓国党の京畿道支部がある場所であえて出馬した若手のイ・ヒョング民衆党議員は「6.13地方選挙では‘板門店宣言の時代にそぐわない’自由韓国党にたったの一票も投ずるべきではないと訴えることが自分の選挙運動」だと主張している。

[参考]“6.13지방선거에서 자유한국당에 단 1표도 주지 말아야 한다”(6.13地方選挙で自由韓国党にたった一票も投じてはいけない)(뉴스타워、5月22日付)
http://www.newstower.co.kr/news/articleView.html?idxno=56336

また、KBSニュースによると、広域自治体17カ所の首長選で民主党は現有の9首長から12~14首長に拡大する見通しで、世論調査機関リアルメーターが7日に発表した調査によると、民主党の支持率は52%で、保守系の最大野党・自由韓国党の18・5%を大きく引き離している。

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(写真は더뉴스코리아から引用)

6.15、10.4宣言の教訓に学び、国会通過を通して「板門店宣言」履行へ確かな前進をすることで、今回こそは統一にむけて最後まで駆け抜けていかなければならない。

明日には一方で歴史的な朝米首脳会談が開催される。6月12日、13日と目が話せない期間になりそうだ。(智)

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歴史的な第4回北南首脳会談について

 4月27に3回目となる北南首脳会談が行われ、板門店宣言が発表された。

 その後、板門店宣言履行のために5月16日に行われる予定であった北南高位級会談が中止となった。米“韓”合同空軍演習「マックスサンダー」が行われたためである。

 そのような中、5月26日に4回目となる北南首脳会談が行われた。
 
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 この会談に対する朝鮮民主主義人民共和国の公式な立場について、労働新聞では個人名で「板門店宣言の履行を推し進める歴史的事変」というタイトルの記事が6月2日付で掲載された。ここの一部を紹介したい。

(以下、引用文、訳筆者)

 「…朝鮮半島情勢が劇的な転換の局面を迎えている時に歴史の地、板門店において行われた第4次北南首脳相逢と会談は内外反統一勢力がどれだけ悪辣で周辺情勢がどのように変化しようともウリ(我が)民族同士が意と力を共にすれば北南関係改善と朝鮮半島の平和繁栄のための道を力強く歩んでいくことが出来るということを明白に示してくれた。

…今日、民族の志向と要求に沿って北南関係を発展させながら民族の和解談合と朝鮮半島平和繁栄の流れを積極的に推し進めていくために板門店宣言を徹底的に履行することが何よりも重要である。

…板門店宣言には北南関係の全面的で画期的な改善と発展を成し遂げ、朝鮮半島での軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険性を実質的に解消し、恒久的で強固な平和体制構築のための実践的な問題たちが具体的に明示されている。…分裂の障壁を越え、近い未来に必ずや祖国統一の歴史的偉業を成し遂げようとする確固たる決心がある。板門店宣言の採択こそウリ民族の分裂と対決という悲劇の歴史に終止符を打ち、平和と繁栄、統一の新たな時代を創造していく強烈な志向と意志の表れである。

歴史的な板門店宣言を履行し、北南関係の根本的な改善と朝鮮半島の平和繁栄を成し遂げるのは重大な課業である。

祖国統一運動史には北南間でどれだけ良い合意がなされ、立派な宣言が採択されたとしてもそれは履行できなければ積もり積もった不信と対立を解消できず、結局祖国統一偉業が難関と障害にぶつかるという深刻な教訓が刻まれている。
二度とこのような歴史が繰り返されてはならない。民族の志向と念願が詰まった板門店宣言を徹底的に履行し必ずや平和と繁栄、統一の明るい未来を持ってこなければならない。全民族と世界を前に約束した板門店宣言はどんな情勢波動や周辺環境にも左右されることなく北と南が主となり一貫して履行していかなければならず、互いが共に手をつなぎ宣言の履行に有利な条件と環境を主導的に作っていかなければならない。北と南は第三国を気にしたり打算をしたりすることなく板門店宣言で明かされた内容を誠実に履行し、北南関係を画期的に発展させていかなければならない。

…板門店宣言を徹底的に履行していくところに北南関係の持続的な発展及び平和と繁栄、統一がある。
北南、海外のすべての同胞たちはウリ民族同士の旗印を高くあげ、板門店宣言の履行のための闘争に一丸となって立ち向かわなければならない。


以上で言及されていることより、今回行われた第4回北南首脳会談が、板門店宣言を断固として履行していくという強烈な意思表示と捉えることができるのではないだろうか。そういう意味では宣言が履行されていくであろう明るい未来が見え、まさに歴史的と言えるだろう。

この会談が行われた後、5月16日に中止となった高位級会談が6月1日に行われる運びとなった。
高位級会談では、①14日に軍事的緊張緩和などに向けた将官級軍事会談、②18日にインドネシアで今夏開かれるアジア競技大会への共同出場などに関する体育会談③22日に北朝鮮の金剛山(クムガンサン)で離散家族再会のための赤十字会談の開催を合意した。
また、同日行われた金英哲朝鮮労働党副委員長とドナルド・トランプ米大統領の会談では、朝米首脳会談の開催が決定づけられ、朝米首脳会談時に終戦宣言に関する事案を討議する可能性があるという言及まであった。

私は、板門店宣言の徹底履行のためにウリ民族同士互いを裏切らず一丸となって闘争していこうという共和国の正式な立場を積極的に支持すると同時に来る6月12日に行われる史上初の朝米首脳会談が朝鮮半島情勢が好転する契機となることを心から願っている。(樺)

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在日朝鮮人の民族教育と自決権〜朝鮮学校「高校無償化」裁判と総連・共和国〜(下)

2.在日朝鮮人の自決権と総連・共和国

 このように今日に至るまで、在日朝鮮人の民族教育や運動において共和国やその指導者を支持、肯定すること自体が否定され、攻撃され続けてきている。2000年代以後、とりわけ平壌宣言以後、日本による共和国制裁のなかで、共和国との紐帯を問題にした朝鮮学校に対する攻撃、諸権利の侵害が一層顕在化することとなった。2003年には大学受験資格問題にて、朝鮮学校のみを別枠で大学が「個別審査」するという制度が採用され、外国人学校の中でも朝鮮学校の民族教育に焦点を絞った制度上の差別、排除が続いた。そして第一次安部政権が発足し、日本において共和国・総連バッシングが加熱するなかで、強制捜査という形で総連、朝鮮学校に対する権利侵害が横行することとなった。
 2006年当時、警察庁長官だった漆間巌氏は、「いろいろな形で北朝鮮に圧力をかけるような事件」に「大いに取り組むように、都道府県警察を督励」し、「北朝鮮に日本と交渉させる気にさせる」ために「北朝鮮が困る事件の摘発に全力を挙げる」と述べた。そして実際に、総連本部、商工会、留学同、滋賀朝鮮初中級学校など、様々な総連団体、朝鮮学校に対する強制捜査が行われた。
 こうした滋賀朝鮮初中級学校に対する強制捜査(2007年1月28日)については、日弁連からも警告書が発せられることとなった。滋賀朝鮮学校などから人権救済申立を受けた日弁連は大阪警察本部に対して、「被疑事実との関連性は必ずしも明白ではなく、差押の必要性を欠き、第三者方捜索の特別の要件も充たしていない違法なもの」であると警告したのである。そして、「この捜索差押が行われた背景には、朝鮮民主主義人民共和国政府に圧力をかけるという政治的目的の存在が疑われる」として、次のように指摘した。

朝鮮民主主義人民共和国と日本政府との間に、拉致問題、核開発問題、ミサイル発射問題などの敵対的政治状況があることを背景として、同国を支持する朝鮮総聯とその関連団体に対する敵視や反感の風潮が国内に醸成されている中で、朝鮮学校とその学童・保護者の人権が問題となっている。

日本弁護士連合会HP「朝鮮学校強制捜査人権救済申立事件(警告)」
https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/complaint/year/2010/2010_4.html

 このように日本における「北朝鮮」嫌悪、反共和国敵視政策・制裁のなかで、共和国との関係を問題にした民族教育弾圧がなされたのである。この後も同様に、朝鮮学校弾圧に対する警察力が動員され、2015年9月6日にも北海道朝鮮初中高級学校に対して強制捜査が行われた。

