留学同情勢ニュース

留学同が朝鮮半島情勢や在日同胞に関する記事を配信するブログです。

「JUST KOREA-朝鮮半島の山々は連なる」を観て思う

 朝鮮半島の山脈を縦走したニュージーランド人の写真家、ロジャー・シェパード氏の写真展、「JUST KOREA ― 朝鮮半島の山々は連なる」を見た。

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 朝鮮半島を南北に貫く山脈「白頭大幹(ペクトゥデガン)」の風景を、平和や統一への願いを込めて紹介する写真展で、京都の大谷大学韓国・朝鮮文化ゼミの主催のもと行われた。(現在も、東本願寺隣の、しんらん交流館にて実施中。10月31日まで。)

 「白頭大幹」とは、白頭山から始まり金剛山、雪岳山、太白山、智異山へ至る約1700mの山脈のことをいう。

 北から南まで、朝鮮半島を貫く一つの山脈としての白頭大幹の写真はどれも美しかった。しかし同時に、朝鮮半島の「分断」について考えさせられる。

 「日本に住む私たちは、朝鮮半島の分断についてどれほど知っているでしょうか。」

 「分断の悲劇とは、分断されている悲劇だけでなく、その悲しみに向き合わせない悲劇の構造のことです。」

 主催者の一人である、鄭祐宗氏のコメント。

 美しくのどかな白頭大幹の風景とは対照的に、朝鮮半島には現在も平和は訪れていない。当事者である朝鮮民族は分断以来、自由に南北を行き来できない状態にある。それは、在日朝鮮人においても同様である。一つに連なった白頭大幹にも境界線が引かれている。

 金剛山の写真を見ながら、南北関係が良好な時期には、毎日、何百・何千人という人が、南から金剛山観光に訪れたという話を思い出した。今は2008年の李明博政権成立後、保守政権による対北圧迫政策のもと、中止されたままである。韓国政府による在日朝鮮人に対する圧力・脅迫もますます強まっている(前々回記事「『大韓民国』旅券の発給に関して①参照http://rhtjnews.blog.fc2.com/blog-entry-55.html)。

 分断の原因・責任とは?

 美しい山々を見ながら、感動すると同時に、その山の中で闘った朝鮮人たちの姿を想像する。日本による侵略・植民地支配に対して、朝鮮戦争期における祖国解放戦争を闘った朝鮮人たちの姿を。

 朝鮮の山々には日帝・米帝によって踏みにじられた歴史があり、現在でも、南には米軍が居座り、親米傀儡政権、日本と共に、共和国に向けて軍事的・経済的圧迫を強化し続ける。

 なぜ祖国が分断しているのか。なぜ一つに連なった白頭大幹に境界線が引かれているのか。祖国分断を当たり前の事実として受け入れ、分断を固定化させた思考をしてしまってはいないか。

 自分たちの平和・自由・尊厳の問題であるにもかかわらず、祖国分断に向き合きあわせない悲劇の構造に抗うためにも、まずは認識から始めなければならない。

 外勢により分断を強いられた歴史を克服し、祖国の統一を目指すべきであると改めて感じた写真展だった。

 鄭祐宗氏のエッセイも素晴らしく、是非一度ご覧いただきたい。(貴)


【関連記事】

「One Korea Photography」
http://www.onekoreaphotography.com/

[京都新聞]「朝鮮半島貫く山脈、自然美と平和想い写す 京都で展示会」
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20161018000049

[朝鮮新報]ロジャー・シェパード「JUST KOREA ― 朝鮮の山々は連なる」を観て/朴敦史
http://chosonsinbo.com/jp/2016/10/1019ib-2/

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朝鮮大学校認可問題を巡る動きについて

 先日15日、東京で朝鮮学校「無償化」問題に関する学習会が行われた。200人近くの方々が参加し、真剣に学ぼうという熱気に包まれていた。私自身参加しながら、最後まであきらめずに闘うことの大事さと、知識・論理をしっかり持って対抗する必要性を改めて感じた。

