留学同情勢ニュース

留学同が朝鮮半島情勢や在日同胞に関する記事を配信するブログです。

THAADミサイルの在韓米軍配備について

 米韓両国は7月8日、THAAD(終末高高度防衛)ミサイルの在韓米軍への配備を最終決定したと発表し、13日には配備地が、慶尚北道星州郡だと発表された。
 事前説明も無い突然の発表に、星州郡民たちが抗議の声をあげているのはもちろん、配備そのものに対し多くの反対、抗議の声が南朝鮮中で上がっている。

※参考記事
 [ハンギョレ新聞]外交部長官の反対押し切り「THAAD配備決定」強行
 http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24623.html
 [ハンギョレ新聞]THAADに憤慨する星州郡民、21日にソウルで大規模な抗議集会
 http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24657.html
 [ハンギョレ新聞]ソウルに集結した星州郡民「THAADはモンスター!」
 http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24710.html

抗議運動

 配備地と発表された慶尚北道星州郡は、人口4万4500人の小さな町である。
 うち約3500人がセヌリ党の党員であると言われ、南朝鮮においてはセヌリ党の票田として知られる郡であるが、今回の政府の一方的な決定に対し、郡民をはじめとして郡丁に務める公務員までもが不安を募らせ、セヌリ党を離党する者が相次いでいる。

※参考記事
 [ハンギョレ新聞]THAAD配備に星州郡公務員も反発 セヌリ党票田で離党ドミノ
 http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24711.html

 THAADは、「終末高高度防衛ミサイル」と呼ばれ、PAC-3などと比べ射程距離が長く、より高い場所で、敵弾道ミサイルを迎撃するというものだ。さらに、搭載されているXバンドレーダーからは強い電磁波が発せられ、電磁波による健康被害や作物などの風評被害が心配されている。これまで、THAADが配備されたグアム、Xバンドレーダーのみが配備されている青森、京都でさえ、レーダーの向く方向には海が広がっているのに対し、今回の星州への配備は、村からわずか500mの山の上であり、目の前に広がるのは人々が住む村である。

 ※参考記事
 [ハンギョレ新聞][ルポ]村の500メートル先にTHAADを配備するなんて…
 http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24633.html

THAAD.jpg


 このような状況にありながら、世論調査では、今回のTHAAD配備に対して、賛成派が50%、反対派が32%と、賛成が上回る厳しい現実だ。

 配備決定に至る理由として「北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルの脅威に対処するためであり、第三国に向けたものではない」というのが米韓の主張であるが、これに対して中国とロシアが、THAADの射程圏内に位置しているなどとして反対の声を挙げている。
 一方、日本はこの計画に対して、地域に平和と安定をもたらすとして賛成しており、日米韓は「北朝鮮の脅威」という言葉を盾に、軍事力の拡大を正当化している。

配備の本当の目的は何なのだろうか?

 これまで、グアム米軍基地に配備されたTHAAD、そしてXバンドレーダーが配備されている青森県津軽市の陸上自衛隊の駐屯地と京都府京丹後市の経ヶ岬基地、そして今回の韓国の星州に配備することによって、この4点が連動することが可能になる。

 東アジアにおいて、米国の影響が弱まり、中国経済が発展している今、この配備によって軍事力を上げることが、アメリカにとって好都合であることは一目瞭然だ。つまり、今回の配備決定はアメリカの思うツボであるということだ。

いったい「平和」とは何か?

 朝鮮半島の平和を脅かしているのは、他でもなくアメリカと韓国政府、そしてそれを支持する日本政府である。一日も早く、朝鮮半島から米軍は撤退し、軍事演習は中止するべきだ。

 今回のTHAAD配備問題、連日抗議デモを行なう郡民の姿は、沖縄・高江においての闘争と重なる。沖縄の米軍基地問題も、安保法制の通過も、現在行われている選挙の目的も、さまざまな問題が、全て切り離して考えることのできない問題であるということを認識しなくてはならない。(誠)

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「朝鮮籍」者排斥の流れの中で-「再入国許可」をめぐる露骨な差別措置

 在日朝鮮人、とりわけ「朝鮮籍」者への露骨な差別をご存じだろうか?

