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ヘイトスピーチ対策法と不都合な朝鮮人

 「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(いわゆる「ヘイトスピーチ対策法」)が、5月24日成立した。これをうけて、川崎市と横浜地裁川崎支部は川崎区で予定されていた排外主義デモの公園利用を不許可とした。6月3日の施行後にあたる5日、中原区平和公園に移った排外主義デモも「中止」に追い込まれた(『朝鮮新報』2016年6月7日付「対策法成立後、初のヘイトデモ、出発直後に「中止」」)。

 すでに外国人人権法連絡会が問題点を指摘しているとおり、この法律の保護対象は、「本邦外出身者又はその子孫であって適法に居住するもの」に限定されており、アイヌ、琉球・沖縄、被差別部落などの被抑圧民が含まれない。非正規に滞在する外国人は含まれず、「不法滞在の○○」とすれば差別扇動が許される抜け道となっている。また、同法は差別煽動を解消するための「取組」を推進しているのみで「禁止」はしていない。

 かつて朝鮮人は朝鮮半島と日本を往来し国境をまたいで生活基盤を形成していたにも関わらず、解放後に移動の自由を制限され、日本に再渡航した者の多くが「密航」とされた。朝鮮の分断と戦争により日本に再漂着したわれわれは、「適法に居住する」ことができなかった「難民」の子孫だ。その歴史的背景を無視し、「密航者は出ていけ」と扇動されても問題とならないのはいかがなものか。「不法滞在者」とされる非正規の移住者と自分たちを明確に分けることは歴史的にみて困難でありその必要もない。

 また、保護対象を非正規滞在者や日本内外出身の人種的マイノリティに広げるべきであるのみならず、性別(ジェンダー)、性的指向(セクシュアリティ)や宗教的マイノリティにも行き届く差別禁止法の制定ないし改正が急がれる。「ヘイトクライム」概念の成り立ち自体、米国における黒人への殺傷はもちろん性的マイノリティに対する憎悪殺人と切っても切り離せない。国連は、人種差別撤廃条約のみならず女性差別撤廃条約や自由権規約にもとづいて、性別や性的指向を理由とした差別と暴力、ムスリムに対する監視をなくすよう日本に勧告しているのであって、諸外国では包括的な差別禁止法が成立している。

 最後に同法の差別的言動とは、日本外の「出身であることを理由として」、日本や地域社会から「排除することを煽動する不当な差別的言動」とある。つまり、人種属性を否定し排除を不当に煽動さえしなければ、差別迫害が爆発した歴史の教訓であるところの関東大震災と南京大虐殺、日本軍性奴隷制について声高に否定・矮小化してもかまわないのである。それが、ユダヤ人虐殺や奴隷制に対する歴史歪曲を禁止する欧州との歴然たる違いである。

 そこには人種的差別・迫害にもとづく大惨事から学び、二度とくり返さないというスタンスは見えず、歴史を忘却する勢力にとって都合の悪い朝鮮人やその活動、朝鮮学校は依然として排除の対象となる。日本政府は2月10日以降、独自制裁によって朝鮮籍者の再入国と移動を制限し、「社会から排除することを煽動」、実行に移している。(正)

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