 「3.29通知」以降(※)、予想通り(悪い意味で)各地に影響が出始め、朝鮮学校を取り巻く状況はますます厳しくなっている。そんな中、東京都知事に就任した小池百合子知事は、今年の2月19日に都のHPから削除した「朝鮮学校調査報告書」の再掲載を指示した(実際に再掲載されている)。それと関連して、「都が各種学校として認可した朝鮮大学校の適否も検証するものとみられる」といった憶測報道が流れた。

※「3.29通知」については、下記の記事を参照されたい。
 [留学同情勢ニュース]「3.29文科省通達」に関して-またも繰り広げられる国家的「朝鮮学校潰し」
  http://rhtjnews.blog.fc2.com/blog-entry-27.html

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 検証とはいうものの、実際にそのような動きに踏み切った場合、その最終目的は間違いなく朝鮮大学校、ひいては朝鮮学校の各種学校認可を取り消すことにあるだろう。今のところ表立った動きはなく、常識的に考えればそのような無茶が通るはずがないと思うだろうが、歴史を振り返るまでもなく現状を見るだけでも、都が「検証」に踏み切る可能性は大いにあると言わざるを得ない。十分に警戒する必要があるだろう。

 そもそも、都知事に朝鮮大学校の各種学校認可を取り消すことは可能なのか。都知事の権限を確認してみよう。

①各種学校に対する認可権と閉鎖命令

・都知事は各種学校の認可権を有する[学校教育法134条2項]
・都知事は各種学校の閉鎖を命ずることができる[学校教育法13条1項]

*どのような場合に閉鎖命令を下せるのか
 一 法令の規定に故意に違反したとき
 二 法令の規定により当該都道府県の教育委員会又は都道府県知事がした命令に違反したとき
 三 六箇月以上授業を行わなかつたとき


 各種学校認可の取消という制度はなく、法的手段としてあるのは閉鎖命令である。

②学校法人解散命令[私立学校法62条]
 学校そのものを閉鎖させるのではなく、その運営している学校法人に解散命令を下すことができる。

*どのような場合に解散命令を下せるのか
 「学校法人が法令の規定に違反し、又は法令の規定に基く所轄庁の処分に違反した場合においては、他の方法により監督の目的を達することができない場合に限り、当該学校法人に対して、解散を命ずることができる」
 「所轄庁は、前項の規定による解散命令をしようとする場合には、あらかじめ、私立学校審議会等の意見を聴かなければならない」

③認可の撤回
 明文規定はないものの、行政法上認められている措置である。認可後、学校法人による違法行為があった場合、撤回措置をとることができるという。


 このように、制度として認可の取消はないものの、学校の閉鎖と学校法人の解散に対する権限を都知事は持っている。

 「閉鎖」と「解散」。思い起こされるのは1948-49年の朝鮮学校閉鎖令と朝連の強制解散である。近年の「無償化」問題や補助金問題をはじめとした「朝鮮学校つぶし」の動きの根底にあるのは、日本における朝鮮人による民族教育を認めてこなかった日本の70年の歴史である。「朝鮮学校つぶし」の最終目標は「閉鎖」と「解散」であろう。今度こそ何としても未然に防がなければならない。現在繰り広げている「無償化」・補助金闘争を、反転のきっかけにしなければならない。そのためにも自分がすべきことを問い直さなければならない。

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 朝鮮大学校は、1956年創立され今年で60周年を迎える。各種学校認可を受けたのは1968年である。当時の東京都知事であった美濃部亮吉は、朝鮮大学校認可問題に対する基本的な立場として以下のように述べていた。

 「この問題を政治的な見解によってではなくあくまで行政ベースで判断すること」
 「行政ベースで処理するというのは、在日朝鮮人の教育全般を検討することではなく、「朝鮮大学校」が私立各種学校としての資格をもっているかどうかを、その設置基準にてらして判断することにとどまる」


 今後都が「検証」に乗り出した場合、政治上の理由を持ち出すことは不当であり、行政上の問題であることを強調する必要がある。
(あくまで各種学校認可に関する限り、政治を持ち出すのはおかしいと言っているのであり、朝鮮学校を取り巻く問題に政治性がないと言っているわけではない。むしろ私は、朝鮮学校を語るとき、その政治性・歴史性を抜きに語ることはできないと考えている)。(匡)