 日本はいわゆる「対北制裁措置」を発表した2月以降、「朝鮮籍」者(※)が空港の出国ゲートを通過するとき「北朝鮮に行きますか」と入管職員に聞かれ違うと答えた者や、再入国許可を申請する者に対し「私は北朝鮮には渡航しません」と書いた「誓約書」に署名をさせるというとんでもない措置を取っていた。

誓約書

 写真にあるように「仮に北朝鮮に渡航したことが確認された場合には再上陸が認められないことを承知した上で出国します」と書いており、この「誓約書」にサインすれば今後一切朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に渡れなくなるという意味に取れるだけでなく、生活の基盤がある日本に再入国できなくするという脅しともとれる措置である。(法的には第三国にいる時に再入国を取り消すというのは無理だという解釈が「常識」ではあるのだが。)

  「制裁」の一環として一在日朝鮮人に対し、渡航の自由を制限する暴力的なこの措置は多くの批判を受け、何度か表現を変えられた。3月に入った頃からは「核・ミサイル技術者が北朝鮮に渡航したことが確認された場合には、再入国の取消しなどの処分を行う場合があります」という表現に変え、さらに4月中旬からは「今回の出国後、日本へ再入国するまでの間」という文言が加えられた。

 一方、朝鮮民主主義人民共和国に渡航すると表明、明記した者に対しては原子力分野またはミサイル分野の技術者かと問う「質問票」への回答、署名が求められていた。

 法務省が5月末頃に「誓約書を求めないでいい」という主旨の指示を出し、上記のような「誓約書」への署名は現在終了しているようだが、「質問票」への署名は今も残っている。

 また、今回留学同の祖国訪問団に行く学生が再入国許可を申請した際にその許可期間における差別的な措置が明らかになった。2012年7月の入管法改定以降、特別永住者の再入国許可の期間はシングル(期間中一度のみ日本へ再入国できる)、マルチ(期間中何度も日本へ再入国できる)共に6年であったが、2月の「対北制裁措置」以降朝鮮籍者への再入国が大幅に減らされているようだ。

 写真のように2014年に申請した際には許可期間が6年であった。

再入国許可2014

 次の写真は同じ者が2016年7月に申請したもの。再入国の期間が大幅に短くなっている。

再入国許可2016

 これは申請者が日本への再入国日を2016年9月3日とし、そこから6か月の期間に設定されているというものである。

 6年から6か月に短縮されただけでも驚きではあるが、本来はなんと3か月の許可期間しか下りないようである。しかし、現在共和国に行くにはほぼ中国経由でしか手段がなく、中国のビザを申請するのに6か月以上の許可期間が無ければいけないので、共和国を渡航先に明記した者に関しては「理由書」の提示を求め6か月の許可を出しているそうだ。

理由書イメージ

 このような一文を書き、中国ビザを取得できる最低許可期間である6か月に延長するようだ。後から問い合わせ判明したことだが、この「理由書」は大阪入管の独自の処置であり、口頭での確認のみという所もあるようだ。大阪の場合は「理由書」への記入は任意であり、拒否しても口頭での確認で3か月から6か月に延長するようである。

 ここでふと忘れてしまいそうになることの確認であるがこれは「本来3か月しか許可が下りないものを共和国へ渡航する者に対し温情で6か月に延長する措置」ではなく、「不当に3か月とういう極端に短い期間しか出さない上に、共和国に渡航する者にたいしては更に理由書を書かせ、それでもビザ取得に必要な最低期間かつ極端に短い期間である6か月の許可しか出さない極めて不当な措置」である。

 以上は「シングル」申請した時の場合である。では「マルチ」ではどうだろうか。電話での問い合わせによると、「マルチ」で申請する場合は最低2回の海外渡航予定を提出しなければならない。もし2回目以降の予定を示すことが出来ない場合、マルチでの再入国許可は出せないようだ。ということは、急な出張や日本以外の国、地域に住む家族・親戚の危篤などの緊急時に備えマルチを取得するということが不可能なのである(しかも入管の受付時間は平日の16時まで)。

 こんなにも個人の渡航の自由を制限される不当な政策があるだろうか。怒りを禁じ得ない。

 またここまでは「朝鮮籍」者に対する政策である。「韓国籍者」に対してはこのようなややこしい手続きは行っておらず、シングル・マルチ共に6年の許可期間が出るそうだ。なんと差別的な政策か(「みなし再入国」が認められたので「韓国籍」者が再入国許可を取ること自体が稀ではあるのだが)。

 繰り返すがこれらは対共和国「制裁」の一環として2月から行われている。電話での問い合わせの際、入管の担当者は「法務省からの通達によりこのような措置を取っている」と話した。