週間金曜日オンライン「政治的意図丸出しの北海道朝鮮学校への強制捜査――マスコミ動員し差別を助長」
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2015/10/27/%E6%94%BF%E6%B2%BB%E7%9A%84%E6%84%8F%E5%9B%B3%E4%B8%B8%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%AE%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%BC%B7%E5%88%B6%E6%8D%9C%E6%9F%BB/

 また、2006年7月以降、総務省が総連関連施設の「公益性の有無などを厳正に判断」するとして固定資産税の減免措置見直しの通達を出したことを契機として、全ての地方自治体が1972年以降認められるようになった総連関連施設に対する固定資産税減免措置を取り消した。さらに、2010年以後は「高校無償化」排除と並行して、地方自治体による朝鮮学校に対する補助金の打ち切りが相次いだ。こうした補助金打ち切り・削減は、「北朝鮮」が「不法国家」、「暴力団」であるという認識のもとで大阪府知事(当時)が補助金を打ち切ったのを嚆矢としたものであり、共和国に対する制裁、敵意を背景としたものだった。
 2016年3月29日には、文科省は朝鮮学校が所在する28都道府県に対して、「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について」という通知(いわゆる「3.29」通知)を発した。その通知にて日本政府は、「朝鮮学校に関しては、我が国政府としては、北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総聯が、その教育を重要視し、教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしているものと認識しております」として、地方自治体による補助金打ち切り・削減を示唆したのである。結果、2017年度に朝鮮学校に補助金を支給した地方自治体は12道府県にまで激減した。
 以上のように朝鮮学校に対する差別、弾圧は共和国に対する敵視政策・制裁を背景としてなされたものだった。一方、今年2月23日には、総連中央本部の門扉に5発の銃弾が撃ち込まれるというテロ事件が発生した。また、2017年9月23日には麻生太郎副総理は「北朝鮮有事」に際して共和国からの難民を「射殺」することも含め検討することを示唆する発言を行った。さらに、今年3月11日には石川県在住の有権者(日本国民)は、兵糧攻めによって共和国国民を餓死させることを教唆(2017年6月21日)した谷本正憲知事を再選し、現職知事最多となる7選を果たさせた。
 こうした状況下で尊重されるべき在日朝鮮人の権利、人権の内実とは何だろうか。それは「朝鮮学校に通う子どもたち」の学習権、教育権だけに留まらない問題である。共和国と紐帯をもつ在日朝鮮人、民族団体に対する攻撃が続くなかで問われるべきは、共和国と紐帯をもつ在日朝鮮人に対する弾圧を容認するかどうかである。朝鮮学校の教員の権利であれば踏みにじっていいわけではない。総連議長宅であれば強制捜査していいわけではない。共和国国民であれば餓死させていいわけでもなければ、総連中央本部職員であれば射殺していいわけでもないのである。
 認められるべきは共和国を支持する在日朝鮮人も含めた在日朝鮮人総体の権利である。共和国を支持し、共和国と紐帯をもつ権利こそ尊重されなければならないのである。旧宗主国に在住する朝鮮人が分断状況のなかでいかなる政治・経済体制を望み、支持するかは在日朝鮮人自身が決定する問題である。朝鮮学校の営み、民族教育の尊重と在日朝鮮人の自決権の尊重は不可分の問題として捉えられなければならない。
 日本の植民地支配からの解放後、在日朝鮮人は奪われた国、言葉、文化を取り戻すために、新朝鮮の建設に積極的に参与しようと活動を展開し、権利擁護運動や民族教育を発展させてきた。そうしたなかで各地で国語講習所が設置され、民族教育が営まれてきたのであった。
 当時、朝鮮学校を設立し、最も多くの在日朝鮮人を網羅していた在日本朝鮮人連盟(以下、朝連)は、朝鮮の独立、政府樹立を促進する諸活動を繰り広げた。解放後の在日朝鮮人の諸権利の抑圧と朝鮮の独立とを不可分の問題として捉えたためである。
 在日朝鮮人の民族教育もこうした新朝鮮建設のための活動と連関して発展した。たとえば、教員組織としてはじめて結成された在日本朝鮮人教育者同盟東京支部は結成大会(1947年6月28日)にて、「綱領」として「我々は、全国的団結を強化し、民主朝鮮建設の理念のもとで教育の充実を期する」、「我々は、在日同胞の民主的諸組織及び本国と外国の進歩的諸勢力と相互提携し、民主朝鮮建設に献身し、世界の民主化に寄与する事を期する」などと掲げた。

〈参考〉金徳龍『朝鮮学校の戦後史—1945—1972〈増補改訂版〉』(社会評論社、2004 年)

 この後朝連は、1948年の南朝鮮における単独選挙に反対し、北朝鮮人民会議が提議した8月選挙を支持し、これを中央政府の樹立として歓迎した。共和国政府の樹立を解放後三年間の独立のための朝鮮人の熱望、努力の結実と捉え、これを支持・歓迎したのである。
 しかし、共和国政府樹立直後から在日朝鮮人は共和国の国旗を掲揚することさえ超法規的に禁じられ、共和国国民としての取り扱いを受けることができず、共和国との往来も禁じられた。朝連は共和国政府樹立の一年後、強制解散させられることとなった。総連は、このように共和国支持が抑圧され、在日朝鮮人の組織・団結権さえ否定されるなか、朝鮮戦争を経て結成された民族団体であった。
 このように共和国政府の支持や共和国国民としての地位要求は、解放から現在に至るまで一貫して認められることはなかったのである。在日朝鮮人の運動によって共和国との往来が一定程度、認められるようになったのさえ1970年代に入ってからである。そうした権利さえ、現在は日本の共和国に対する独自制裁、「再入国許可」規制によって常に制限されている。
 在日朝鮮人の諸権利について考察する際、以上のように在日朝鮮人が解放後日本において一度として、共和国国民としての地位や権利が認められていないという事実こそ想起する必要がある。旧宗主国・日本からの独立、分断後にいかなる社会、政府を在日朝鮮人が支持し、紐帯を持とうとするかについて日本は干渉すべきではない。それは全的に在日朝鮮人の自決権に属する問題である。朝鮮人の独立を抑圧し続けてきた旧宗主国・日本の政府、社会が在日朝鮮人の意志決定を否定し、左右しうるという認識こそ、「植民地主義」と呼ばれるものである。
 在日朝鮮人の民族教育についても同様である。共和国を本国とした教育を望む在日朝鮮人にとって、共和国との紐帯を問題にした民族教育弾圧は、共和国を本国とした教育を受ける権利、すなわち公教育の権利に対する侵害にほかならない。たしかに民族教育弾圧の問題は、日本国憲法に規定された人格権(13条)、平等権(14条)、学習権(26条)などの人権規定からも問われるべき問題であろう。一方で、朝鮮民主主義人民共和国憲法は、第15条にて「朝鮮民主主義人民共和国は、海外に居住する朝鮮同胞の民主主義的民族権利及び国際法で公認された合法的権利及び利益を擁護する」とし、第62条2項にて「公民は、居住地に関係なく朝鮮民主主義人民共和国の保護を受ける」と規定している。共和国制裁を背景とした強制捜査、補助金打ち切り、「高校無償化」排除などは、こうした共和国憲法に規定された共和国国民としての諸権利に対する侵害という観点からも捉えられなければならないのである。
 日本社会において朝鮮学校の民族教育を在日朝鮮人の民族的アイデンティティ形成の場として支援、擁護する声がないわけではない。しかし、そこで擁護される「民族教育」とは共和国を支持、肯定することとは区別して論じられる傾向にあり、朝鮮学校・在日朝鮮人が共和国を支持することそれ自体を権利として訴える声は日本社会のなかで多くはない。在日朝鮮人の民族教育の権利が、子どもの学習権、教育権の問題として強調されることはあっても、在日朝鮮人の自決権の問題といった視角から論じられることはほとんどないのである。
 民族教育弾圧の問題は、在日朝鮮人の自決権の問題と表裏一体である。共和国を支持し紐帯を持つことを認めるか、在日朝鮮人の自決権を認めるか。それこそが日本社会で問われるべきことである。日本国が百年以上、一度として認めてこなかったことである。
 愛知・「高校無償化」裁判闘争は、在日朝鮮人と総連、「祖国」・共和国との関係性、歴史性を真正面から問うてきた。にもかかわらず、名古屋地裁判決がそうした問いに応えることなく、自らの固定観念に基づいた判断を下したことは残念でならない。
 日本社会、政府、司法は在日朝鮮人の民族教育を保障すべきである。民族教育権を侵害すべきではない。共和国国民を殺してはならない。共和国やその指導者を支持、肯定することを抑圧すべきでない。在日朝鮮人の組織・団結権を尊重すべきである。在日朝鮮人弾圧、共和国に対する独自制裁を止め、在日朝鮮人の自決権を認めるべきである。(誠)

kyouiku


(了)