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「大韓民国」旅券の発給に関して①

 昨今、南朝鮮(大韓民国)領事館などからの旅券をめぐっての嫌がらせが勢いを増している。「○○○しなければ旅券は発給できない」などと脅しをかけ、思想の転向を迫り、家族や親族内での分断を助長させている。

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 そこでだ。本当にそのように従わなければ、旅券は発給されないのか?答えは否である。

 領事などが大韓民国の旅券の発給を拒否できる事由は、旅券法に定まっている。よって好き勝手発給しないということはできず、領事もこの旅券法に従わなければならないのである。

 特に私たち学生などは法律に疎いところにつけこまれ、多種多様な嫌がらせをしてくる。そこでしっかりとした知識をもっておくことは非常に大事である。

 これに関して全2回にわたって説明したいと思う。貴重な留学同情勢ブログの場ではあるが、生活上大事な問題なので。今回は「大韓民国」旅券法について述べる。

 本法第3章第12条は「旅券の発給等の拒否または制限」となっている。
 これに該当した場合にのみ旅券が発給されない、逆にいうと日本で生活している「韓国」籍の在日朝鮮人一般のほとんどがこれに該当しないため、旅券法上は旅券が発給されないというのは法的にほぼあり得ないのである。

 よって、領事から受ける様々な嫌がらせや脅しを受けたときは、法的根拠を示せということをしっかり言い、毅然と立ち向かったらいい。

※筆者は朝鮮籍で、「大韓民国」旅券をそもそも持ち得ないし(持ちたいとも思わない)、「大韓民国」旅券の使用を積極的に促す立場にも考えもないことは最低限の立場表明としてさせていただく。

 以下、「大韓民国」旅券法第3章第12条をそのまま翻訳する。(拙い筆者訳で申し訳ありませんが。)(洪)

****************
①外交部長官は次の各号のどれか一つに該当する人に対しては旅券の発給及び際発給を拒否できる。

1.懲期2年以上の刑に該当する罪を犯し起訴されている者、または懲期3年以上の刑にあたる罪を犯し国外に逃避し起訴中止になった者
2.第24条から第26条(※注①)までの規定された罪を犯し宣告されその執行が終了しなかったり、執行をされないと確定されていない者
3.第2号(上記の2)以外の罪を犯し禁錮以上の刑を宣告されその執行が終了しなかったり、その執行をされないと確定されていない者
4.国外で大韓民国の安全保障・秩序維持や、統一・外交政策に重大な侵害を躍起する憂慮がある場合、次の各項目のどれかに該当する者
(イ)出国時、テロ等で生命や身体の安全が侵害される危険が高い人
(ロ)「保安観察法」第4条に沿って保安観察処分を受け、その期間中にあり、同法第22条により警告を受けた人(※注②)

②外交部長官は第1項第4号に該当する者か否かを判断しようとする際に事前に法務部長官と協議し、第18条による旅券政策審議委員会の審議にかけなければならない。

③外交部長官は次の各号のいずれかに該当する者に対してはその事実がある日から1年以上3年以下の期間、旅券の発給または再発給を制限できる。

1.第1項(上記①)第2号で規定する罪を犯しその刑の執行を終了したりその刑の執行をされないと確定した者
2.外国での違法な行為等で国威を大きく損傷した事実が、在外公館または関係行政機関から通報された人

④外交部長官は第一項(上記①)や第三項(上記③)によって旅券の発給または再発給が拒否されたり制限された人に対し、緊急の人道的事由及び大統領令で定める事由がある場合は、該当事由による旅行目的としてだけ使用できる旅券を発給することもありえる。

****************
※注① 第24条~第26条は書類の虚偽事実や不正入手、他者の旅券の悪用や他者への譲渡などでの罰則規定について叙述がある。
 
※注②  保安観察処分とは?

