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米国だけが深刻なのか?ヘイトスピーチ、ヘイトクライムの今

 前回の記事でも触れられたが、11月8日、アメリカで大統領選挙が行われた。メディアをはじめとした多くの人々の当初の予想を裏切りドナルド・トランプ候補が大統領選を制した。

トランプ

 これについて、日本の「報道」や「知識人」から懸念の声が上がっている。
 それもそのはず。トランプ氏は選挙活動期間にも様々な暴言を繰り返していた。

 出馬表明会見の時点で
 「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む」
 「メキシコ人は強姦犯」
 「メキシコとの国境に壁を作る」

といったとんでもない暴言を吐いている。

 また、
 「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」
 「イスラム教徒のデータベース登録を必ず実施する」

といった発言も行った。

 それだけではなく女性蔑視と取れる発言が暴露され、同じく共和党の女性候補に対しても
 「あの顔を見ろ。誰があんなものに投票するのか」
と言い放ち、民主党候補のヒラリー・クリントン氏に対しTwitterで
 「ヒラリー・クリントンが夫も満足させられていないならなぜアメリカを満足させられるのか」
と投稿。

 さらにトランプ氏が副大統領候補にあげているマイク・ペンス氏はLGBT(性的マイノリティ)差別政策に賛成を表明している。

 このようにマイノリティ蔑視発言、ヘイトスピーチを垂れ流していたトランプ氏の当選に後押しされてか、大統領選挙翌日からアメリカ各地でマイノリティに対するヘイトスピーチ、ヘイトクライムが横行する深刻な状況になっている。
 被害にあっているのは主にイスラム教徒、移民、黒人、民族的少数派、LGBTなどであるようだ。

※参考記事
 [BUZZAP]トランプ勝利からたったの1日、米国内ではマイノリティへのヘイトクライムが吹き荒れる事態に
  http://buzzap.jp/news/20161111-trump-supporters-hate-crime/

 ヘイトスピーチは「差別扇動」とも訳される。トランプ氏の選挙期間中またはそれより以前の発言がマイノリティに対する差別、犯罪を扇動しているのは明らかである。こういった事態に日本の「報道」や「知識人」は次々と懸念を表明しているのである。

 しかし、今回のアメリカに対する日本のこのような「懸念」が滑稽に見えて仕方ない。いや、怒りすら感じる。

 日本でもずいぶん前から全く同じではないか?「政治家」や「報道」、「知識人」によるヘイトスピーチや差別が新たなヘイトスピーチ、差別を生んでいる。とりわけ在日朝鮮人に対する敵視、差別政策は深刻な状況だ。それらを完全に無視し、アメリカばかりに批判の目を向けるのは全く納得のいくものではない。

 今年の東京都知事選でもトランプ氏の選挙期間と同じようにヘイトスピーチが垂れ流された。
 元「在特会」会長の桜井誠である。
 桜井は「政治活動の自由を保障」する憲法、「候補への暴行や演説の妨害など選挙の自由の侵害を禁じ、4年以下の懲役・禁錮か100万円以下の罰金を科す」公職選挙法を念頭に「選挙期間中は無敵だ」と宣言し「選挙演説」と称し差別的言説を繰り返した。また、京都朝鮮第一初級学校襲撃事件や徳島県教組襲撃事件の主犯として実刑判決を受けた西村斉なども「応援演説」として駆けつけ、有罪が確定し実刑を受けたにも関わらず反省の色を示さないばかりか、当時の事件を引き合いに出しおちょくる言葉を吐いていた。彼らがヘイトスピーチを垂れ流すために都知事選に臨んだということは言うまでもない。

※参考記事
 [毎日新聞] 選挙中は野放し 政治活動との線引き課題
  http://mainichi.jp/articles/20160904/k00/00m/040/081000c

在特会

 しかし桜井は約11万4千票という決して少なくない票を獲得した。

 政府が在日朝鮮人に対する差別的政策を撤回し、このようなヘイトスピーチの対策に乗り出さなければこの11万4千票という数字はどんどん大きくなり更なるヘイトスピーチ、ヘイトクライムを生み出す事態になりかねない(いや、何度も言うようにすでにその方向に日本の社会全体が向かっていってしまっている)。

 このような状況に対し次のようなニュースも。

 11月2日、徳島県教組襲撃事件で最高裁は在特会の上告を退け、会員らの行動は「人種差別的思想の表れで強い非難に値する」「リンチ行為としか言いようがない」と指摘、日本も加入する人種差別撤廃条約上の「人種差別」にあたるとして、賠償額を一審・徳島地裁が命じた約230万円から436万円に増額した二審・高松高裁判決が確定した。

※参考記事
 [朝日新聞] 在特会の県教組抗議は「人種差別の現れ」 高松高裁判決
  http://www.asahi.com/articles/ASJ4P6QCWJ4PPLXB00V.html

 [朝日新聞] 徳島県教組で罵声、在特会への賠償命令が確定
  http://www.asahi.com/articles/ASJC24T0YJC2UTIL02L.html

 また、ネット上のヘイトスピーチについてのニュースも入ってきている。YouTubeとTwitter上の差別的書き込みが個人の申し立てにより削除された。

※参考記事
 [神奈川新聞] ユーチューブも差別動画削除
  https://news.nifty.com/article/domestic/society/12152-212049/

 そもそもヘイトスピーチとは何か?

 人種差別、民族差別撤廃に取り組む師岡康子弁護士は著書『ヘイト・スピーチとは何か』の中でヘイトスピーチ、ヘイトクライムを「人種、民族、性などのマイノリティに対する差別に基づく攻撃」とした上で、マイノリティとは
①一国においてその他の住民より数的に劣勢な集団で、
②被支配的な立場にあり、
③国民の残りの人たちと異なった民族的、宗教的または言語的特徴を有し、
④自己の文化、伝統、宗教または言語を保持することに対して、連帯意識を黙示的であるにせよ示しているもの
としている。
 特に②から「沖縄の米軍に対するヘイトスピーチ」、「日本人に対するヘイトスピーチ」と言った頓珍漢な言説は意味をなさない。

 ここまで見てきたように、日本内での差別的政策、ヘイトスピーチ、ヘイトクライムを棚に上げアメリカを批判するおかしな状況は、差別を差別と考える感覚の無さが大きく関わっているのではないだろうか。我々は日本内の差別状況、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムの被害・加害状況を訴え続ける必要がある。

 奇しくもトランプ氏の当選により、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムとそれに対抗する声が同時に高まってきている。「日本はアメリカとは違う」という声に敏感に反応し闘っていこう。(翔)
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