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オバマ大統領による広島訪問について-その偽善と欺瞞

 米国のオバマ大統領は5月27日、現職の大統領として初めて広島を訪問した。

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 今回の訪問に関し、連日メディアを賑わしていたが、その評価は概ね肯定的だったと言えるだろう。一部で「原爆投下への謝罪」が無かったことに対する批判的意見はあったものの、今回の訪問を歴史上画期的なものであり、非常に素晴らしい出来事として報じていた。

 しかし、果たして今回のオバマ大統領の広島訪問は手放しで称賛できるものなのだろうか。

 オバマ大統領は広島の地で15分以上にわたるスピーチを行ったが、スピーチを聞きながら真っ先に感じたのが「主体の不在」である。

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 オバマ大統領はスピーチの冒頭でこう語った。

 「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変しました。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示されたのです。」

 戦争が語られる時によくあることだが、戦争を人が引き起こした「人災」ではなく、自然発生した「天災」であるかのごとく語り、加害の主体、責任の所在をうやむやするレトリックである。スピーチの冒頭からオバマ大統領の欺瞞性が表れていると言えるだろう。更には、スピーチが進むにつれて何か美談を語るかのような内容になっていくのを聞きながら、薄ら寒いものを感じた。

 しかし、それだけではない。

 今回の広島訪問の批判的意見として、上でも述べたように謝罪の有無であったが、そもそも今回の訪問における論点は、その点だけだったのだろうか。

 確かに今回オバマ大統領が謝罪することは無かったし、被害を受けた人たちに対する謝罪(当然その対象には朝鮮人をはじめとした日本人以外の被爆者も含まれなければいけない)は必要だろう。しかし、単に謝罪すればよかったという話なのだろうか。

 より根本的な問題として、オバマ大統領が就任以降核問題に関して何をしてきたのかを問う必要がある。

 オバマ大統領と言えば、就任9ヶ月目の2009年4月、プラハで「核兵器なき世界」について語り、ノーベル平和賞を受賞したこともあり、核兵器廃絶のための先頭に立っているというイメージを持つ人が大方ではないだろうか?
 そして、今回の広島訪問でそのイメージがより強固になったと思われる。

 しかし、彼はその職にあった8年間、核廃絶のために何かをしてきたのだろうか。
仮に、彼の「核兵器なき世界」を目指すという言葉が全くの口だけで、具体的には何もしなかったというだけならば、結果的にその方がまだましだった。

 現実には、何もしなかったどころか、正反対のことをしたのである。

 オバマ政権下でアメリカが削減した核兵器の数は約700発である。その削減ペースは、冷戦終結後の歴代政権の中で最も低い水準なのだ。

 ※参考記事
 [しんぶん赤旗]オバマ米政権の核兵器削減702発
  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-02/2016060209_01_1.html

 また、オバマ大統領が2015会計年度(2014年10月~2015年9月)の予算として議会に提出した予算案では、エネルギー省・国家核安全保障局(NNSA)の核弾頭関連予算が7%増額され83億ドル(約9000億円)となっている。これは史上最高額であり、さらに核兵器の刷新(更新)に今後30年間でなんと1兆ドル(約110兆円)もの巨費を投入する計画を立てている。

 そして、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の核実験を徹底的に批判し、あり得ない制裁まで課しておきながら、自分はちゃっかりと核実験まで行っている。

 ※参考記事
 [スプートニク]米国、核実験を実施
  http://jp.sputniknews.com/us/20151118/1187018.html

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 そしてもう一つ重要なことは、オバマ大統領が「米国史上最も長く戦争を行っている大統領」だということだ。
 彼には、イラクでの戦争を拡大し、アフガニスタンでの戦争を引き延ばしたという事実がある。そして、リビア、シリア、パキスタン、イエメン、ソマリアで軍事行動を起こし、多くの民間人を殺戮し、罪のない多くの人々が離散を余儀なくさせた。

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 アジアにおいても、「リバランス(再均衡)政策」の名の下、米国の覇権を維持するために、台頭する中国との軋轢を強め、日本の集団的自衛権を容認し、米日間の軍事同盟を強化し、対朝鮮敵視政策を強固に推し進めている。
 今回の広島訪問も、日米同盟強化という角度から見る視点は欠かせないだろう。

 ※参考記事
 [長周新聞]オバマとは誰か 寺島隆吉
  http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/obamatohadareka.html

 [ハンギョレ]オバマ大統領の広島訪問が成果を収めるために
  http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/24125.html

 彼は口では平和や核兵器を抽象的、文学的に語りながら、実際には核軍縮どころか核兵器の生産を増強し、積極的に軍事行動まで行っている。
 このような事実を踏まえると、オバマ大統領が謝罪を行わないことは何ら不思議ではなく、もし謝罪したとしてもそれは政治的打算に基づく形式的な謝罪に過ぎないだろう。

 自身が最大の軍事的脅威を振りまきながら、アメリカが、オバマ大統領が語る「平和」なぞは欺瞞でしかない。

 そんなオバマの広島訪問の欺瞞性について、朝鮮は次のように徹底的に非難している。

 「オバマが他でもない自身が核爆弾を投下したところへ行って、非核化を云々したことは、恥知らずの極致である」

 「オバマが執権当初から掲げた「核兵器なき世界」構想というのは、自国の核戦争手段は一層強化し、他国の軍事力を弱化させようとする下心から発したものであった」

 「米国が世界非核化の実現にそれほど関心があるなら、自国から先に核を放棄し、他国と他民族に対する核威嚇・恐喝を中止する模範を示すべきであろう」


※詳細は、
 [朝鮮新報]조선외무성 대변인, 《핵위협 걸고드는 한 자위적핵무력을 질량적으로 더욱 강화해나갈것》
  http://chosonsinbo.com/2016/05/kcna_160529/

 果たして世界の平和を阻害しているのは誰なのだろうか。(匡)
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