- 保安観察法第4条(保安観察処分)
①第3条に該当する者中保安観察該当犯罪を更に犯す危険性があると認める充分の理由があって再犯の防止のための観察が必要な者に対しては、保安観察処分をする。
②保安観察処分を受けた者は、この法律が定めるところにより、所定の事項を住居地管轄警察署長(以下"管轄警察署長"という。)に申告し、再犯防止に必要な範囲内においてその指示により保安観察を受けなければならない。

- 保安観察法第3条とは?
(保安観察処分対象者)
この法律において"保安観察処分対象者"とは、保安観察該当犯罪又はこれと競合された犯罪で禁錮以上の刑の宣告を受けてその刑期合計が3年以上である者であって刑の全部又は一部の執行を受けた事実がある者をいう。

- 保安観察該当罪とはどういったものであろうか?
保安観察法第2条(保安観察該当犯罪)
この法律において"保安観察該当犯罪"とは、次の各号の1に該当する罪をいう。
1.刑法第88条・第89条(第87条の未遂犯を除く。)・第90条(第87条に該当する罪を除く。)・第92条から第98条まで・第100条(第99条の未遂犯を除く。)及び第101条(第99条に該当する罪を除く。)
2.軍刑法第5条から第8条まで・第9条第2項及び第11条から第16条まで
3.国家保安法第4条、第5条(第1項中第4条第1項第6号に該当する行為を除く。)、第6条、第9条第1項・第3項(第2項の未遂犯を除く。)・第4項

以下、各号に該当する罪を見ていく。
(国家保安法中の各該当刑法までについては割愛させていただく)

△大韓民国 刑法
第二編 各則
第一章 内乱の罪
第87条(内乱) 国土を嶄絕したり、国憲を乱したりする目的で暴動した者は次の区別により処断する。
 1.首魁は死刑、無期懲役または無禁錮に処する。
 2.謀議に参与したり指揮したり、その他重要な任務に従事した者は死刑、無期または5年以上の懲役や禁錮に処する。殺傷、破壊または略奪の行為を実行する者も同じ。
 3.附和随行したり単純に暴動に関与した者は5年以下の懲役及び禁錮に処する。
第88条(内乱目的の殺人)国土を嶄絕したり、国憲を乱したりする目的で人間を殺害した者は死刑、無期懲役または無禁錮に処する。
第89条(未遂犯)前2条の未遂犯は処罰する。
第90条(豫備、陰謀、扇動、宣伝)
 ①第87条または第88条の罪を犯す目的で豫備または陰謀した者は3年以上の有期懲役や有期禁錮に処する。但し、その目的した罪の実行に至る前に自首した場合はその刑を減刑または免除する。
 ②第87条または第88条の罪を犯すことを扇動または宣伝する者も前項の刑と同じである。

第二章 外患の罪
第92条(外患誘致)外国と通謀し大韓民国に対し戦端を開いたり外国人と通謀し大韓民国に抗敵した者は死刑または無期懲役に処する。
第93条(與敵)敵国と合勢して大韓民国に抗敵した者は死刑に処する。
第94条(募兵利敵)
 ①敵国のために募兵した者は死刑または無期懲役に処する。
 ②前項の募兵に応じた者は無期または5年以上の懲役に処する。
第95条(施設提供利敵)
 ①軍隊、要塞、陣営または軍用に供する船舶や航空機、その他場所、設備または建造物を敵国に提供した者は死刑または無期懲役に処する。
 ②兵器または弾薬その他軍用に供する物件を敵国に提供した者も前項と同じである。
第96条(施設破壊利敵)敵国のために前条に記載した軍用施設その他物件を破壊したり使用できないようにした者は死刑または無期懲役に処する。
第97条(物件提供利敵)軍用に供しない兵器、弾薬または戦闘用に供せる物件を敵国に提供した者は無期または5年以上の懲役に処する。
第98条(間諜)
 ①敵国のために間諜したり敵国の間諜を幇助した者は死刑、無期、または7年以上の懲役に処する。
 ②軍事上の機密を敵国に漏泄した者も前項の刑と同じである。
第100条(未遂犯)前8条の未遂犯は処罰する。
第101条(豫備、陰謀、扇動、宣伝)
①第92条~第99条の罪を犯す目的で豫備または陰謀した者は2年以上の有期懲役に処する。但し、その目的の罪の実行に至るまでに自首した者はその刑を減刑または免除する。
 ②第92条~第99条の罪を扇動または宣伝する者も前項の刑と同じである。