 ここまでをまとめると、

 2016年2月以降、法務省の通達により、

 ①「韓国籍者」に対して
 ・シングル/マルチ共に(特別永住者は)6年の許可期間が下りる。

 ②「朝鮮籍者」に対して

 (1)シングルでは
 ・3か月しか許可が下りない。
 ・渡航先が共和国の場合、中国ビザ申請の関係で「理由書」を記入するなどして6か月に延長する。
 
 (2)マルチでは
 ・最低2回の海外渡航予定を明記した場合のみ審査の対象となる。
 ・最低2回の海外渡航予定が無い場合、マルチでの許可は下りない。
 ・マルチで許可が下りた場合(特別永住者は)6年の許可期間となる。


というわけだ。

 更に付け加えると「韓国籍」者に対し、入管側が「間違って」短い許可期間で許可を出すという事例が発生しているようである。ずさんな管理体制が明らかになったと言えよう。

 そしてこれまた忘れがちだが、なぜ在日朝鮮人が共和国をはじめ日本の外に渡航するのに「許可」が必要なのか?そもそもこの「再入国許可」という制度自体が不当なものであるとの認識が必要だろう。日本が加入している国連・自由権規約委員会でも、日本で生まれ育った在日朝鮮人がその永住国である日本に帰るのは当たり前の権利として認めなければいけないものであり「許可」するというものではないとしている。(「朝鮮籍」者が有効な旅券である共和国パスポートを所持していても、それは日本では「有効な旅券」と認められない。そのため「朝鮮籍」者には「みなし再入国」も認められていない。)

 このように「朝鮮籍」者を排斥する政策が蔓延している。「朝鮮籍」=「共和国国籍」=「総聯支持者」とみなし超差別的な措置で孤立を高め排斥し、朝鮮籍者を消し去ろうとするための政策が今年3月に報道された「韓国籍」・「朝鮮籍」者数の分離集計だ。(実態が明らかになったのは今年だが、分離集計は4年前から行われていた。今年から新たに始まったのは「韓国籍」・「朝鮮籍」者数の分離「公表」である。)

  「日本に住む『北朝鮮国籍者』が実数以上に大きく見える」との自民党議員らからの主張のためと、3月5日付の記事で朝日新聞が伝えた。

[朝日新聞]在留外国人「韓国・朝鮮籍」を分離集計へ 政府、自民議員要求受け
 http://www.asahi.com/articles/DA3S12242056.html

 まるで「北朝鮮国籍者」をあぶり出し排斥すると言っているようなものである。
 この政策や上記のような「朝鮮籍」者への差別的措置が合わさった時、同胞はどう感じるだろうか。「朝鮮籍」者は炙り出され、「北朝鮮」のレッテルを貼られる。その上で生きていくのに不利な境遇に置かれる。多くの場合「韓国籍」や「日本籍」に変更し、朝鮮なるもの、総聯なるものとは関わりを持たないようにしようと考えるのではないだろうか。

 このような政策に対して必ずと言っていいほど湧き出る「反論」が「『朝鮮籍』は記号であって『北朝鮮国籍』ではない」というものである。もちろんその通りであるし、その認識がまるでなく、未だに「朝鮮籍」に関してわかっていない政治家や入管職員など問題外であるが、そのような主張を通し「自分は朝鮮籍でも北朝鮮とはなんの関係もない、だから差別するのは間違っている」とするのはいかがなものか。
 問題は在日朝鮮人個人と共和国の関係が有るか無いかではない。そこに強い関係性が有ったとしても上記のような差別的な政策は不当であるし、今すぐに撤回されるべきものである。共和国との関係性の有無を争点に「朝鮮籍」者排斥の政策に反対するならば、共和国を祖国とする少なくない在日朝鮮人との間に更なる分断を生んでしまう。そうなれば日本政府の思う壺ではないか。

 「朝鮮籍」者排斥の流れの中でも方向性を見失わず声を上げ続けたい。一刻も早く不当な「制裁」措置を撤回させ、在日朝鮮人全体の自主を獲得するために。(翔)

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中長距離弾道ロケット「火星-10」発射実験の成功が持つ意味

 6月22日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)で中長距離弾道ロケット「火星-10」の発射実験が成功裏に行われた。
 23日発朝鮮中央通信によると、「火星-10」は、予定飛行軌道に沿って最大頂点高度1413.6㎞まで上昇飛行し、400㎞前方の予定された目標水域に正確に着弾したという。
 今回の実験では、朝鮮式弾道ロケットの飛行動力学的特性と安全性及び操縦性、新たに設計された構造と動力系統に関する技術的特性が確証され、再突入区間での前頭部の耐熱性と飛行安全性が検証された。さらに周辺国家への安全に些細なる影響も及ぼさなかった。

※参考記事
[朝鮮新報]「火星-10」発射実験成功/中長距離弾道ロケット、1,413.6km上昇
 http://chosonsinbo.com/jp/2016/06/24riyo-jjj01/

