留学同情勢ニュース

留学同が朝鮮半島情勢や在日同胞に関する記事を配信するブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

「3.29文科省通達」に関して-またも繰り広げられる国家的「朝鮮学校潰し」

 新学年度が始まり、朝鮮学校の生徒たちも始業式に向けて気持ち新たに色々と準備をしている最中だと思うが、そんな中とても許しがたいことが起きた。
 3月29日、文部科学省は馳浩大臣の名義で朝鮮学校が所在する都道府県知事宛てに、「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について」という通知を出した。

 通知文は以下の通りだ。(下線は作者がつけたもの)

**********

文科大臣通知
27文科際第171号
平成28年3月29日
北海道外1都2府24県知事 殿

文部科学大臣 馳 浩

朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について(通知)

 朝鮮学校に係る補助金交付については、国においては実施しておりませんが、各地方公共団体においては、法令に基づき、各地方公共団体の判断と責任において、実施されているところです。
 朝鮮学校に関しては、我が国政府としては、北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総聯が、その教育を重要視し、教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしているものと認識しております。
 ついては、各地方公共団体におかれては、朝鮮学校の運営に係る上記のような特性も考慮の上、朝鮮学校に通う子供に与える影響にも十分に配慮しつつ、朝鮮学校に係る補助金の公益性、教育振興上の効果等に関する十分な御検討とともに、補助金の趣旨・目的に沿った適正かつ透明性のある執行の確保及び補助金の趣旨・目的に関する住民への情報提供の適切な実施をお願いします。
 また、本通知に関しては、域内の市区町村関係部局に対しても、御周知されるよう併せてお願いします。
 なお、本通知の内容については、総務省とも協議済みであることを申し添えます。


**********

 この通達に関しては、各メディアでも報道されているし、馳氏自身も会見で言及している。

 [朝日新聞]朝鮮学校への補助金、再考促す 文科省、都道府県に通知
 http://www.asahi.com/articles/ASJ3X5362J3XUTIL02N.html

 [毎日新聞]文科省:朝鮮学校補助で通知…「透明性の確保を」
 http://mainichi.jp/articles/20160329/k00/00e/040/214000c

 [NHK]朝鮮学校への補助金 文科相「適切な対応を」
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160329/k10010460171000.html

 ◆馳浩文部科学大臣記者会見録(平成28年3月29日)
 http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1369062.htm

 この通達に関しては、政治的、差別的、卑劣、卑怯…どのような言葉を並べても足りないくらいだ。全くもって不法・不当である。朝鮮学校を潰しを目的とした1948年の「学校教育局長通達」や、1965年の「文部事務次官通達」と同じではないか。
 今回の通知は要するに、朝鮮学校は「北朝鮮」とつながりがある朝鮮総聯の影響を受けている(「北朝鮮」=朝鮮総聯=朝鮮学校だ)から、補助金を支給するときは十分そこに「配慮」するように、という内容の通知を朝鮮学校がある全国都道府県知事宛に出したのである。これは、朝鮮学校が営む民族教育に対する不当な政治介入であることは言うまでもない。
 この通知は、各地方自治体で判断している補助金の交付に関して、文科大臣の名義で「留意」を促すという異例の措置であり、極めて政治的かつ差別的である。さらには地方自治を統括する総務省にも根回しを行い、逃げられないようにしている。大臣名義でこのような通知を各知事に出したという時点で、実質的には補助金の支給停止を促しているようなものだし、はっきり言って脅しも同然である。なのに文科省は「(この通知は)減額しろとか、なくしてしまえとか、そういうことを言うものではありません」と、さも自分たちは悪くないという風に逃げている。
 6年間も朝鮮学校だけを「高校無償化」制度から除外するような文科省だ、もともと期待などしていない。だがそれ以上にがっかりすると同時に、怒りがこみあげてくる。

 この通知を受け取った各地の自治体が、今後どのような行動に出るのかは容易に想像できる。早速茨城県を初めいくつかの自治代体は、今回の通知と昨今の情勢を理由に、来年度の補助金は支給困難だと通知してきているそうである。おそらく、今後このような動きは補助金を支給している他の自治体にどんどん広がっていくだろう。

