留学同情勢ニュース

留学同が朝鮮半島情勢や在日同胞に関する記事を配信するブログです。

朝鮮学校「無償化」指定処分取消訴訟-広島地裁判決について

 2017年7月19日、朝鮮学校高校無償化裁判の判決が広島地裁であった。全国で5つの裁判所にて起こされた同種の判決の中では初めての判決。

 結果は、原告(朝鮮学園側)のすべての訴えを却下した。
 国家の差別を司法が追認した差別を助長する判決といわれるが、それ以前に、判決要旨自体が、偏見に満ちた汚く醜いものであった。
 判決全文に関しては、もっとひどく暴力的な文章であることが予想されるので読みたくもないが、追って注視したい。

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(写真は朝鮮新報より)

 判決要旨の主たる部分をまとめると、
 「就学支援金を支給したとしても、授業料に係る債権に充当されないことが懸念され」るために、支給の基準に適合しないとした文部科学大臣の判断は裁量の範囲内であるこというもの。その理由として、「虚偽の申告」や「不当な働きかけ」が行われる疑いがあるという。
 つまり、「朝鮮学校に就学支援金を渡すと、そのお金は保護者に渡らず北朝鮮に渡ったり朝鮮総連の人間が不正に使ったりするので、ストップさせた文部科学大臣の判断は間違っていない」 ということを裁判所が認めた。
 そこには朝鮮民主主義人民共和国や朝鮮総聯による「不当な支配」があるということが言及され、教育基本法16条1項で禁じる「不当な支配」論を使っている。
 「その他の原告らの主張は採用できず、」と、憲法、国際人権法上の学習権、幸福追求権、平等権などについての言及はなく、ひたすら「不当な支配」を強調することに苦心している。

 まず、朝鮮民主主義人民共和国や朝鮮総聯に対する偏見が明らかに見られる。「不当な働きかけ」や「不当な支配」というものを、法の趣旨や目的とも離れて無批判に使っている。そこには、朝鮮や朝鮮総聯に対して、「不法な国家」、「不法な団体」という認識が見える。
 さらに、そもそも「不当な支配」は、戦前の反省から日本の国家による不当な介入を防ぐためのものであり、それを恣意的に解釈した被告(国側)の論理をそのままなぞっている。この論理を認めてしまえば、国家の都合のよいようにいくらでも転用される危険があり、条文の本来の趣旨と全く逆の結果を招くことになる。

 1月の大阪での補助金裁判判決と今回の判決を見る限り、日本の裁判所は、朝鮮人に対する偏見丸出しで、国家の解釈や行動にお墨付きを与えるだけの存在でしかないらしい。憲法、国際人権法上の「人権」の観点など一ミリも見えず、国家の独立した主権も知らず、私学の自由などの教育法上の原則も無視した、100%国家追認の判決。日本の行く末を考えれば、歴史的な判決(もちろん悪い意味で)なのかもしれない。

 7月28日には大阪地方裁判所にて判決が出るが、私たちに求められるものは、理念も信念もない国家権力の奴隷裁判所などに期待することではなく、自分たちの力で自主的な民族教育を発展させ、自分たちの政治闘争で権利を獲得することしかないと改めて思い知らされた事件だった。(貴)

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南北朝鮮、そして米国

 7月4日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)は大陸間弾道ロケット(ICBM)「火星14」の試験発射に成功したと報じた。

【조선중앙통신】조선민주주의인민공화국 국방과학원 보도 ――대륙간탄도로케트 ≪화성-14≫형시험발사 성공
http://www.kcna.kp/kcna.user.special.getArticlePage.kcmsf

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 報道によれば、「火星14」は共和国の西北部地帯で発射され、予定された飛行軌道に沿って39分間飛行し朝鮮東海の公海上に設定した目標水域を正確に打撃したとしている。ちなみに、周辺諸国の安全にいかなる否定的な影響も与えなかったそうだ。

 当初、米太平洋軍は「中距離弾道ミサイル」と判断していたが、翌日米国務長官が「大陸間弾道ミサイル(ICBM)」だと認めたようだ。

【日本経済新聞】「「北朝鮮ミサイルはICBM」 米国務長官が非難」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H1J_V00C17A7MM0000/

 米「韓」両軍は、早速日本海でミサイル発射訓練を実施した。先日の米韓首脳会談の成果というべきか。着々と軍事同盟が強化されている。

【時事通信】米韓がミサイル発射訓練「北朝鮮指導部攻撃可能」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170705-00000014-jij-kr


【聯合ニュース】文大統領がミサイル射撃訓練指示「声明で対応する状況ではない」
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/07/05/0200000000AJP20170705000700882.HTML