火星-10

 今回の発射実験について、米国はじめとする勢力は「国際的義務に反する挑発行為」(米国・アーネスト大統領報道官)、「わが国の安全保障に対する深刻な懸念」(日本・中谷防衛大臣)と口をそろえて非難し、国連安全保障理事会はまたも実験を非難する報道声明を発表した。
 
 しかし、今年に入り、米国は大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」の発射実験を繰り返し行った。「ミニットマン」は許され、「火星」は非難されること自体が、きわめて理不尽なダブルスタンダードにほかならない。

※参考記事
[Record China]米軍が大陸間弾道ミサイルの発射実験を実施、ロシアや中国、北朝鮮に効力示す目的―米メディア
 http://www.recordchina.co.jp/a129996.html

 さらに、その裏では「史上最大規模」といわれた米「韓」合同軍事演習に飽き足らず、朝鮮に対する圧力を強めていた。
 「火星-10」発射実験前の6月17日、米国はグアム島の第8航空軍所属「B-52H」戦略爆撃機編隊を南朝鮮上空に飛ばし核爆弾投下演習を行う一方、13日には、「ミシシッピ」号核動力潜水艦を釜山港に引き入れ、いつでも朝鮮を核攻撃できる体制を整えた。

 しかし、非難声明や軍事演習、「史上最強の安保理制裁決議」が採択されても、朝鮮の核抑止力強化プロセスは止められなかった。「火星-10」発射実験は、経済建設と核武力建設の「並進路線」を進める朝鮮には「圧力」など通じず、むしろ米国の戦争挑発を無力化させている反証であるといえる。

 朝鮮は現在、人民生活の向上と経済建設に総力を挙げているが、未だ米国との交戦状態にあり、毎年軍事演習が繰り広げられるなど、「戦争でもない平和でもない」状態が続いている。そのような条件のもとで、戦争を未然に防ぎ平和的な環境をもたらすには、米国の核脅威に対抗できる能力が必要となる。だから、朝鮮は「敵対勢力の恒常的な脅威からわが祖国と人民の安全を保障するための自衛的措置」(6月24日、朝鮮外務省スポークスマン)として防衛力を強化する一方で、経済建設により一層拍車をかけているのである。

 「火星-10」発射実験を通じて、朝鮮の核能力が日増しに高まっているのとは裏腹に、米国の強硬路線がほころびを見せている事がより明らかになった。
 「わが共和国に対する米国の核の威嚇と制裁圧力策動が続く限り、それに伴うわれわれ式の自衛的対応措置も連続で講じられる」(6月24日、朝鮮外務省スポークスマン)と警告している。

 米国が対朝鮮敵視政策を放棄し、朝鮮半島からの米運撤退と平和協定の締結によって戦争状態に終止符を打つことが、今何よりも求められている。(崇)

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黄色いリボン、「記憶しよう」を流行で終わらせないために

 セウォル号沈没事件から2年が経った。未だに具体的な解決の道筋は見えていない。

 ※参考記事
 [ハンギョレ]
 「海洋水産部、セウォル号引き揚げも始めず特調委活動終了を通告」
  http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24453.html

セウォル号

 2014年以降、黄色いリボンを目にすることが増えた。セウォル号沈没事件以後、被害者の多くを占めた当時の高校生たちに近い世代が中心となって、かれ/かのじょらを「記憶しよう」と身に着けるようになったものだ。

 これだけ情報通信が容易い現在においても、目の前で沈んでいく船の中の多くの人々を助けることができなかった。事件当日の大統領不在の謎の数時間、海洋警察の対応、現在までの真相究明を求める市民たちの声に応えようとしない政府。

 問題の核心に迫ろうとすれば、いつも力でねじ伏せる。

 いったい南朝鮮(韓国)社会はどうなっているのか?

 MARS感染拡大に関する政府の対応や、加湿器殺菌剤で多くの死者、被害者をだしたニュースは、私たちの記憶に新しいだろう。やはりそのようなことから、現政権への非難が集中していることが、4月に行われた総選挙でもセヌリ党大敗という形で明らかになっている。

 しかし、民衆は何を「記憶しよう」としているのだろうか?