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日本の歪んだ”北朝鮮”報道を問う-新たな平和統一時代のなかで

歴史的な4.27北南首脳会談を迎え、朝鮮半島の平和と統一へと向かう気運がこれまでになく高まっている。北南両首脳は分断70年を象徴する軍事境界線を手を取り合って行き来し、朝鮮半島の平和と統一に向かって進むことを固く宣言した。

*参考記事
[朝鮮新報]“志と力、知恵を合わせ前進しよう”/北南首脳の共同会見
http://chosonsinbo.com/jp/2018/04/yr20180430-3/

 歴史的転換点となった4月27日は我々在日同胞も各地で集い、新たな時代の幕開けに大いに湧いた。
 一方で、歪んだ“北朝鮮”像をばら撒く日本政府やメディアの在り方は相変わらず健在だ。北南首脳会談翌日も、大手新聞各社の見出しには反”北朝鮮”を滲ませるものが目立った。笑顔で対話する両首脳や板門店宣言の内容を懐疑的に捉え、日本は”北”への圧力を緩めるべきでないと強調した。今年2月の平昌五輪開催時、「平和ムードの演出」「北の思惑」といった言葉をしきりに並べ、北南の交流と融和に水を差し続けた風潮となんら変わっていない。このような日本による対”北朝鮮”報道の問題点について述べたい。

 一つは、昨今の「朝鮮半島の非核化」実現をめぐる報道である。非核化に向けた各国の具体的な動きに注目が集まるなか、「北朝鮮が本当に核を手放すかどうか」に焦点を当てた言論が目立つ。各報道機関は朝米基本合意(1994年)と六者協議声明(2005年)の破綻などを挙げ、「北朝鮮は何度も裏切ってきた」という論調で朝鮮への不信感を国民に抱かせる発言・報道を繰り返している。

*参考記事
[日本経済新聞] 3月6日付 「北朝鮮の非核化 裏切りの歴史」
https://goo.gl/CGwpJY

[東京新聞] 4月28日付「社説 南北首脳会談 非核化宣言を行動へ」
https://goo.gl/7r93Rv

(文中引用)
 …首脳会談後に発表された「板門店宣言」を見ると、不十分な点もある。会談の最大の焦点だった「非核化」については、「完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した」という表現になった。…北朝鮮は自国だけの非核化を、拒否しているとも受け取れる。

 しかし、当然ながら「朝鮮半島の非核化」問題は朝鮮の核放棄だけを指すのではない。金正恩国務委員長は5月7日、習近平主席との会談で、関連各国が対朝鮮敵視政策と安全への脅威を止めれば、朝鮮が核を保有する必要はなく非核化も可能だと改めて述べた。朝鮮が核を廃棄するには、米国が朝鮮への敵視政策を中止し侵攻しないことが保証されなければならない。したがって政府やメディアは「朝鮮半島の非核化」問題を取り上げるならば、「”北朝鮮”が約束通り核を捨てるか」という観点からのみ追及するのではなく、米国が朝鮮半島を侵略せず平和を担保するためどのように働きかけるか(=平和協定締結や朝米国交正常化に尽力するかどうか)についてもっと着目しなければならないはずだ。しかし、そのような視点が欠けているばかりか、そもそも朝鮮が核開発を進めざるを得なかった背景について言及するメディアすらほとんど無い。「朝鮮半島の非核化」問題を考えるにあたり、朝鮮戦争期からはじまった朝米間の核をめぐる経緯がどのようなものであったか今一度正確に紐解いていく必要があるだろう。

*参考記事
[朝鮮新報] 合意を反故にしてきたのは米国/朝米合意、破たんした経緯
http://chosonsinbo.com/jp/2018/04/17suk-9/

 もう一つの問題点は、昨今の”北朝鮮”報道には、過去に朝鮮を植民地支配し民族分断の苦しみを強いた当事者としての日本の責任・視点が全く抜け落ちているという点だ。4.27首脳会談翌日の産経新聞から象徴的な文を引用する。

「満面の笑みで向き合う両氏の姿には違和感を覚えた。同じ朝鮮民族として、「分断」を終わらせたいとの思いはあるのだろう。」(『産経新聞』2018.4.28 朝刊)

 この文章からは、民族分断を招いた日本としての立場-当事者性は到底感じられない。
言うまでもなく、日本はかつて朝鮮を植民地支配した。1945年の「解放」後、日本軍の武装解除のため進駐した米ソによって朝鮮は分割占領された。周知の通り、米軍は朝鮮独立国家樹立の萌芽としての朝鮮人民共和国や実質的な自治機構であった人民委員会を南側地域では一切認めず、朝鮮総督府の機能・官僚制を維持、植民地支配残滓勢力と結託して占領していく。朝鮮分断の遠因は日本による植民地政策にあり、日本は決して無関係などではない。このような日本の歴史的責任-立場性が抜け落ちた報道がしばしばされるのは、過去の植民地政策など、朝鮮半島を取り巻く歴史認識が歪められているためであろう。本来なら、日本は朝鮮への植民地支配の過去を精算し、また朝鮮分断の歴史的責任を背負う国として、北南が分断を乗り越え平和へ向かおうとしている情勢を積極的に後押しすべきだ。

 また、偏った”北朝鮮”報道が、日本で生きる朝鮮人への差別や偏見に容易に繋がっていくということも、政府や報道機関は深く考慮するべきである。去る2月23日に起きた朝鮮総聯中央本部への銃撃事件の犯人は、「北朝鮮のミサイル発射が許せなかった」と供述しており、マスコミによる連日の”北朝鮮”報道に触発されたことが見て取れる。在日朝鮮人への迫害を当然視する社会の醸成を、メディアが後押しするようなことは断じてあってはならない。
 ちなみに、インターネット上では昨今の差別的”北朝鮮”報道を反対するキャンペーンが実施されているので、紹介しておきたい。
 [朝鮮民主主義人民共和国に関する公正で客観的な報道を求めます]
 https://goo.gl/bnWTRp

 昨年から、安倍政権は朝鮮半島危機を過剰に煽り、「国難」を叫ぶことで政権浮揚を図ってきた。その過程でメディアは政権にとって都合の良い”北朝鮮”宣伝に従事してきたと言わざるを得ない。ステレオタイプの”北朝鮮”像を掲げ、自国の植民地支配責任は棚に上げて「圧力」「制裁」「拉致」を叫び続ける日本政府は、日々激動する朝鮮半島情勢を巡る外交レースから完全に置きざりの印象を受ける。

*参考記事
[朝鮮新報]「拉致」持ちだす日本、「愚かな醜態」/朝鮮中央通信論評
http://chosonsinbo.com/jp/2018/05/yr20180514-4/

 (文中引用)
 論評は日本が朝鮮半島の情勢発展に逆行し、「拉致問題」を世論化する背景には、朝鮮半島をめぐる国際政治に参加できずにいる哀れな境遇から脱し、他国の「同情」を呼び起こし、過去精算を回避しようとする意図があると指摘。「一寸先も見通せない愚鈍な政治視野によって自ら疎外を招いているのが安倍政権である」とし、「過去清算だけが日本の未来を保障する」と断言した。
 
 政権腐敗ぶりが露呈している今、改めてメディアの担う役割、在り方が問われているのではなかろうか。

 4月27日、両首脳が軍事境界線を越えたとき、分断の象徴であった板門店は平和の象徴として皆の目に映った。民族の尊厳回復と平和統一を求める我々の心を踏みにじり、また在日朝鮮人を脅威にさらす”北朝鮮”報道は、決して見過ごすことはできない。このような状況のなか沈黙せず声を上げていくことは、日本で生きる朝鮮人としての重要な役目だ。(和)

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在日朝鮮人の民族教育と自決権〜朝鮮学校「高校無償化」裁判と総連・共和国〜(上)

さる4月27日、愛知朝鮮中高級学校の生徒、卒業生たちが提起した「朝鮮高校生就学支援金不支給違憲損害賠償請求訴訟」(2013年1月24日提訴)について名古屋地方裁判所は、原告の請求を全て棄却する判決を下した。広島(2017年7月19日)、大阪(同年7月28日)、東京(同年9月13日)に次ぐ4番目の地裁判決だった。北南首脳会談が開催され、「板門店宣言」が発表されたその日、名古屋地裁前や報告集会会場では、在日朝鮮人たちの怒号が溢れた。

