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「朝鮮籍」者排斥の流れの中で-「再入国許可」をめぐる露骨な差別措置

 在日朝鮮人、とりわけ「朝鮮籍」者への露骨な差別をご存じだろうか?

 日本はいわゆる「対北制裁措置」を発表した2月以降、「朝鮮籍」者(※)が空港の出国ゲートを通過するとき「北朝鮮に行きますか」と入管職員に聞かれ違うと答えた者や、再入国許可を申請する者に対し「私は北朝鮮には渡航しません」と書いた「誓約書」に署名をさせるというとんでもない措置を取っていた。

誓約書

 写真にあるように「仮に北朝鮮に渡航したことが確認された場合には再上陸が認められないことを承知した上で出国します」と書いており、この「誓約書」にサインすれば今後一切朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に渡れなくなるという意味に取れるだけでなく、生活の基盤がある日本に再入国できなくするという脅しともとれる措置である。(法的には第三国にいる時に再入国を取り消すというのは無理だという解釈が「常識」ではあるのだが。)

  「制裁」の一環として一在日朝鮮人に対し、渡航の自由を制限する暴力的なこの措置は多くの批判を受け、何度か表現を変えられた。3月に入った頃からは「核・ミサイル技術者が北朝鮮に渡航したことが確認された場合には、再入国の取消しなどの処分を行う場合があります」という表現に変え、さらに4月中旬からは「今回の出国後、日本へ再入国するまでの間」という文言が加えられた。

 一方、朝鮮民主主義人民共和国に渡航すると表明、明記した者に対しては原子力分野またはミサイル分野の技術者かと問う「質問票」への回答、署名が求められていた。

 法務省が5月末頃に「誓約書を求めないでいい」という主旨の指示を出し、上記のような「誓約書」への署名は現在終了しているようだが、「質問票」への署名は今も残っている。

 また、今回留学同の祖国訪問団に行く学生が再入国許可を申請した際にその許可期間における差別的な措置が明らかになった。2012年7月の入管法改定以降、特別永住者の再入国許可の期間はシングル(期間中一度のみ日本へ再入国できる)、マルチ(期間中何度も日本へ再入国できる)共に6年であったが、2月の「対北制裁措置」以降朝鮮籍者への再入国が大幅に減らされているようだ。

 写真のように2014年に申請した際には許可期間が6年であった。

再入国許可2014

 次の写真は同じ者が2016年7月に申請したもの。再入国の期間が大幅に短くなっている。

再入国許可2016

 これは申請者が日本への再入国日を2016年9月3日とし、そこから6か月の期間に設定されているというものである。

 6年から6か月に短縮されただけでも驚きではあるが、本来はなんと3か月の許可期間しか下りないようである。しかし、現在共和国に行くにはほぼ中国経由でしか手段がなく、中国のビザを申請するのに6か月以上の許可期間が無ければいけないので、共和国を渡航先に明記した者に関しては「理由書」の提示を求め6か月の許可を出しているそうだ。

理由書イメージ

 このような一文を書き、中国ビザを取得できる最低許可期間である6か月に延長するようだ。後から問い合わせ判明したことだが、この「理由書」は大阪入管の独自の処置であり、口頭での確認のみという所もあるようだ。大阪の場合は「理由書」への記入は任意であり、拒否しても口頭での確認で3か月から6か月に延長するようである。

 ここでふと忘れてしまいそうになることの確認であるがこれは「本来3か月しか許可が下りないものを共和国へ渡航する者に対し温情で6か月に延長する措置」ではなく、「不当に3か月とういう極端に短い期間しか出さない上に、共和国に渡航する者にたいしては更に理由書を書かせ、それでもビザ取得に必要な最低期間かつ極端に短い期間である6か月の許可しか出さない極めて不当な措置」である。

 以上は「シングル」申請した時の場合である。では「マルチ」ではどうだろうか。電話での問い合わせによると、「マルチ」で申請する場合は最低2回の海外渡航予定を提出しなければならない。もし2回目以降の予定を示すことが出来ない場合、マルチでの再入国許可は出せないようだ。ということは、急な出張や日本以外の国、地域に住む家族・親戚の危篤などの緊急時に備えマルチを取得するということが不可能なのである(しかも入管の受付時間は平日の16時まで)。