△大韓民国 軍刑法
第5条(反乱)作黨して兵器を携帯し反乱を起こした者は次の各号の区分に沿って処罰する。
 1.首魁:死刑
 2.反乱謀議に参与したり、反乱を指揮したり、その他反乱で重要な任務に従事した者と反乱時殺傷、破壊または略奪行為をした者:死刑、無期または7年以上の懲役または禁錮
 3.反乱に附和雷同したり、単純に暴動にだけ関与した者:7年以下の懲役または禁錮
第6条(反乱目的の軍用物奪取)反乱を目的として作黨し、兵器、弾薬またはその他に軍用に供する物を奪取した者は第五条の例により処罰する。
第7条(未遂犯)第5条と第6条の未遂犯は処罰する。
第8条(豫備、陰謀、扇動、宣伝)
 ①第5条または第6条の罪を犯す目的で豫備、または陰謀した者は5年以上の有期懲役や有期禁錮に処する。しかし、その目的した罪の実行に至る前に自首した場合はその刑を減刑したり免除する。
 ②第5条または第6条の罪を犯すことを扇動したり宣伝した人も第一項の刑に処する。
第9条(反乱不報告)
 ①反乱を知ってもこれを上官またはその他の関係官に直ちに報告しなかった者は2年以下の懲役や禁錮に処する
 ②第一項の場合に敵に有利になるように報告しなかった人は7年以下の懲役や禁錮に処する。
第2章 利敵の罪
第11条(軍隊及び軍用施設の提供)
 ①軍隊要塞、陣営または軍用に供する艦船や航空機またはその他の場所、設備または建造物を
 敵に提供した者は死刑に処する
 ②兵器、弾薬またはその他に軍用に供する物を敵に提供した者も第一項の刑に処する。
第12条(軍用施設等破壊)敵のために第11条に規定された軍用施設またはその他の物件を破壊したりしようできなくした者は死刑に処する。
第13条(間諜)
 ①敵のために間諜行為をした者は死刑に処し、敵の間諜を幇助した者は死刑または無期懲役に処する。
 ②軍事上の機密を敵に漏泄した者も第1項の刑に処する。
 ③次の各号のいずれかに該当する地域または機関で第1項または第2項の罪を犯した者も第1項の刑に処する。
  1.部隊、基地、軍港地域またはその他の軍事施設保護のための法令により告示されたり公 
  告された地域
  2.部隊移動地域・部隊訓練地域・代間諜作戦地域またはその他に軍が特殊作戦を遂行する地域
  3.「防衛事業法」により指定さたり委嘱された防衛産業体と研究機関
第14条(一般利敵)第11条から第13条までの行為以外に次の各号のいずれかに該当する行為をした者は死刑、無期、または5年以上の懲役に処する。
  1.敵のために進路を引導したり地理を教えた者
  2.敵に降服するために指揮官にこれを強要した者
  3.敵をかくまったり庇護した者
  4.敵のために通路、橋梁、灯台、標示またはその他の交通施設を損壊したり普通にしたりその他の方法で部隊または軍用に供する艦船、航空機または車両の往来を妨害した者
  5.敵のために暗号または信号を使用し、命令、通報または報告の内容を誤って伝達したり伝達を怠けたりしたり、虚偽の命令通報や報告をした者
6.敵のために部隊、艦隊、編隊または隊員を解散させたり混乱したりし、その連絡や集合
を妨害した者
  7.軍用に供しない兵器、弾薬、または戦闘用に供せる物を敵に提供した者
  8.その他に大韓民国の軍事上の利益を害したり敵に軍事上の利益を提供した者
第15条(未遂犯)第11条から第14条までの未遂犯は処罰する。
第16条(豫備、陰謀、扇動、宣伝)
  ①第11条から第14条までの罪を犯す目的で豫備または陰謀をした者は3年以上の有期懲役に処する。但しその目的とした罪の実行に至る前に自首した場合はその刑を減刑したり免除する。
  ②第11条から第14条までの罪を犯すことを扇動したり宣伝した者も第1項の刑に処する。