[朝鮮新報]〈愛知無償化裁判〉行政の差別を追認/“ありえない恥ずべき判決”
http://chosonsinbo.com/jp/2018/04/rp201804301/

 この愛知の地裁判決の特徴は、同様に原告側敗訴となった広島、東京地裁判決とも異なり、国側が主張する「不当な支配」(教育基本法第16条1項)の内実として、朝鮮学校の教育内容について具体的に言及し、総連・共和国による「不当な支配」の可能性(「合理的疑念」)を認定している点にある。国側の主張を追認するのみならず、司法が朝鮮学校の民族教育の内容にまで評価・価値判断を下し、総連・共和国に対する偏見を露わにしている点で悪質なものだったといえる。
 こうした「高校無償化」裁判をめぐる議論において常に焦点となるのは、朝鮮学校の民族教育と総連・共和国とのかかわりについてである。以下では、(一)愛知「高校無償化」裁判地裁判決の特徴について整理、検討し、(二)在日朝鮮人、朝鮮学校と総連、共和国とのかかわりについて在日朝鮮人の自決権といった観点から考察してみたい。

1.愛知「高校無償化」裁判地裁判決の特徴

 まず名古屋地裁判決の特徴について、判決要旨を中心に検討してみたい。
 第一に、この判決は指定規程13条に適合すると認めるに至らなかったことを理由に挙げた不指定処分に対する追認ありきのものである。愛知の地裁判決は、広島、東京地裁判決とは異なり、不指定処分が政治外交上の理由に基づくものであるという原告側の主張に対して、「〔不指定処分の背景には〕朝鮮高校を支給対象校とすることが拉致問題との関係で相当ではないという考えもあったと認めるのが相当である」とし、「拉致問題は、愛知朝鮮高校を支給対象校とすべきか否かの指定要件と無関係の事項であるから、これが不指定の理由とならないことは原告らの主張のとおりである」と認めている。
 しかし、「本件申請が指定要件に適合しなかった以上、文部科学大臣としてはいずれにせよ不指定処分をせざるを得ない」のであり、「拉致問題との関係でも指定は相当ではないとの考えを有していたとしても、それにより不指定処分が違法になるとはいえない」と判示した。下村博文文科大臣(当時)による2012年12月28日記者会見などからも確かめられるように、「拉致問題」などの政治外交上の理由に基づく朝鮮学校排除が結論としてあり、不指定処分の理由付けのために指定規程13条適合性を文科省が持ち出したことは明らかだ。判決はこうした明白な経緯、事実関係を等閑視し、規程13条に適合すると認めるに至らなかったから不指定処分にせざるをえなかったとする国側の主張を追認しているのである。
 こうした判決の立場は、不指定通知の理由提示をめぐって、行政手続法8条(行政処分の理由提示義務)違反と国家賠償請求に関する判断においても同様に確かめられる。2013年2月20日付で朝鮮高級学校10校に通知された不指定通知では、不指定処分の理由として、(一)規定ハを削除したこと、(二)指定規程13条に適合すると認めるに至らなかったこと(加えて愛知は、教員数に関する形式上の問題)が挙げられているのみでなんら具体的な理由は提示されていなかった。
 このことについて判決は、「単に要件適合性が認められない条項が本件規程13条であることを指摘するのみでは、いかなる事実関係に基づき、いかなる法令違反の疑いを認定して本件不指定処分がされたのかを、通知書自体から了知することはできないから、行政手続法8条1項の求める理由提示としては不十分である」と指摘した。広島判決が「処分要件の適合性については、申請者側において明らかにすべきもの」であり、「〔不指定処分の理由は〕原告法人において了知できた」とだけ言及したこととは異なり、名古屋地裁は不指定通知が「理由提示として十分でないといわざるを得ない」と指摘したのである。
 しかし、(一)理由提示の違法性は原告ではなく愛知朝鮮学園との関係における手続き上の瑕疵であること、(二)愛知朝鮮学園及び原告は審査会の審査経過や文部科学省からの確認内容を通じ、不指定処分の理由を事実上認識し得たことを挙げ、「不指定処分の理由提示が不十分であったことにより、原告らの法的保護に値する権利侵害が侵害されたとまでは認められず、国家賠償請求は認められない」と判示した。不指定処分における理由提示の不十分さを認めつつ、国家賠償請求の理由としては認められないと判断したのである。
 第二に、施行規則1条1項2号ハ規定削除の違法性に対する判断回避である。国側は不指定処分の理由の一つにハ規定削除そのものを理由に挙げていた。また国側のいう指定規程13条適合性について、2013年度以降に仮に確証が得られるようになったとしても根拠省令の削除によって朝鮮学校は指定を受けることができないのだから、当然ハ規定削除自体の違法性についても判決において検討されなければならなかったはずである。
 しかし判決は、「本件省令ハの削除が仮に違法であったとしても、本件不指定処分の実体的違法性を基礎付けることにはなら」ないとして、ハ規定削除の違法性に関する判断をする必要がないことを示唆した。愛知の地裁判決は広島、東京判決よりもさらに踏み込んで、「〔原告たちの在学中に〕愛知朝鮮高校と朝鮮総聯の関係が劇的に変化し、愛知朝鮮高校が朝鮮総聯から「不当な支配」を受けているとの合理的疑いを文部科学大臣が抱かない可能性が相当程度あったと認めることは困難である」とまで言及した。そして、「本件省令ハの削除の違法性について判断するまでもなく、本件省令ハの削除により、原告らの就学支援金に関する法的利益が侵害されたとは認められない」と判示した。ハ規定削除の違法性を糊塗するために、将来的にも13条に適合すると認めるに至る可能性はなかったとすることで、その違法性判断を回避したものといえる。
 そして最後に、最も深刻な点として、朝鮮学校の教育内容と「不当な支配」に関する判決の価値判断についてである。愛知の地裁判決は、広島、東京判決が正当化した「授業料に係わる債権に充当されないこと」への「懸念」とは別に、朝鮮学校の教育内容について具体的に言及し、「不当な支配」の「合理的疑念」を認定した。
 判決はまず、教育基本法第16条1項が禁じている「不当な支配」について、「「不当な支配」の主体には朝鮮総聯や北朝鮮も含まれ得る」として、「一部の社会的勢力が教育に不当に介入することにより、党派的な政治的観念や利害によって支配されるべきものではない教育が、その本来の目的に従って行われることをゆがめられるような支配をいうと解するのが相当である」と指摘した。
 その上で、①総連などの介入によって「理事会・評議員会による学園運営が自律的に行われていないのはないかという合理的疑念が存在する」こと、②朝鮮学校の教育内容について、「北朝鮮の政治指導者を個人崇拝し、その考えや言葉を絶対視するような内容のものとなっていると合理的に疑わせる事情が存在した」ことを挙げ、指定規程13条に適合すると認めるに至らないことを理由とした文科大臣の不指定処分に裁量権を逸脱・乱用した違法があるとは認められないと判断した。
 この判決の特徴として特筆すべきは、②の朝鮮学校の教育内容について具体的に言及し、朝鮮学校が共和国やその指導者を支持・肯定することを「不当な支配」が疑われる事情として認定した点にある。判決は、「在日外国人団体が外国本国ないし在日民族団体から教育内容について影響を受けること自体は一般的にもあり得ること」としつつ、朝鮮学校の教科書について、「その中には北朝鮮の最高指導者を絶対視し、これを賛美・礼賛する表現が多数見られ」、「一方的に偏った観念を植え付ける教育なのではないかとの疑いを抱かせるものであったこと」を指摘した。
 さらに判決は、「北朝鮮の政策を高く奉じ、朝鮮総聯の綱領を固守することを任務」としている朝青との関係や、総連の指導を問題に挙げた。その上で、教育基本法16条が「教育の中立性・不偏不党性」を求めているとし、「「不当な支配」の有無を判断するに当たって、教育内容が一切判断材料にならないとは考えられない」と指摘した。そして、「北朝鮮の最高指導者を絶対的なものとして崇拝する教育が行われているとの合理的疑念がある」として、「不当な支配」の「合理的疑念」を認定したのである。こうした判断は、朝鮮学校が共和国(とその指導者)を支持し、その立場から教育を行うことそれ自体を、「不当な支配」が疑われる事情として断定したという点で、裁判官の偏見が表出したものだといえる。裁判官は、日本の教育は「中立性・不偏不党性」があり、共和国の指導者を肯定的に評価し、教育することは「不当な支配」に繋がりうるという自らの価値観を判決文において披瀝したのである。
 こうした判決のさらなる問題点は、朝鮮学校の民族教育と共和国(とその指導者)を支持することとを区別し、後者を「不当な支配」と関連づけ、論じていることである。判決は、「生徒や父兄の多くは在日朝鮮人同胞と民族教育が受けられる点を重視して朝鮮高校を進学先に選択していることが認められる」としつつ、「民族教育の価値を尊重すべきことと、「不当な支配」が疑われることは別個の問題として考えざるを得ない」と指摘した。そして、「〔文科大臣の認定判断の裁量が〕比較的狭いことを考慮しても、裁量権を逸脱・乱用した違法があるとは認められない」と判示した。「民族教育」とは、共和国の指導者、「北朝鮮の政策」を支持することとは分離されるべきだという裁判官の価値判断が反映されているのである。
 こうした判断は、不指定処分の取り消し・指定の義務づけを認めた大阪地裁の判決とは極めて対照的である。大阪地裁判決は、「朝鮮高級学校が朝鮮語による授業を行い、北朝鮮の視座から歴史的・社会的・地理的事象を教えるとともに北朝鮮を建国し現在まで統治してきた北朝鮮の指導者や北朝鮮の国歌理念を肯定的に評価することも、朝鮮高級学校の上記教育目的それ自体には沿うもの」として、大阪学園側の主張を受け入れた。また、朝鮮学校と総連との関係性について次のように指摘した。