 教科書の国定化を着々と進め実現させ、被害者不在の中で日本軍「慰安婦」問題を「最終的かつ不可逆的に解決」した現政府のトップたちだろうか。

 映画「国際市場で逢いましょう」が南朝鮮で記録的ヒットを受けたのも、このような社会の流れと相まってだろう。そこには簡単に見過ごすことのできないシーンがたくさんあった。朝鮮戦争で家族が離れ離れ、ベトナム戦争での韓国軍の被害、貧しかった国が今日の経済成長を遂げたというドラマ。

 明らかに過去の書き換えが進んでいると言っていい中で、私たちが「記憶しよう」とするものは何かをしっかりと認識しなければならない。

 ※参考記事
 [ハンギョレ]
 [社説]光州民主化闘争犠牲者を愚弄する全斗煥氏と朴槿恵大統領
  http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/24176.html

 そして、事件当事者たちは口々に言う。
 「私は何の関係もありません」と。

 現在、当時を「記憶しよう」とした人たちは何を思うのだろうか。民主化を勝ち取ったであろう若者たちは、どこに行ったのだろうか。血の教訓がしっかりと「記録」されていない中で、「記憶」し続けることの意味は大きい。
 1990年代初期の、日本軍元「慰安婦」被害者の「記憶」が社会を変えていく契機となったように。

 しかし、「記憶」は時に薄れ、時に大きく書き換えられてしまう。私たちは幾度となくそのような場を見てきたではないか。

 セウォル号沈没事件も、人々の「記憶」だけにとどまるのではなく、よりよい未来をつくっていく「記録」としてしっかりと刻まれるべきである。(明)

セウォル号闘い

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朝鮮への「制裁」から考える「国際秩序」

 6月に入り「北朝鮮による…」というニュースを連日目にする。

 「北朝鮮によるハッキング」、
 「北朝鮮によるミサイルの発射」
 「北朝鮮の第三国を通じたマネーロンダリング」
 「北朝鮮の(核問題での)再処理施設の再稼働」

 など。

 南朝鮮は、「北が非核化の道を選択して対話に出るまで制裁と圧迫を続けていく」との姿勢で、「対北圧迫」政策のために奔走している。(前回のブログ記事参照)
 国連安全保障理事会は、中国、ロシアも含め、朝鮮のミサイルの発射に対して、過去5回安保理決議違反であるとの非難声明を発表した。
 米国は、朝鮮を「マネーロンダリングの主要懸念国」に指定し、第三国経由でも米国の金融機関と取引をできないように措置をとった。
 日本も、独自制裁を継続し、相変わらず対話の道を閉ざし、在日朝鮮人の権利を蹂躙し続けている。

 「国際社会の秩序を無法にかき乱す北朝鮮」というのが、日本の大方のメディアが連日伝える朝鮮民主主義人民共和国のイメージだろう。
 「核拡散」、「人権蹂躙」、「資金洗浄」などという疑いをドンドン作りだし、それに対して国際社会が法をもって、制裁を課し、制止するという構図。

 何も考えずに見ていると納得してしまいそうな論理だが、ちゃんと考えると、一国家を馬鹿にするにもほどがあるということに気付く。いったい何を根拠に、何の資格を持って、何目線でそんなことができるのだろうか。一つの国を、自主権を持った独立した存在と見ることのできない破廉恥さ。朝鮮をとことん馬鹿にしたあからさまなダブルスタンダードを用いる、あまりにも倒錯した国際社会の矛盾。それに対して大した疑問も出されずに、全会一致で制裁決議が通る日本。

 朝鮮の行為に対して国連が制裁を課し、それをもとに「不法・無法」イメージを作っていく。
 しかし、朝鮮の核開発、ミサイル発射を違法とする国際法は存在しない(それが存在するなら断トツ最大の違反国はもちろんアメリカとなるが)。もちろん、人工衛星の発射を違法とする法律もなく、むしろあるのは宇宙利用の自由を規定した条約である。

 帝国主義勢力の輩のいちゃもんが「法」とされ、それによって上から目線の「制裁」が課されていくという構図。何の理由も根拠もない「法」を用いて、よってたかって国の主権を侵害する。その行為こそ、「主権国家の主権尊重」という国際法が成立するための大前提を蹂躙する行為である。つまり、国際法という存在自体の否定であり、「朝鮮は国際法を適用する対象ではない」というメッセージである。

 朝鮮が声明や談話において、制裁に対し、国の自主権と民族の生存権を侵害する「不法無道な犯罪行為」ということには十分な理由がある。(貴)

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「大韓民国、『対北圧迫』のための外交に奔走中」の姿を見て思う

 南朝鮮(大韓民国)が、「対北圧迫」を主な目的に(そうとしか思えない)、外交攻勢に出ている。

 ※参考記事

 [時事通信]韓国外相、キューバ初訪問=北朝鮮に圧力か
  http://www.jiji.com/jc/article?k=2016060500269&g=prk