△大韓民国国家保安法
第4条(目的遂行)
①反国家団体の構成員又はその指令を受けた者が、その目的遂行のための行為をしたときは、次の区別により処罰する。
  1.刑法第92条から第97条まで・第99条・第250条第2項・第338条又は第340条第3項に規定された行為をしたときは、その各条に定めた刑に処する。
  2.刑法第98条に規定された行為をし、又は国家機密を探知・蒐集・漏洩・伝達し、又は仲介したときは、次の区別により処罰する。
 イ 軍事上の機密又は国家機密が国家安全に対する重大な不利益を回避するために限定された人にのみ知り得ることが許され、敵国又は反国家団体に秘密にしなければならない事実、物件又は知識である場合には、死刑又は無期懲役に処する。
 ロ イ目以外の軍事上機密又は国家機密の場合には、死刑・無期又は7年以上の懲役に処する。
 3.刑法第115条・第119条第1項・第147条・第148条・第164条から第169条まで・第1 77条から第180条まで・第192条から第195条まで・第207条・第208条・第210条・第250条第1項・第252条・第253条・第333条から第337条まで・第339条又は第340条第1項及び第2項に規定された行為をしたときは、死刑・無期又は10年以上の懲役に処する。
 4.交通・通信、国家又は公共団体が使用する建造物その他重要施設を破壊し、又は人を略取・誘引し、又は艦船・航空機・自動車・武器その他物件を移動・除去したときは、死刑・無期又は5年以上の懲役に処する。
  5.刑法第214条から第217条まで・第257条から第259条まで又は第262条に規定された行為をし、又は国家機密に属する書類又は物品を損壊・隠匿・偽造・変造したときは、3年以上の有期懲役に処する。
 6.第1号から第5号までの行為を煽動・宣伝し、又は社会秩序の混乱を造成するおそれがある事項に関して虚偽事実を捏造し、又は流布したときは、2年以上の有期懲役に処する。
②第1項の未遂犯は、処罰する。
③第1項第1号から第4号までの罪を犯す目的で予備又は陰謀した者は、2年以上の有期懲役に処する。
④第1項第5号及び第6号の罪を犯す目的で予備又は陰謀した者は、10年以下の懲役に処する。
第5条(自進支援・金品収受)
①反国家団体又はその構成員又はその指令を受けた者を支援する目的で自進して第4条第1項各号に規定された行為をした者は、第4条第1項の例により処罰する。
②国家の存立・安全又は自由民主的基本秩序を危うくするという情を知って反国家団体の構成員又はその指令を受けた者から金品を収受した者は、7年以下の懲役に処する。
③第1項及び第2項の未遂犯は、処罰する。
④第1項の罪を犯す目的で予備又は陰謀した者は、10年以下の懲役に処する。
第6条(潜入・脱出)
①国家の存位・安全又は自由民主的基本秩序を危うくするという情を知って反国家団体の支配下にある地域から潜入し、又はその地域に脱出した者は、10年以下の懲役に処する。
②反国家団体又はその構成員の指令を受け、又は受けるために又はその目的遂行を協議し、又は協議するために潜入し、又は脱出した者は、死刑・無期又は5年以上の懲役に処する。
③第1項及び第2項の未遂犯は、処罰する。
④第1項の罪を犯す目的で予備又は陰謀した者は、7年以下の懲役に処する。
⑤第2項の罪を犯す目的で予備又は陰謀した者は、2年以上の有期懲役に処する。
第9条(便宜提供)
①この法律第3条から第8条までの罪を犯し、又は犯そうとする者であるという情を知って銃砲・弾薬・火薬その他武器を提供した者は、5年以上の有期懲役に処する。
②この法律第3条から第8条までの罪を犯し、又は犯そうとする者あるという情を知って金品その他財産上の利益を提供し、又は潜伏・会合・通信・連絡のための場所を提供し、又はその他の方法で便宜を提供した者は、10年以下の懲役に処する。ただし、本犯と親族関係があるときは、その刑を減軽又は免除できる。
③第1項及び第2項の未遂犯は、処罰する。
④第1項の罪を犯す目的で予備又は陰謀した者は、1年以上の有期懲役に処する。