朝鮮総聯は、第二次世界大戦後の我が国における在日朝鮮人の自主的民族教育が様々な困難に遭遇する中、在日朝鮮人の民族教育の実施を目的の1つとして結成され、朝鮮学校の建設や学校認可手続などを進めてきたのであり、朝鮮学校は、朝鮮総聯の協力の下、自主的民族教育施設として発展してきたということができる〔中略〕、このような歴史的事情等に照らせば、朝鮮総聯が朝鮮学校の教育活動又は学校運営に何らかの関わりを有するとしても、両者の関係が我が国における在日朝鮮人の民族教育の維持発展を目的とした協力関係である可能性は否定できず、両者の関係が適正を欠くものと直ちに推認することはできない。〔中略〕朝鮮高級学校において北朝鮮の指導者に敬愛の念を抱き北朝鮮の国家理念を賛美する内容の教育が行われており、この教育に朝鮮総聯が一定程度関与している事実をもって本件特段の事情〔債権の確実な充当にあてられないという懸念、「不当な支配」を受けているとの疑念を生じさせる事情〕があるということはできない。

 以上のような大阪地裁判決からも愛知の地裁判決の問題点は明らかである。愛知の地裁判決は、共和国(とその指導者)を支持することそれ自体が、「一方的に偏った観念を植えつける」ものだという判断に基づいているのである(大阪判決は、「北朝鮮の指導者に敬愛の念を抱き北朝鮮の国家理念を賛美する内容の教育」それ自体をもって、「不当な支配」の「合理的疑念」を認定できないと判断している)。上述した愛知の判決こそが、「偏った観念」、偏見に満ちたものだといえる。
 名古屋地裁判決は民族教育の意義、朝鮮学校の営みを真っ向から踏みつけ、ねじ曲げたものである。判決は、「在日朝鮮人である原告らにとって、同胞が共に学ぶ朝鮮高校において民族教育を受け、自己の民族的アイデンティティを確立することが、その人格形成に当たって極めて重要なものであることは十分首肯し得る」と指摘した。さらに、「本件不指定処分が学校選択の自由に間接的に影響を与える側面を有することも否定できない」とし、「朝鮮語を公式言語とする学校が朝鮮高校以外に存在しないとすれば、朝鮮高校が不指定処分を受けた場合に、これに代替する学校が見つけることが困難であることも理解できる」とした上で、次のように主張した。

しかしながら、本件不指定処分の法的効果は、愛知朝鮮高校で学ぶ生徒に年額11万8800円の就学支援金の受給資格が認められないというものにとどまり、愛知朝鮮高校において民族教育を行う自由を法的に規制する効果を伴うものでも、原告らが愛知朝鮮高校にて学ぶ自由を法的に規制する効果を伴うものでもない。〔中略〕また、本件省令ハの削除が、朝鮮高校生に対する差別意識に基づいて行われたものであるとか、朝鮮高校生に対する差別感情を助長させる効果を有するものである場合には、就学支援金に関する法的利益とは別に、原告らの人格権を独立して侵害する可能性があるが、〔中略〕本件省令ハの削除が、このような目的・効果を有するものであると認めることはできない。

 判決は、無償化制度から適用が除外されたとしても、年11万8800円の就学支援金が受給できないものに留まり、民族教育が法的に規制されるわけでもないと言い切った。そして、ハ規定削除は朝鮮学校生徒に対する差別感情を助長させる効果さえも存在しないと断じたのである。朝鮮学校・在日朝鮮人に対する差別、抑圧政策に加担し、助長する醜悪な判決だと言わざるをえない。
(誠) (下に続く)

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済州島4.3人民蜂起から70年。動き出す朝鮮半島と回復される歴史。

 済州島で島民の1/3が虐殺されて70年が経った。「済州島人民蜂起」には正確な名前さえついていないのが現状だ。“事件”か“抗争”か。その議論が今もまだ「理念」の中で行われているのが現実だ。

 ※参考記事
  [ハンギョレ新聞]「済州4.3は“”〇〇“だ・・・正しい名前をつけるべき」
   http://japan.hani.co.kr/arti/politics/28727.html

 本記事では済州島で1948年4月3日以降に起きた一連の出来事を総称して、「済州島4.3人民蜂起」と仮称することにする。

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 1945年に大日本帝国からの植民地支配解放を迎えた朝鮮半島には、左翼活動家を圧倒的に支持する基盤があった。植民地支配当時から国内で民衆のために闘い続けてきた左翼活動家達たちに支持が集まるのは当然のことであった。
 東欧のみならずアジアにおいても共産主義勢力が力を持つ一方、朝鮮半島内において左翼勢力が大きく力を持つ情勢は、米国にとってとても都合の悪いものであった。米国にとっては、日本、そして朝鮮半島をなんとか「反共の防波堤」とする必要があった。
 米ソ共同委員会による南北分割信託統治案(モスクワ協定)によって南朝鮮を米国が後見する前から米国が南朝鮮地域を占領していた。米国は南側の左翼支持勢力をいかに潰していくのかに注力する過程で、モスクワ協定にのっとった米ソ共同委員会さえも頓挫させていく。そして、米国の息のかかった国連総会に朝鮮半島南地域だけでの単独選挙案を提出、可決させる。そして、1948年5月10日、朝鮮半島の南側だけで単独選挙を行うにいたる(選挙の「結果」を受け、1948年8月15日に大韓民国を建国させ、反共で親米の李承晩を初代大統領とした)。

 単独選挙反対闘争は南朝鮮地域の各地で繰り広げられた。特に全民衆的な闘争が繰り広げられたのが済州島だった。
それ以前の1947年3月1日に済州島内で南北統一された自主的な独立国家の樹立を訴えデモをしていた民衆に警察が発砲し、6名の島民が殺害される事件が起こった(3.1節示威発砲事件)。
 この事件を契機に米軍政は済州島民の闘いに対する弾圧に乗り出す。朝鮮半島本土から、警察とか西北青年団などの右翼青年団なども派遣し、徹底的に弾圧にあたらせた。
 1948年5月に南の単独選挙の実施が発表される前の4月3日に済州島で全島民的な武装蜂起が起こった。これが済州島4.3人民蜂起である。結果として、粘り強い民衆達の闘争によって済州島での選挙は行われなかった。しかし人民蜂起は米軍政側の圧倒的な武力によって虐殺・鎮圧されていく。この一連の事件は1948年8月15日に大韓民国が建国した後にも続き、最終的には島民の1/3が行方不明・殺害された。