 [聯合ニュース]韓国外相 非核化目指し「北への圧力継続」
  http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2016/05/20/0200000000AJP20160520002300882.HTML

 [세계일보]러시아 방문 윤병세, 북 맹방과 ‘대북공조’ 행보
  http://www.segye.com/content/html/2016/06/12/20160612001653.html

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 南北が分断している状況で、自分の方に、という外交が行われることはあり得るとしても、ここまで露骨に「対北攻勢」だけを目的に、世界各国を訪問する、今の朴槿恵当局の外交は、同じ朝鮮人として恥ずかしいことこの上ない。

 しかも、元々西側諸国に近い国々に対してなら百歩譲ってあり得るとしても、アフリカ諸国やキューバなど、元々被植民地の歴史がり、今も米国による圧迫に晒されている国々に、「非核化」といいながら、片方で「セマウル運動」の歴史を餌に経済で「懐柔」しようとする姿は、情けないとしか言いようがない。

 大韓民国は、紛れもなく日本帝国主義の流れを汲んだ者が政権を握り、米国に追従しながら歩んできた国である。
(これは国家の話であり、それに対する民衆の力強い闘いがあった、今もあることを忘れてはならないのは言うまでもない。)

 そのような流れを間違いなく汲んだ朴槿恵政権が(朴正熙大統領の娘というだけでなく)、帝国主義諸国とかつて闘い、今も米国等の西側諸国中心の世界システムと闘っている国々の歴史も現状も一顧だにせず、「(米国中心の)自分たちの陣営についておいで」と外交をする姿は、本当にあり得ない。(賢)

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ヘイトスピーチ対策法と不都合な朝鮮人

 「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(いわゆる「ヘイトスピーチ対策法」)が、5月24日成立した。これをうけて、川崎市と横浜地裁川崎支部は川崎区で予定されていた排外主義デモの公園利用を不許可とした。6月3日の施行後にあたる5日、中原区平和公園に移った排外主義デモも「中止」に追い込まれた(『朝鮮新報』2016年6月7日付「対策法成立後、初のヘイトデモ、出発直後に「中止」」)。

 すでに外国人人権法連絡会が問題点を指摘しているとおり、この法律の保護対象は、「本邦外出身者又はその子孫であって適法に居住するもの」に限定されており、アイヌ、琉球・沖縄、被差別部落などの被抑圧民が含まれない。非正規に滞在する外国人は含まれず、「不法滞在の○○」とすれば差別扇動が許される抜け道となっている。また、同法は差別煽動を解消するための「取組」を推進しているのみで「禁止」はしていない。

 かつて朝鮮人は朝鮮半島と日本を往来し国境をまたいで生活基盤を形成していたにも関わらず、解放後に移動の自由を制限され、日本に再渡航した者の多くが「密航」とされた。朝鮮の分断と戦争により日本に再漂着したわれわれは、「適法に居住する」ことができなかった「難民」の子孫だ。その歴史的背景を無視し、「密航者は出ていけ」と扇動されても問題とならないのはいかがなものか。「不法滞在者」とされる非正規の移住者と自分たちを明確に分けることは歴史的にみて困難でありその必要もない。

 また、保護対象を非正規滞在者や日本内外出身の人種的マイノリティに広げるべきであるのみならず、性別(ジェンダー)、性的指向(セクシュアリティ)や宗教的マイノリティにも行き届く差別禁止法の制定ないし改正が急がれる。「ヘイトクライム」概念の成り立ち自体、米国における黒人への殺傷はもちろん性的マイノリティに対する憎悪殺人と切っても切り離せない。国連は、人種差別撤廃条約のみならず女性差別撤廃条約や自由権規約にもとづいて、性別や性的指向を理由とした差別と暴力、ムスリムに対する監視をなくすよう日本に勧告しているのであって、諸外国では包括的な差別禁止法が成立している。

 最後に同法の差別的言動とは、日本外の「出身であることを理由として」、日本や地域社会から「排除することを煽動する不当な差別的言動」とある。つまり、人種属性を否定し排除を不当に煽動さえしなければ、差別迫害が爆発した歴史の教訓であるところの関東大震災と南京大虐殺、日本軍性奴隷制について声高に否定・矮小化してもかまわないのである。それが、ユダヤ人虐殺や奴隷制に対する歴史歪曲を禁止する欧州との歴然たる違いである。

 そこには人種的差別・迫害にもとづく大惨事から学び、二度とくり返さないというスタンスは見えず、歴史を忘却する勢力にとって都合の悪い朝鮮人やその活動、朝鮮学校は依然として排除の対象となる。日本政府は2月10日以降、独自制裁によって朝鮮籍者の再入国と移動を制限し、「社会から排除することを煽動」、実行に移している。(正)