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朝鮮の水害と経済制裁

 既に広く報道されているように、8月下旬の台風により朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の咸鏡北道・豆満江沿岸が解放後の気象観測以来初めてとなる突風と豪雨に見舞われ、複数の市・郡が莫大な自然災害を被った。咸鏡北道北部地区では、数万世帯の家屋と公共施設が崩れ、線路と道路をはじめとする交通網と電力供給系統、工場・企業所、耕地が破壊され、浸水した。国連と国際赤十字委員会によると、朝鮮政府は死者133人と行方不明者400人近く、住宅の破壊や農作物への被害を報告している。

*参考記事

[朝鮮新報]咸鏡北道水害復旧作業に尽力
 http://chosonsinbo.com/jp/2016/09/12riyo-jjj01-3/

[毎日新聞]北朝鮮 洪水死者133人に 不明395人、被害深刻 
 http://mainichi.jp/articles/20160913/k00/00m/030/160000c

[朝鮮新報]隣接する咸鏡南道など、全国が支援/咸鏡北道水害復旧事業 
 http://chosonsinbo.com/jp/2016/09/27riyo-jjj01/

[朝鮮新報]478.35kmの鉄道復旧/咸鏡北道水害復旧事業 
 http://chosonsinbo.com/jp/2016/09/03-riyo01/

 国連の食糧支援機関である世界食糧計画(WFP)は9月13日、水害のあった朝鮮北部の住民14万人以上に食料を配給したと発表。また、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)はemergency appealを発動し、現地に人員を派遣すると同時に、各国の赤十字社に支援を呼び掛けている。日本赤十字社の国際支援課に問い合わせたところ、朝鮮に対する直接的な支援ではないが、連盟が行う復興活動を支援するための資金として、1000万円を拠出する予定だそうだ。間接的な支援にはなるが、一般の寄付も受け付けている。

*参考

日本赤十字社HP「国内義援金 海外救援金のご協力」
http://www.aichi.jrc.or.jp/sanka/relief_condolence_money.html

 国際機関や赤十字が行っているように、また、朝鮮が国際社会に訴えているように、今朝鮮では復興のためのあらゆる支援が求められている。
 このような状況の中、日本と韓国が取った対応は以下のとおりである。

*参考記事

[時事通信]北朝鮮洪水支援せず=核実験理由に-岸田外相
 http://www.jiji.com/jc/article?k=2016091400628&g=prk

[朝鮮日報]北朝鮮水害への支援 「現時点では考慮せず」=韓国政府
 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/09/27/2016092701173.html

 参考までに、日本は2011年に起きた東日本大震災の際、朝鮮から義援金10万ドルを赤十字社、在日本朝鮮人総聯合会(総聯)を通して受け取っている。また、南朝鮮(韓国)は2006年に朝鮮で起きた水害の際、2300億ウォン(約210億円)の支援をしている。政治的意図のない人道支援とは、かくあるべきだろう。

 にもかかわらず、核実験や安保理決議を理由に支援を行わないというのは、人道主義に真っ向から反する行為であるし、それこそ人がとる行動ではない。

 日本においては、政府として支援を行わないばかりか、一般の人たちによる支援金の送金や持ち込みでさえも、制裁を理由にさせまいとしている。経産省、財務省に問い合わせたところ、人道支援目的でさえも、10万円以上のお金を朝鮮に持ち込むことを禁止している。
 制裁そのものが不当極まりないものであることは言うまでもないが、私たちは一体いつから人道支援すらできないようになってしまったのだろうか。日本が行う経済制裁の根拠としている国連安保理決議には、人道支援目的の送金は除外されているというのに。

 政府として人道支援をしないばかりか、善良な思い、人として当然湧き上がる思いから集まる、一般の人たちのわずかなお金すら朝鮮に送らせないようにする日本当局は、断固糾弾されるべきであるし、本当に日本も来るところまで来たなと思わざるを得ない。一体このような体制の中、どのように日朝友好を描こうとしているのか、日本政府に伺ってみたいものだ。

 こんな時だからこそ、朝鮮が水害から一刻も早く復帰できるようにに、支援する方法を積極的に模索するべきである(滉)

水害①

水害②

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