 彼は朝鮮半島の自主的で平和的な統一など望んでいないのであろうか。米国との関係強化への力の入れようが凄まじい。民衆による「キャンドル革命」で誕生した政権であることを改めて肝に銘じ、冷静に判断する必要があるのではないか。「キャンドル革命」は民衆による運動であり、それイコール文在寅政権ではないはずだ。民衆の運動と政権とは分けて見るべきところはしっかりと分けて見なければならない(日本にいる身で偉そう言える立場にないとは思うが、日本にいるからこそしっかりと物事を見る目を養わなければならないとも思う)。
 そもそも、文在寅大統領はその就任演説で「韓」米同盟をより強化するとはっきりと言っている。この演説を聞いて喜びよりも残念に思った人もいるのではないだろうか。

【민중의 소리】[전문]19대 태통령 문재인 ‘국민께 드리는 말씀’
http://www.vop.co.kr/A00001157931.html

 基本的なことかもしれないが、「北の核問題解決」という認識を何よりもまず改めなければいけない。この問題に対して、共和国にのみ問題があり一方的に非があるといった認識は、どこまでいっても帝国主義的であり強者の論理でしかない。

 共和国の民族和解協議会は、6.15発表17周年に際して北南関係改善に関する重要な問いかけを行った。

【조선중앙통신】온 민족의 이름으로 남조선당국의 묻는다 ――민족화해협의회의 공개질문장
http://www.kcna.kp/kcna.user.article.retrieveNewsViewInfoList.kcmsf#this

 質問項目の一つ目は「外部勢力との共助を排撃し、わが民族同士の理念を土台にして、北南関係を自主的に解決する意志があるのか」となっているが、これこそが北南関係における根本的な問題であり、一番重要な部分である。

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 そして米国である。『マスコミに載らない海外記事』というサイトで興味深い記事を目にした。

【マスコミに載らない海外記事】「ワシントンが16年間戦争をしているのはなぜか」
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/16-69f8.html

 冒頭から少し引用してみよう。

 「米国は、16年間、中東と北アフリカで、戦争をし続けて、何兆ドルも経費がかさみ、計り知れない戦争犯罪をおかし、何百万人もの戦争難民を送り込んで、ヨーロッパに重荷を負わせ、同時に、ワシントンには、社会保障やメディケアの義務を守る余裕がなく、あらゆる文明国にある国民皆保険の資金がないと主張している」

 ここ数十年の米国の特徴としては、「人道的」目的という名にによる軍事介入をあげることができるだろう。それと関連する形で2000年代に入り新しく主張されるようになった概念として、権利と「予防戦争」がある。これは、国際法の範囲に含まれるかもしれない先制攻撃とは異なる考え方である。

 ノーム・チョムスキーによれば「予防戦争」とは、「想像上あるいはでっち上げの脅威を排除するために軍事力を行使すること」であり、「予防戦争は戦争犯罪の範疇に含まれる」としている。

 さらに、予防戦争の標的となる特徴として次の3つをあげている。

 一、実質的に無防備でなければならない
 二、わざわざ苦労するだけの価値がある重要な相手でなければならない
 三、その相手を究極の悪呼ばわりし、我々の生存を脅かすさし迫った脅威として描く方法がなければならない

 上記3つの条件すべてを満たしていたのがイラクであり、結果引き起こされたのがイラク戦争である。米国は、イラクが「大量破壊兵器」を保持していることが確実だということを持って侵攻を正当化したが、実際には大量破壊兵器など存在しないことが明らかになると、「兵器製造に使用可能と思われる設備の発見によって」自らが正しかったと主張を変えたのである。何とも無茶な話であるが、それで実際に戦争が引き起こされたのである。事実などどうでもよく、米国が行ったことが「正しい」のだと、米国実例を持って証明したのだ。

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 話を共和国に戻そう。上記の3つの条件の内、共和国は下の二つが当てはまっているといえるだろう。言い方を変えれば、共和国が「実質的に無防備」ではないから、米国は予防戦争を仕掛けられないのである。共和国にのみ核の放棄を強要することは、朝鮮半島の平和に近づくどころか、戦争へと近づくということをどれだけの人が真剣に考えているのだろうか。

 最後に、今回の大陸間弾道ロケット試験発射成功に伴いなされた共和国の主張を引用しよう。

 「米帝との長きにわたる対決がついに最終局面に入ったと、われわれの警告を無視して我々の意志を試している米国にはっきりと見せつける時が来た」。

 「米国の対朝鮮敵視政策と核威嚇が根源的に一掃されない限り、われわれはいかなる場合にも核と弾道ロケットを協商のテーブルに置かないし、われわれが選択した核戦力強化の道からたった一寸も退かない」。

【조선중앙통신】반제반미대결전에서 이룩한 주체조선의 위대한 승리 ――대륙간탄도로케트 ≪화성14≫형 시험발사 성공
http://www.kcna.kp/kcna.user.special.getArticlePage.kcmsf

 追い詰められているのは、はたして共和国か、米国か。(匡)

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