 すべての子どもたちは普通教育及びマイノリティ教育を受ける学習権を保有しているし、日本国憲法、国際人権規約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約などでもそれは保障されている。当然朝鮮学校の子どもたちも例外ではない。例外であっていいはずがない。
 また、もし仮に朝鮮総聯が朝鮮学校に何らかの影響を与えていたとして、一体何が問題なのか。宗教系の学校を見れば一目瞭然だが、設立母体が学校に影響を与えている例なんて、他にいくらでもあるだろう。
 それなのに、政治上・外交上の理由で、またしても朝鮮学校だけが攻撃を受けている。日本政府はこのような政策を一体いつまで続けるつもりなのか。

  折しも朝日新聞の川柳の欄(3月31日付)に以下のような読者投稿の川柳が掲載された。
  「在日は苛めようねと文科相」
  今回の通知の問題性をたった17文字で見事に言い当てた、「素晴らしい」川柳である。

 昨今日本ではヘイトスピーチが問題になっており、やっと国会も重い腰を上げこの問題に取り組んでいるそうだが、日本の排外主義は「一部の悪い人たち」が行っているのではない。
 国家が在日朝鮮人(特に朝鮮民主主義人民共和国や朝鮮総聯と関りを持つ人々)に対する差別、排斥を公然と行い、それに呼応して市民がヘイトスピーチという形で「草の根排外主義」を実践しているのである。
 その国家による在日朝鮮人排斥の具体的な形の一つが、今回の通知を初めとした朝鮮学校差別施策である。
 まるで、戦後直後(解放直後)を彷彿とさせる状況が、今の日本で起きている。

 今回の通知がなされた直後の3月30日、全国朝鮮学園理事長、全国朝鮮高級学校校長会、朝鮮学校全国オモニ会連絡会代表たちと東京朝高に通う2人の生徒が文科省で、抗議と記者会見を行った。

 [朝鮮新報]「きわめて政治的で差別的」/不当な文科省通知の撤回を
 http://chosonsinbo.com/jp/2016/03/sk331-7/

 [朝日新聞]朝鮮学校「学ぶ権利侵害」 文科省の補助再考通知を批判
 http://www.asahi.com/articles/ASJ3Z54N9J3ZUTIL01T.html

 [読売新聞]朝鮮学校、文科省批判「極めて差別的な措置」
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160331-OYT1T50007.html

 [JNN]朝鮮学校への補助金見直し通知、高校生ら撤回求める
 http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye2737161.html

 [한겨레신문]“왜 조선학교 학생만 차별하나요?”
 http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/737756.html

 ※日本語記事
  [ハンギョレ新聞]文部省が補助金中断で朝鮮学校を圧迫 生徒たちが抗議の会見
  http://japan.hani.co.kr/arti/international/23765.html

また、大阪府弁護士会と愛知県弁護士会は、通達が出る前からいち早くその可能性を考慮し、反対の声明を出している。

 〈大阪弁護士会〉特定の外国人学校に対する補助金停止に反対する会長声明
 http://www.osakaben.or.jp/speak/view.php?id=115

 〈愛知弁護士会声明〉朝鮮学校に対する補助金停止に反対する会長声明
 http://www.aiben.jp/page/frombars/topics2/910chosun.html

  「なぜ私たちだけ差別するのですか」という朝鮮学校生徒の言葉を聞いて、日本の為政者たちは何も思わないのか。
 朝鮮学校の民族教育は、私たち在日朝鮮人にとって生命線であり、過酷な差別、抑圧の中先代たちが命を懸けて残してくれた財産である。
 今回の通達はもちろん、高校無償化からの除外や補助金支給停止をはじめとした朝鮮学校を排除しようとするあらゆる政策に反対し、民族教育をより一層発展させるような運動に、全力で取り組んでいかなければならない。(滉)

CFD03D9C-D9F5-4250-AD96-08AEE5F2E9D6.jpg
スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。