 この済州島4.3人民蜂起の真実が明るみに出たのは、驚くべきことに21世紀に入ってからだ。約50年間にわたって韓国国内ではタブー扱いにされ、放置されていた。それまで韓国政府は真相究明も被害者補償も行わなかった。被害者遺族がどれほどの悲しみと悔やまれない想いを積み重ねてきた50年だったのかは想像を絶する。
 2000年代に入り、革新勢力の金大中・盧武鉉政権期にやっと真相の究明と補償が始まった。しかし、その後の保守政権である李明博・朴槿恵政権期に入ると、謝罪と補償はおろか真相の究明の滞るようになり、済州島で声を上げて闘った民衆が再び「暴徒」と貶められることまで起こった。

 そもそも、なぜ済州島4.3人民蜂起が韓国国内でタブー化されていたのか?それを解明することは大韓民国建国時、そして現在も南朝鮮国内が抱えている歴史的矛盾と向き合うことになるからだろう。
 済州島の民衆達は自主的な統一国家建国を望んでいたが故に殺された。では誰が一体彼ら・彼女を殺したのか。それは朝鮮民衆による自主的国家樹立を望んでいない勢力だろう。
 そのような勢力の中でも最も罪が重いのは米国だ。米軍政は済州島民衆を徹底的に虐殺した。自国の利益のために朝鮮半島を分断し、数えきれない朝鮮民衆を殺してきた。肉体的な死と同様に、精神的・思想的な死を強要してきた。
 済州島4.3人民蜂起とは朝鮮半島分断に際して起こった朝鮮民族史最大の虐殺事件だ。これだけで朝鮮半島が分断していることの不正常さを言い表すのに十分だろう。

 ところで今も韓国内には在韓米軍が存在する。在韓米軍は韓国国内に抱え込まされた」「爆弾」だ。
 現在この記事を書いている4月15日には米英仏の3カ国がシリアへの攻撃を始めた。理由さえあれば積極的に攻撃を躊躇わない他国の武力が朝鮮半島内にあることは許すことはできない。「第二の済州島4,3人民蜂起」を二度と起こしてはならない。

 文在寅大統領は済州島4.3人民蜂起の真相究明と完全な解決に向けて被害者遺族と約束した。

 ※参考記事
  [朝鮮新報]「完全な解決」に向けて/済州島4.3事件から70年
   http://chosonsinbo.com/jp/2018/04/11suk-10/

 4月27日には3度目となる北南首脳会談が行われ、歴史的な「板門店宣言」が発表された。北と南との関係が統一に向かえば、必ず「済州島4.3人民蜂起」を初めとした過去の様々な問題の真相が究明され、解決されるはずだ。なぜなら済州島で立ち上がった民衆は皆、自主的な統一朝鮮を目指し倒れていったからだ。朝鮮半島の分断によって生じたあらゆる問題は朝鮮半島の統一によって回復されなければならないし、回復することができる。その日が来るのはもうすぐそこだ。(秀)

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日本という国の「表」と「裏」~「裏」では「軍国主義化」が着々と

 最近、森友・加計問題でニュースが持ちきりである。
 今月14日には、国会議事堂前で3万人のデモまで行われた。

 [毎日新聞] 安倍政権退陣迫る 森友・加計問題で3万人
  https://mainichi.jp/articles/20180415/k00/00m/010/032000c

 そのような中、安倍晋三政権は先月27日に水陸機動団を創設した。
 日本版の海兵隊である日本陸上自衛隊の水陸機動団の発足式が、今月7日に長崎県佐世保市の相浦(あいのうら)駐屯地で行われ、初の公開訓練が実施されたようだ。
 行われた公開演習では、水陸機動団の隊員がヘリや水陸両用車「AAV7」からの上陸作戦を行ったという。

 [ハンギョレ新聞] “日本版海兵隊”姿を現わす
  http://japan.hani.co.kr/arti/international/30242.html

 この水陸起動団の主な目的は、尖閣諸島など離島の敵国からの防衛に備えることにあるという。しかし、「AAV7」は、多くの侵略的作戦でのみ用いられてきており、水陸機動団が自衛よりも攻勢に適していることは明らかである。

 本当にこの団の発足の真の目的がそこにあるのだろうか?

 以下の記事の末文を引用したい。

 [Sputnik News] 日本版海兵隊の上陸先は?
  https://jp.sputniknews.com/opinion/201804134778881/

(記事より)
 「「日本は日米安保で米国とつながっている。そのため日本は米国が開戦するかもしれないあらゆる紛争に、後部基地ではなく、本格的な同盟国として参戦する可能性がある。また、自らが係争地の件で紛争を触発するかもしれない。さらに、日本は北朝鮮に反感を持つよう国民を常に調整しており、北朝鮮に対する米国の侵略に容易に参戦する可能性もある。」
このように、日本版海兵隊を発足することで、日本は外交政策の手札に軍事力を戻す方向に大きく動いた。」

 「尖閣諸島など離島の敵国からの防衛」というのは、建前(表)で、その裏には日本を再び「軍国主義化」するという目的があるのではないだろうか。

 今、安倍政権は森友・加計問題でまさに窮地に立っている。
 しかし、その裏で着々と日本の「軍国主義化」は続いている。
 私たちは表に見えることの裏で着々と進んでいる日本の「軍国主義化」について今まで以上に目を凝らし、注意深くその動向を見定めなくてはならないのではないだろうか。

 今月14日、国会議事堂前でのデモと同日に、米がシリアへの攻撃を行った。

 [毎日新聞]トランプ米大統領 シリアへの攻撃を命令と発表
  https://mainichi.jp/articles/20180414/k00/00e/030/227000c

 安倍政権はこれを支持した。

 [毎日新聞]安倍首相「米英仏の決意支持」
  https://mainichi.jp/articles/20180415/k00/00m/010/073000c

 上記記事には、安倍(首相)が、「軍事的な行動については『これ以上の事態の悪化を防ぐための措置と理解している』」と述べたとある。
 しかし、攻撃した時点でシリアでの化学兵器使用はまだ確定的ではなかったはずだ。

 [福井新聞] シリアで化学兵器調査開始へOPCW
  http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/318090

 極めつけはこれだ。(毎日新聞 安倍首相「米英仏の決意支持」参照)

(安倍首相)「強固な日米同盟の下、国際社会と連携、協力しながら、地域の平和と安定の維持のために日本が果たすべき役割を果たしていく」

 私たちは、日本政府の、安倍政権の行っていることを、「表」も「裏」もしっかりと凝視しなければならない。(樺)
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歴史的北南首脳会談、そして「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」

 4月27日、板門店の南側地域「自由の家」にて歴史的北南首脳会談が行われ、「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言(以下、板門店宣言)」が発表された。

 この「板門店宣言」は、民族の平和、自主統一のために北と南が共同で努力していくことを確認し、北南共同連絡事務所の設置、年内に平和協定を締結するための三者または四者会談の開催を推進すること、今秋に文在寅大統領が平壌を訪問することなどを確認した。

 在日本朝鮮留学生同盟は今回の北南首脳会談、そして「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」を熱烈に支持、歓迎する。

 以下、「板門店宣言」の全文を掲載する。

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《조선반도의 평화와 번영,통일을 위한 판문점선언》

 조선민주주의인민공화국 김정은국무위원장과 대한민국 문재인대통령은 평화와 번영,통일을 념원하는 온 겨레의 한결같은 지향을 담아 조선반도에서 력사적인 전환이 일어나고있는 뜻깊은 시기에 2018년 4월 27일 판문점 《평화의 집》에서 북남수뇌회담을 진행하였다.

 북남수뇌들은 조선반도에 더이상 전쟁은 없을것이며 새로운 평화의 시대가 열리였음을 8천만 우리 겨레와 전세계에 엄숙히 천명하였다.

 북남수뇌들은 랭전의 산물인 오랜 분단과 대결을 하루빨리 종식시키고 민족적화해와 평화번영의 새로운 시대를 과감하게 열어나가며 북남관계를 보다 적극적으로 개선하고 발전시켜나가야 한다는 확고한 의지를 담아 력사의 땅 판문점에서 다음과 같이 선언하였다.

1. 북과 남은 북남관계의 전면적이며 획기적인 개선과 발전을 이룩함으로써 끊어진 민족의 혈맥을 잇고 공동번영과 자주통일의 미래를 앞당겨나갈것이다.

 북남관계를 개선하고 발전시키는것은 온 겨레의 한결같은 소망이며 더이상 미룰수 없는 시대의 절박한 요구이다.

① 북과 남은 우리 민족의 운명은 우리스스로 결정한다는 민족자주의 원칙을 확인하였으며 이미 채택된 북남선언들과 모든 합의들을 철저히 리행함으로써 관계개선과 발전의 전환적국면을 열어나가기로 하였다.