 こんなにも個人の渡航の自由を制限される不当な政策があるだろうか。怒りを禁じ得ない。

 またここまでは「朝鮮籍」者に対する政策である。「韓国籍者」に対してはこのようなややこしい手続きは行っておらず、シングル・マルチ共に6年の許可期間が出るそうだ。なんと差別的な政策か(「みなし再入国」が認められたので「韓国籍」者が再入国許可を取ること自体が稀ではあるのだが)。

 繰り返すがこれらは対共和国「制裁」の一環として2月から行われている。電話での問い合わせの際、入管の担当者は「法務省からの通達によりこのような措置を取っている」と話した。

 ここまでをまとめると、

 2016年2月以降、法務省の通達により、

 ①「韓国籍者」に対して
 ・シングル/マルチ共に(特別永住者は)6年の許可期間が下りる。

 ②「朝鮮籍者」に対して

 (1)シングルでは
 ・3か月しか許可が下りない。
 ・渡航先が共和国の場合、中国ビザ申請の関係で「理由書」を記入するなどして6か月に延長する。
 
 (2)マルチでは
 ・最低2回の海外渡航予定を明記した場合のみ審査の対象となる。
 ・最低2回の海外渡航予定が無い場合、マルチでの許可は下りない。
 ・マルチで許可が下りた場合(特別永住者は)6年の許可期間となる。


というわけだ。

 更に付け加えると「韓国籍」者に対し、入管側が「間違って」短い許可期間で許可を出すという事例が発生しているようである。ずさんな管理体制が明らかになったと言えよう。

 そしてこれまた忘れがちだが、なぜ在日朝鮮人が共和国をはじめ日本の外に渡航するのに「許可」が必要なのか?そもそもこの「再入国許可」という制度自体が不当なものであるとの認識が必要だろう。日本が加入している国連・自由権規約委員会でも、日本で生まれ育った在日朝鮮人がその永住国である日本に帰るのは当たり前の権利として認めなければいけないものであり「許可」するというものではないとしている。(「朝鮮籍」者が有効な旅券である共和国パスポートを所持していても、それは日本では「有効な旅券」と認められない。そのため「朝鮮籍」者には「みなし再入国」も認められていない。)

 このように「朝鮮籍」者を排斥する政策が蔓延している。「朝鮮籍」=「共和国国籍」=「総聯支持者」とみなし超差別的な措置で孤立を高め排斥し、朝鮮籍者を消し去ろうとするための政策が今年3月に報道された「韓国籍」・「朝鮮籍」者数の分離集計だ。(実態が明らかになったのは今年だが、分離集計は4年前から行われていた。今年から新たに始まったのは「韓国籍」・「朝鮮籍」者数の分離「公表」である。)

  「日本に住む『北朝鮮国籍者』が実数以上に大きく見える」との自民党議員らからの主張のためと、3月5日付の記事で朝日新聞が伝えた。

[朝日新聞]在留外国人「韓国・朝鮮籍」を分離集計へ 政府、自民議員要求受け
 http://www.asahi.com/articles/DA3S12242056.html

 まるで「北朝鮮国籍者」をあぶり出し排斥すると言っているようなものである。
 この政策や上記のような「朝鮮籍」者への差別的措置が合わさった時、同胞はどう感じるだろうか。「朝鮮籍」者は炙り出され、「北朝鮮」のレッテルを貼られる。その上で生きていくのに不利な境遇に置かれる。多くの場合「韓国籍」や「日本籍」に変更し、朝鮮なるもの、総聯なるものとは関わりを持たないようにしようと考えるのではないだろうか。

 このような政策に対して必ずと言っていいほど湧き出る「反論」が「『朝鮮籍』は記号であって『北朝鮮国籍』ではない」というものである。もちろんその通りであるし、その認識がまるでなく、未だに「朝鮮籍」に関してわかっていない政治家や入管職員など問題外であるが、そのような主張を通し「自分は朝鮮籍でも北朝鮮とはなんの関係もない、だから差別するのは間違っている」とするのはいかがなものか。
 問題は在日朝鮮人個人と共和国の関係が有るか無いかではない。そこに強い関係性が有ったとしても上記のような差別的な政策は不当であるし、今すぐに撤回されるべきものである。共和国との関係性の有無を争点に「朝鮮籍」者排斥の政策に反対するならば、共和国を祖国とする少なくない在日朝鮮人との間に更なる分断を生んでしまう。そうなれば日本政府の思う壺ではないか。