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朝鮮学校差別反対!!文科省「3.29通知」に反対する大学生の投書が新聞に掲載されました

 既報の通り、3月29日に文部科学省が馳浩文科大臣の名義で、朝鮮学校が所在する都道府県知事宛てに、「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について」という通知(いわゆる「3.29通知」)を出し、事実上朝鮮学校への補助金支給を再考するよう地方自治体に促すという、教育行政を司る機関とは思えない暴挙を行いました。

 この問題と関連して、留学同神奈川の学生が書いた投書が東京新聞と神奈川新聞に掲載されましたので、紹介します。

※なお、「3.29通知」の内容とその問題性については、下記の当ブログ記事をご参照下さい。

 「3.29文科省通達」に関して-またも繰り広げられる国家的「朝鮮学校潰し」
 http://rhtjnews.blog.fc2.com/blog-entry-27.html

投書(東京新聞;文科省通知)
(2016.6.1 東京新聞)

投書(神奈川新聞;文科省通知)
(2016.5.29 神奈川新聞)

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オバマ大統領による広島訪問について-その偽善と欺瞞

 米国のオバマ大統領は5月27日、現職の大統領として初めて広島を訪問した。

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 今回の訪問に関し、連日メディアを賑わしていたが、その評価は概ね肯定的だったと言えるだろう。一部で「原爆投下への謝罪」が無かったことに対する批判的意見はあったものの、今回の訪問を歴史上画期的なものであり、非常に素晴らしい出来事として報じていた。

 しかし、果たして今回のオバマ大統領の広島訪問は手放しで称賛できるものなのだろうか。

 オバマ大統領は広島の地で15分以上にわたるスピーチを行ったが、スピーチを聞きながら真っ先に感じたのが「主体の不在」である。

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 オバマ大統領はスピーチの冒頭でこう語った。

 「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変しました。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示されたのです。」

 戦争が語られる時によくあることだが、戦争を人が引き起こした「人災」ではなく、自然発生した「天災」であるかのごとく語り、加害の主体、責任の所在をうやむやするレトリックである。スピーチの冒頭からオバマ大統領の欺瞞性が表れていると言えるだろう。更には、スピーチが進むにつれて何か美談を語るかのような内容になっていくのを聞きながら、薄ら寒いものを感じた。

 しかし、それだけではない。

 今回の広島訪問の批判的意見として、上でも述べたように謝罪の有無であったが、そもそも今回の訪問における論点は、その点だけだったのだろうか。

 確かに今回オバマ大統領が謝罪することは無かったし、被害を受けた人たちに対する謝罪(当然その対象には朝鮮人をはじめとした日本人以外の被爆者も含まれなければいけない)は必要だろう。しかし、単に謝罪すればよかったという話なのだろうか。

 より根本的な問題として、オバマ大統領が就任以降核問題に関して何をしてきたのかを問う必要がある。

 オバマ大統領と言えば、就任9ヶ月目の2009年4月、プラハで「核兵器なき世界」について語り、ノーベル平和賞を受賞したこともあり、核兵器廃絶のための先頭に立っているというイメージを持つ人が大方ではないだろうか?
 そして、今回の広島訪問でそのイメージがより強固になったと思われる。

 しかし、彼はその職にあった8年間、核廃絶のために何かをしてきたのだろうか。
仮に、彼の「核兵器なき世界」を目指すという言葉が全くの口だけで、具体的には何もしなかったというだけならば、結果的にその方がまだましだった。

 現実には、何もしなかったどころか、正反対のことをしたのである。

 オバマ政権下でアメリカが削減した核兵器の数は約700発である。その削減ペースは、冷戦終結後の歴代政権の中で最も低い水準なのだ。

 ※参考記事
 [しんぶん赤旗]オバマ米政権の核兵器削減702発
  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-02/2016060209_01_1.html

 また、オバマ大統領が2015会計年度(2014年10月~2015年9月)の予算として議会に提出した予算案では、エネルギー省・国家核安全保障局(NNSA)の核弾頭関連予算が7%増額され83億ドル(約9000億円)となっている。これは史上最高額であり、さらに核兵器の刷新(更新)に今後30年間でなんと1兆ドル(約110兆円)もの巨費を投入する計画を立てている。

 そして、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の核実験を徹底的に批判し、あり得ない制裁まで課しておきながら、自分はちゃっかりと核実験まで行っている。