② 북과 남은 고위급회담을 비롯한 각 분야의 대화와 협상을 빠른 시일안에 개최하여 수뇌회담에서 합의된 문제들을 실천하기 위한 적극적인 대책을 세워나가기로 하였다.

③ 북과 남은 당국간 협의를 긴밀히 하고 민간교류와 협력을 원만히 보장하기 위하여 쌍방당국자가 상주하는 북남공동련락사무소를 개성지역에 설치하기로 하였다.

④ 북과 남은 민족적화해와 단합의 분위기를 고조시켜나가기 위하여 각계각층의 다방면적인 협력과 교류,래왕과 접촉을 활성화하기로 하였다.

 안으로는 6.15를 비롯하여 북과 남에 다같이 의의가 있는 날들을 계기로 당국과 의회,정당,지방자치단체,민간단체 등 각계각층이 참가하는 민족공동행사를 적극 추진하여 화해와 협력의 분위기를 고조시키며 밖으로는 2018년 아시아경기대회를 비롯한 국제경기들에 공동으로 진출하여 민족의 슬기와 재능,단합된 모습을 전세계에 과시하기로 하였다.

⑤ 북과 남은 민족분렬로 산생된 인도적문제를 시급히 해결하기 위하여 노력하며 북남적십자회담을 개최하여 흩어진 가족,친척상봉을 비롯한 제반 문제들을 협의해결해나가기로 하였다.

 당면하여 오는 8.15를 계기로 흩어진 가족,친척상봉을 진행하기로 하였다.

⑥ 북과 남은 민족경제의 균형적발전과 공동번영을 이룩하기 위하여 10.4선언에서 합의된 사업들을 적극 추진해나가며 1차적으로 동,서해선철도와 도로들을 련결하고 현대화하여 활용하기 위한 실천적대책들을 취해나가기로 하였다.

2. 북과 남은 조선반도에서 첨예한 군사적긴장상태를 완화하고 전쟁위험을 실질적으로 해소하기 위하여 공동으로 노력해나갈것이다.

 조선반도의 군사적긴장상태를 완화하고 전쟁위험을 해소하는것은 민족의 운명과 관련되는 매우 중대한 문제이며 우리 겨레의 평화롭고 안정된 삶을 보장하기 위한 관건적인 문제이다.

① 북과 남은 지상과 해상,공중을 비롯한 모든 공간에서 군사적긴장과 충돌의 근원으로 되는 상대방에 대한 일체의 적대행위를 전면중지하기로 하였다.

 당면하여 5월 1일부터 군사분계선일대에서 확성기방송과 삐라살포를 비롯한 모든 적대행위들을 중지하고 그 수단을 철페하며 앞으로 비무장지대를 실질적인 평화지대로 만들어나가기로 하였다.

② 북과 남은 서해《북방한계선》일대를 평화수역으로 만들어 우발적인 군사적충돌을 방지하고 안전한 어로활동을 보장하기 위한 실제적인 대책을 세워나가기로 하였다.

③ 북과 남은 호상협력과 교류,래왕과 접촉이 활성화되는데 따른 여러가지 군사적보장대책을 취하기로 하였다.

 북과 남은 쌍방사이에 제기되는 군사적문제를 지체없이 협의해결하기 위하여 인민무력상회담을 비롯한 군사당국자회담을 자주 개최하며 5월중에 먼저 장령급군사회담을 열기로 하였다.

3. 북과 남은 조선반도의 항구적이며 공고한 평화체제구축을 위하여 적극 협력해나갈것이다.

 조선반도에서 비정상적인 현재의 정전상태를 종식시키고 확고한 평화체제를 수립하는것은 더이상 미룰수 없는 력사적과제이다.

① 북과 남은 그 어떤 형태의 무력도 서로 사용하지 않을데 대한 불가침합의를 재확인하고 엄격히 준수해나가기로 하였다.

② 북과 남은 군사적긴장이 해소되고 서로의 군사적신뢰가 실질적으로 구축되는데 따라 단계적으로 군축을 실현해나가기로 하였다.

③ 북과 남은 정전협정체결 65년이 되는 올해에 종전을 선언하고 정전협정을 평화협정으로 전환하며 항구적이고 공고한 평화체제구축을 위한 북,남,미 3자 또는 북,남,중,미 4자회담개최를 적극 추진해나가기로 하였다.

④ 북과 남은 완전한 비핵화를 통해 핵없는 조선반도를 실현한다는 공동의 목표를 확인하였다.

북과 남은 북측이 취하고있는 주동적인 조치들이 조선반도비핵화를 위해 대단히 의의있고 중대한 조치라는데 인식을 같이하고 앞으로 각기 자기의 책임과 역할을 다하기로 하였다.

 북과 남은 조선반도비핵화를 위한 국제사회의 지지와 협력을 위해 적극 노력해나가기로 하였다.

 북남수뇌들은 정기적인 회담과 직통전화를 통하여 민족의 중대사를 수시로 진지하게 론의하고 신뢰를 굳건히 하며 북남관계의 지속적인 발전과 조선반도의 평화와 번영,통일을 향한 좋은 흐름을 더욱 확대해나가기 위하여 함께 노력하기로 하였다.

 당면하여 문재인대통령은 올해 가을 평양을 방문하기로 하였다.

2018년 4월 27일 판문점

조선민주주의인민공화국  국무위원회 위원장 김정은

대 한 민 국  대 통 령  문재인

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「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」〔日本語訳〕

 朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長と大韓民国の文在寅大統領は、平和と繁栄、統一を願う全民族のいちずな願いを込め、朝鮮半島で歴史的な転換が起きている意義深い時期である2018年4月27日に、板門店の平和の家で北南首脳会談を行った。

 北南首脳は、朝鮮半島にもはや戦争は起きず、新たな平和の時代が開かれたことを8千万のわが同胞と全世界に厳粛に宣言した。

 北南首脳は、冷戦の産物である長い分断と対決を一日も早く終わらせ、民族的和解と平和繁栄の新たな時代を果敢に切り開き、北南関係をより積極的に改善し発展させていかなければならないという確固たる意志を込め、歴史の地、板門店で次のように宣言した。

1.北と南は、北南関係の全面的で画期的な改善と発展を実現することで、途絶えた民族の血脈をつなぎ、共同繁栄と自主統一の未来を早めていくであろう。

 北南関係を改善し発展させることは、全民族のいちずな願いであり、これ以上先送りできない時代の切迫した要求である。

①北と南は、わが民族の運命はわれわれ自ら決定するという民族自主の原則を確認し、既に採択された北南宣言や全ての合意などを徹底的に履行することで、関係改善と発展の転換的局面を切り開いていくことにした。

②北と南は、高位級会談をはじめとする各分野の対話と交渉を早期に開催し、首脳会談で合意した内容を実践するため、積極的な対策を立てていくことにした。

③北と南は、当局間協議を緊密にし、民間交流と協力を円満に保障するため、双方の当局者が常駐する北南共同連絡事務所を開城地域に設置することにした。

④北と南は、民族的和解と和合の雰囲気を高めていくため、各界各層の多方面の協力と交流、往来や接触を活性化することにした。

 対内的には、6月15日をはじめ、北と南に共に意義がある日を契機に、当局と議会、政党、地方自治体、民間団体など、各界各層が参加する民族共同行事を積極的に推進し、和解と協力の雰囲気を高める。対外的には2018年アジア大会をはじめとする国際競技に共同で出場し、民族の知恵と才能、団結した姿を全世界に誇示することにした。

⑤北と南は、民族分断により発生した人道問題を至急解決するために努力し、北南赤十字会談を開催して離散家族・親戚再会をはじめとする諸問題を協議、解決していくことにした。

 差し当たって、今年8月15日を契機に離散家族・親戚の再会を行うことにした。

⑥北と南は民族経済の均衡的な発展と、共同繁栄を成し遂げるため、10・4宣言で合意した事業を積極的に推進していき、一次的に東海線と西海線の鉄道と道路などを連結し、現代化し、活用するための実践的な対策を取っていくことにした。

2.北と南は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険を実質的に解消するため共同で努力していくであろう。

 朝鮮半島の軍事的緊張状態を緩和し戦争の危険を解消することは、民族の運命と関連する非常に重大な問題であり、われわれ同胞の平和的で安定した生命を保証するための鍵となる問題である。