 「朝鮮籍」者排斥の流れの中でも方向性を見失わず声を上げ続けたい。一刻も早く不当な「制裁」措置を撤回させ、在日朝鮮人全体の自主を獲得するために。(翔)

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中長距離弾道ロケット「火星-10」発射実験の成功が持つ意味

 6月22日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)で中長距離弾道ロケット「火星-10」の発射実験が成功裏に行われた。
 23日発朝鮮中央通信によると、「火星-10」は、予定飛行軌道に沿って最大頂点高度1413.6㎞まで上昇飛行し、400㎞前方の予定された目標水域に正確に着弾したという。
 今回の実験では、朝鮮式弾道ロケットの飛行動力学的特性と安全性及び操縦性、新たに設計された構造と動力系統に関する技術的特性が確証され、再突入区間での前頭部の耐熱性と飛行安全性が検証された。さらに周辺国家への安全に些細なる影響も及ぼさなかった。

※参考記事
[朝鮮新報]「火星-10」発射実験成功/中長距離弾道ロケット、1,413.6km上昇
 http://chosonsinbo.com/jp/2016/06/24riyo-jjj01/

火星-10

 今回の発射実験について、米国はじめとする勢力は「国際的義務に反する挑発行為」(米国・アーネスト大統領報道官)、「わが国の安全保障に対する深刻な懸念」(日本・中谷防衛大臣)と口をそろえて非難し、国連安全保障理事会はまたも実験を非難する報道声明を発表した。
 
 しかし、今年に入り、米国は大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」の発射実験を繰り返し行った。「ミニットマン」は許され、「火星」は非難されること自体が、きわめて理不尽なダブルスタンダードにほかならない。

※参考記事
[Record China]米軍が大陸間弾道ミサイルの発射実験を実施、ロシアや中国、北朝鮮に効力示す目的―米メディア
 http://www.recordchina.co.jp/a129996.html

 さらに、その裏では「史上最大規模」といわれた米「韓」合同軍事演習に飽き足らず、朝鮮に対する圧力を強めていた。
 「火星-10」発射実験前の6月17日、米国はグアム島の第8航空軍所属「B-52H」戦略爆撃機編隊を南朝鮮上空に飛ばし核爆弾投下演習を行う一方、13日には、「ミシシッピ」号核動力潜水艦を釜山港に引き入れ、いつでも朝鮮を核攻撃できる体制を整えた。

 しかし、非難声明や軍事演習、「史上最強の安保理制裁決議」が採択されても、朝鮮の核抑止力強化プロセスは止められなかった。「火星-10」発射実験は、経済建設と核武力建設の「並進路線」を進める朝鮮には「圧力」など通じず、むしろ米国の戦争挑発を無力化させている反証であるといえる。

 朝鮮は現在、人民生活の向上と経済建設に総力を挙げているが、未だ米国との交戦状態にあり、毎年軍事演習が繰り広げられるなど、「戦争でもない平和でもない」状態が続いている。そのような条件のもとで、戦争を未然に防ぎ平和的な環境をもたらすには、米国の核脅威に対抗できる能力が必要となる。だから、朝鮮は「敵対勢力の恒常的な脅威からわが祖国と人民の安全を保障するための自衛的措置」(6月24日、朝鮮外務省スポークスマン)として防衛力を強化する一方で、経済建設により一層拍車をかけているのである。

 「火星-10」発射実験を通じて、朝鮮の核能力が日増しに高まっているのとは裏腹に、米国の強硬路線がほころびを見せている事がより明らかになった。
 「わが共和国に対する米国の核の威嚇と制裁圧力策動が続く限り、それに伴うわれわれ式の自衛的対応措置も連続で講じられる」(6月24日、朝鮮外務省スポークスマン)と警告している。

 米国が対朝鮮敵視政策を放棄し、朝鮮半島からの米運撤退と平和協定の締結によって戦争状態に終止符を打つことが、今何よりも求められている。(崇)

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