 ※参考記事
 [スプートニク]米国、核実験を実施
  http://jp.sputniknews.com/us/20151118/1187018.html

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 そしてもう一つ重要なことは、オバマ大統領が「米国史上最も長く戦争を行っている大統領」だということだ。
 彼には、イラクでの戦争を拡大し、アフガニスタンでの戦争を引き延ばしたという事実がある。そして、リビア、シリア、パキスタン、イエメン、ソマリアで軍事行動を起こし、多くの民間人を殺戮し、罪のない多くの人々が離散を余儀なくさせた。

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 アジアにおいても、「リバランス(再均衡)政策」の名の下、米国の覇権を維持するために、台頭する中国との軋轢を強め、日本の集団的自衛権を容認し、米日間の軍事同盟を強化し、対朝鮮敵視政策を強固に推し進めている。
 今回の広島訪問も、日米同盟強化という角度から見る視点は欠かせないだろう。

 ※参考記事
 [長周新聞]オバマとは誰か 寺島隆吉
  http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/obamatohadareka.html

 [ハンギョレ]オバマ大統領の広島訪問が成果を収めるために
  http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/24125.html

 彼は口では平和や核兵器を抽象的、文学的に語りながら、実際には核軍縮どころか核兵器の生産を増強し、積極的に軍事行動まで行っている。
 このような事実を踏まえると、オバマ大統領が謝罪を行わないことは何ら不思議ではなく、もし謝罪したとしてもそれは政治的打算に基づく形式的な謝罪に過ぎないだろう。

 自身が最大の軍事的脅威を振りまきながら、アメリカが、オバマ大統領が語る「平和」なぞは欺瞞でしかない。

 そんなオバマの広島訪問の欺瞞性について、朝鮮は次のように徹底的に非難している。

 「オバマが他でもない自身が核爆弾を投下したところへ行って、非核化を云々したことは、恥知らずの極致である」

 「オバマが執権当初から掲げた「核兵器なき世界」構想というのは、自国の核戦争手段は一層強化し、他国の軍事力を弱化させようとする下心から発したものであった」

 「米国が世界非核化の実現にそれほど関心があるなら、自国から先に核を放棄し、他国と他民族に対する核威嚇・恐喝を中止する模範を示すべきであろう」


※詳細は、
 [朝鮮新報]조선외무성 대변인, 《핵위협 걸고드는 한 자위적핵무력을 질량적으로 더욱 강화해나갈것》
  http://chosonsinbo.com/2016/05/kcna_160529/

 果たして世界の平和を阻害しているのは誰なのだろうか。(匡)

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【公開講座のご案内】6.15連続講座-第1回「映画『不安な外出』上映会と 講演『分断をいかにして克服するのか』」(6/18@文京区民センター)



 留学同東京・西東京が合同で6月から10月にかけて行う公開講座「6.15련속강좌~새로운 통일시대를 향하여~(6.15連続講座~新たな統一時代を目指して~)」。

 その第一回は、
 「映画『不安な外出』上映会と 講演『分断をいかにして克服するのか』」
 です。

 本講座は公開講座ですので、留学同盟員や大学生に限らず、どなたでもご参加いただけます。
 また、在日同胞に限らず、日本の市民の方々を初め、多くの方にご参加いただきたいと考えています。

 是非、お越し下さい!!

◇ 日時:6月18日(土)13時30分受付、13時45分開始
                     (16時45分終了予定)

◇ 場所:文京区民センター・3A会議室(地下鉄春日駅A2出口徒歩2分)

<企画内容>

● 映画「不安な外出」上映

不案な外出

★映画「不安な外出」について★
 2014年に制作された韓国のドキュメンタリー。学生運動のため10年間指名手配された生活と5年の監獄生活を送り、2011年に出所したユン・ギジン。指名手配中に結婚、二人の娘をもうけたが一度も一緒に暮らしたことがなかったギジンは初めて家族と共に暮らし、二人の娘と過ごす素朴な人生を夢見る。しかし出所の前日、監獄で書いた手紙を理由に警察は再び彼を国家保安法違反で起訴。家族は共に暮らすことができるのだろうか…


● 講演「分断をいかにして克服するのか」
   講師:金昌五氏(韓統連青年学生育成委員長)

● 大学生によるプレゼン
 ・ 朝鮮大学校学生によるアピール
 ・ 主催者(留学同)より講座の企画趣旨についてプレゼン

<第2回以降の口座の内容は、下記よりご覧下さい。>
 http://rhtjnews.blog.fc2.com/blog-entry-37.html

<本講座についてのお問い合わせは、下記までお願いします。>
  ●電話:(03)6272-6607  ●FAX:(03)6272-6601 ●mail:rht@ryuhaktong.org

連続講座1
連続講座2

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