①北と南は、地上と海上、空中をはじめとするあらゆる空間で、軍事的緊張と衝突の根源となる相手に対する一切の敵対行為を全面的に中止することにした。

 差し当たって、5月1日から軍事境界線一帯で拡声器放送やビラ散布をはじめとするすべての敵対行為を中止し、その手段を撤廃し、今後非武装地帯を実質的な平和地帯としていくことにした。

②北と南は、西海の「北方限界線」一帯を平和水域とし、偶発的な軍事衝突を防止し、安全な漁業活動を保証するための実質的な対策を立てていくことにした。

③北と南は、相互協力と交流、往来と接触が活性化することに伴うさまざまな軍事的保証対策を講じることにした。

 北と南は、双方間に提起される軍事的問題を遅滞なく協議、解決するため、人民武力相(国防相)会談をはじめとする軍事当局者会談を頻繁に開催し、5月中にまず将領級軍事会談を開くことにした。

3.北と南は、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制構築のため、積極的に協力していくであろう。

 朝鮮半島で非正常な現在の停戦状態を終わらせ、確固たる平和体制を樹立することは、もはや先送りできない歴史的課題である。

①北と南は、いかなる形態の武力も互いに使用しないという不可侵合意を再確認し、厳格に順守していくことにした。

②北と南は、軍事的緊張が解消され、互いの軍事的信頼が実質的に構築されるのに伴い、段階的に軍縮を実現していくことにした。

③北と南は、停戦協定締結65年となる今年、終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制を構築するため、北南米3者、または北南中米4者会談の開催を積極的に推進していくことにした。

④北と南は、完全な非核化を通して核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した。

 北と南は、北側が講じている主動的な措置が朝鮮半島非核化のために非常に意義があり重大な措置だという認識を共にし、今後それぞれ自らの責任と役割を果たすことにした。

 北と南は、朝鮮半島非核化に向けた国際社会の支持と協力を得るため、積極的に努力することにした。

 北南首脳は、定期的な会談と直通電話を通じ、民族の重大事を随時、真摯に議論し、信頼を強固にし、北南関係の持続的な発展と朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大していくために共に努力することにした。

 差し当たって、文在寅大統領は今秋、平壌を訪問することにした。

 2018年4月27日 板門店

朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会 委員長 金正恩

大 韓 民 国  大 統 領  文在寅


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朝鮮中央通信論評 「日本は地団太を踏むのをやめて大勢に従うべきである」

  「北朝鮮への圧力を高めていくことを含め、日米間の考えは100%一致している」と言い続けてきた安倍政権であるが、米朝首脳会談の開催決定と言い、完全に米国から梯子を外された状態となっている。

 しかし日本政府は、下記の記事からも見てとることが出来るように、なんとか対話の動きをつぶそうと必死にあがいているようである。

※参考記事

 [한겨레신문]고노 외상, 미국에 북-미회담 조건 꺼냈다가…‬
‪  http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/837537.html‬

‪ [ハンギョレ新聞]河野外相、米国に対し朝米会談に条件を付けようとしたが…‬
‪  http://japan.hani.co.kr/arti/international/30125.html‬

 朝鮮のメディアではこのような日本をどう見ているのか?

 3月17日に朝鮮中央通信に掲載された論評「大勢を知らなければ労して功なしの境遇を免れない」の全文を下記に紹介したい。

(※朝鮮語→日本語訳の順に掲載しています。)

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대세를 모르면 닭쫓던 개신세를 면치 못한다

(평양 3월 17일발 조선중앙통신)

 최근 급변하는 정세흐름에 바빠난 일본반동들이 대조선제재압박분위기를 고취하는데 필사적으로 매여달리고있다.

 7일 일본신문 《재팬 타임스》는 아베패거리들이 저마끔 나서서 대조선압박을 강화해야 한다느니,제재가 효력을 내고있다느니 뭐니 하며 떠들고있는데 대하여 일일이 렬거하면서 《현 상황과 관련하여 제일 불안해하고있는것은 일본》이라고 꼬집었다.

 고장난 축음기마냥 《제재압박》나발만 지꿎게 불어대는 아베패거리들의 언동은 지역정세발전에서 소음으로밖에 되지 않는다.

 이것은 조선반도정세악화로 어부지리를 얻어온 섬나라족속들의 체질적인 악습의 발로로서 대세의 흐름을 되돌려세워보려는 부질없는 발버둥질에 불과하다.

 지금까지 미국상전이 내든 《최대의 압박》정책수행에서 그 누구보다 앞장서 날뛰여온것이 바로 일본반동들이다.

 수상,외상 등 고위정객들이 총동원되여 국제무대에서 대조선압박공조를 구걸하였으며 남의 대사에까지 끼여들어 조선민족의 잔치상에 기어코 재를 뿌리려고 파렴치하게 놀아댔다.

 그러나 그토록 《공》을 들인 대조선제재압박소동은 이미 김이 빠진지 오래다.

 그 누구의 《해상밀수활동》을 감시한다고 하면서 부산을 피워대던 일본이 《부담의 공유》요,《감시분담》이요 하면서 다른 나라들을 끌어들이려고 하였지만 응하는 상대가 없는것이 현실이다.

 대조선문제에서 《일미한의 강력한 련대》와 《긴밀한 공조》를 귀 따갑게 떠들었어도 오히려 돌아온것은 《일본소외》라는 심각한 우려뿐이다.

 지금에 와서까지 《대조선제재압박》이라는 맥빠진 외마디소리를 거듭하고있는 일본반동들의 꼴은 닭쫓던 개신세를 면치 못하게 된 극도의 불안감의 표출이다.

 정세는 급변하고있다.

 지금이야말로 일본이 자기자신을 위해 대세를 바로 보고 대조선정책을 놓고 숙고해야 할 때이다.

 우리는 이미 일본반동들이 분별을 잃고 계속 못되게 놀아대다가는 영원히 평양행 차표를 구하지 못하게 될수도 있다는데 대하여 경고하였다.

 부질없는 발버둥질을 그만두고 때늦기 전에 대세를 따르는것이 보다 현명한 처사일것이다.(끝)

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日本は地団太を踏むのをやめて大勢に従うべきである

 最近、急変する情勢の流れに慌てふためいた日本の反動たちが、対朝鮮制裁・圧迫の雰囲気の鼓吹に必死になって執着している。

 7日付の「ジャパン・タイムズ」は、安倍一味が対朝鮮圧迫を強化しなければならない、制裁が効力を表しているなどと騒いでいることについて一つ一つ列挙し、「現在の状況と関連して一番不安がっているのは日本である」と指摘した。
 
 故障している蓄音器のように「制裁・圧迫」の繰言(くりごと)だけをしつこく並べ立てる安倍一味の言動は、地域情勢の発展にとって騒音にしかならない。

 これは、朝鮮半島の情勢悪化で漁夫の利を得てきた島国族の体質的な悪習の発露として、大勢の流れを逆戻りさせようというたわいない地団太にすぎない。

 今まで、宗主国の米国が持ち出した「最大の圧迫」政策の遂行で誰よりも先頭に立って狂奔してきたのが正に日本の反動たちである。

 首相や外相などの高官を総動員して国際舞台で対朝鮮圧迫共助を哀願し、他国の祝い事にまで現れて朝鮮民族の祝い事に灰をまき散らすため破廉恥に振る舞った。しかし、それほど「手間」をかけた対朝鮮制裁・圧迫騒動はすでに気が抜けて久しい。

 誰それの「海上密輸活動」を監視するとして騒ぎ立てていた日本が「負担の共有」、「監視分担」だとして他国を引き入れようとしたが、応じる相手がいないのが現実である。

 対朝鮮問題において「日・米・韓の強力な連帯」と「緊密な共助」を耳にたこができるほど騒いできたが、むしろ返ってきたのは「日本疎外」という深刻な懸念だけである。

 今に至っても、「対朝鮮制裁・圧迫」という気が抜けた悲鳴だけを繰り返している日本反動層の醜態は、労して功なしの境遇を免れなくなった極度の不安の表出である。

 情勢は急変している。今こそ、日本が自国のために大勢を正しく見て対朝鮮政策について熟考すべき時である。

 われわれはすでに、日本の反動らが分別を失って悪い振る舞いを続けるならば、永遠に平壌行きの乗車券を購入できなくなるかも知れないということについて警告した。

 無駄な地団太を踏むのをやめて、手遅れになる前に大勢に従うのがより賢明な行動だろう。(了)

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